皆さんは「海の生き物」というと何を思い浮かべますか? 地球の表面積のおよそ70%を占める海には、たくさんのユニークな生き物が住んでいます。水族館でも滅多に見られないような海の人気者と泳げるのもダイバーの特権。早速、憧れの野生動物と泳げるダイビングエリアを紹介しますので、ぜひこれからのダイビング旅行の参考にしてくださいね♪

※掲載している写真はイメージです。紹介しているエリアで撮影されたものではない写真もありますので、ご了承ください。

ジンベエザメータオ島(タイ)

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海の大型癒し系アイドルと言えばジンベエザメ。魚の中では最大の大きさを誇り、10メートル以上に成長するジンベエザメもいます。性格は温厚でおとなしく、エサはプランクトンや小魚を好みます。「一度は海でジンベエザメに会いたい!」というダイバーにオススメなのが、タイのタオ島。タオの海はダイビングには絶好の地理的位置にあり、とにかく魚影が濃く、高確率でジンベエザメに遭遇できるエリアとしても有名です。また、タオの生き物はとてもフレンドリーで、他のエリアでは少し近づくとすぐに引っ込んでしまう生き物もゆっくり観察できる可能性が高いです。まさにフォト派ダイバーの天国と言えるでしょう。

タオ島には世界中からダイバーが集まり、活気に溢れています。水中世界を楽しんだ後は、美味しいタイ料理が味わえるお店で、エメラルドグリーンの海を眺めながら南国の楽園気分が楽しめます。ダイバーたちが何度でも通いたくなる魅惑のタオの海、ぜひ訪れてみてください。

アシカラパス(メキシコ)
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Photo: Luke Inman

メキシコのバハ・カリフォルニア半島南に位置するラ・パスから、ボートで30分ほど北に進むと、巨大な岩のような島が見え、「ウォ!ウォ!」という鳴き声が聞こえてきます。そこはアシカの楽園と呼ばれるロス・イスロテス 世界中のダイバーの憧れスポットのひとつです。

海へダイブすると、クリクリな目をした好奇心旺盛なアシカの赤ちゃんが近寄ってきます。がぶがぶとフィンやスノーケルを咬んだり、クルクルと旋回しながら後をついてきます。そんなキュートな姿はまるで子犬のよう。手を差し出すと、クンクン嗅いだり、ぱくっと甘噛みしたりします。海で大物を見慣れたベテランダイバーでも、アシカの可愛さにメロメロになってしまうでしょう。赤ちゃんアシカが泳ぎまわり始めるのは毎年の9月頃なので、ベストシーズンは水温がまだ暖かい9月と10月です。

日本からラパスへは、長い移動時間を覚悟する必要がありますが、アシカとふれあうという最高のご褒美が待っています。ダイビング旅行を終えた後も「アシカが待つあの場所でまた潜りたい!」と思わせてくれるスポットです。

ジュゴン北パラワン諸島(フィリピン)

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フィリピンの「ラスト・フロンティア」と称される北パラワン諸島には、見事な白砂ビーチとスカイブルーの海が広がっています。ダイバーにも人気が高いこのエリアは、珍獣ジュゴンと出逢える海域としても有名です。優しい目をしたジュゴンは、大きな体でゆっくりと動き、海草を食します。運が良ければ水中で、お母さんジュゴンに寄り添って泳ぐ赤ちゃんジュゴンの姿が見られるかもしれません。そんな癒し系のジュゴンですが、近年絶滅の危機に陥っており、フィリピンでも個体数が激減しているのが現実です。もし水中でジュゴンと出逢ったら、少し離れたところから静かに見守ってあげましょう。

生物相が豊かなこのエリアでは、ジュゴンだけではなく、ウミガメ、マンタ、クジラ、数多くのマクロ生物が見られます。生物派ダイバーの皆さん、ぜひ訪れてみてください。

マンタ石垣島(日本)

世界中からダイバーが集まる国内の人気ダイビングエリア・石垣島には、世界屈指のマンタポイントがあります。マンタはプランクトンを主食とし、のんびりした性格の持ち主です。体長2-4メートルのマンタが海に舞う姿は、迫力があると同時にうっとりするほど優雅で、見るものを感動させます。石垣島では一年中マンタに会えますが、ベストシーズンは風が安定する夏の時期だとされています。マンタの群れを見たい方はマンタの求愛シーズンである秋に訪れるのがおすすめ。詳しい遭遇シーズンについては、PADIダイブショップまでお問い合わせください。

マンタの他にも美しいサンゴ礁、色とりどりな生物、濃い魚影、神秘的な洞窟、豪快なドロップオフなど、石垣島の魅力はさまざま。日本が世界に誇る石垣島の海を、ぜひ探検してみてください。

イルカ御蔵島(日本)

子供のころ、イルカと泳ぐ夢を抱いたことはありませんか? その夢、東京で叶えられます! 東京から200キロ南下したところにある小さな島・御蔵島の周りには、昔から野生のイルカ達が暮らしています。好奇心旺盛で人懐っこいイルカは、周りでクルクルとダンスしたり、一緒に泳いで遊んでくれます。イルカ達が水面付近まで来てくれるので、スノーケリングでも充分楽しめますが、スキンダイビングだとより近くでイルカとふれあうことができるので、事前にスキルを練習してから行くのもおすすめです。

ドルフィンスイムを楽しんだ後は、島内散策をして大自然に癒されましょう。御蔵島の豊かな森には巨樹が眠り、オオミズナギドリが住んでいます。食事は、取れたての海の幸など、島ならではのグルメを堪能。海でも陸でも、御蔵島の自然の恵みを満喫しましょう。

トドー積丹半島(日本)

札幌から北西におよそ90キロ、そこには海獣たちが棲む積丹半島があります。絶好のダイビングエリアでもあるこの地には、毎年12月中旬から多くのトドがやってきて、翌年の春5月頃まで滞在します。トドとの遭遇率は天候によって左右されますが、逢える可能性が最も高いのは1~2月だと言われています。オスの成獣は体長約1メートル、体重は1トンを超えますが、岬で休んでいる14~15頭のトドを船上から見ると、何だかあどけない犬のように見えることも。しかしボートを10~15メートルほどまで寄せると「ガォーッ」と威嚇されることもあるので油断禁物です(笑)。

陸上では警戒心が強いトドですが、水中では好奇心旺盛な一面を見せることも。ダイバーに出会うとわずか数メートルの距離まで近づき、大きな目を動かしながらダイバーの顔を覗き込んだりします。そしてダイバーの周りをくるくると宙返りし、しなやかな泳ぎを見せてくれたり、スーっと遠ざかったと思ったらまた戻ってきてダイバーを喜ばせてくれます。

このエリアにはトドだけではなく、ゴマフアザラシやオットセイ、ときにはシャチに遭遇するチャンスもあり、夏場にはイルカやクジラがやってきます。年間を通じて海棲哺乳類が豊富な積丹周辺の海はまさに「海獣ランド」と言えるでしょう。

詳しい遭遇時期などはPADIダイブショップまでお問い合わせください。

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