ダイビング中、他のダイバーより早くエアを消費してしまい、「自分のせいで潜水時間が短くなってしまうのでは?」と焦った経験はありませんか? 特にダイビングを始めたばかりのころは、緊張やスキル不足からエアの消費が速くなりがちです。ですが安心してください! 少しの工夫でエアを効率的に使えるようになり、より長く海中世界を楽しむことができます。

ここでは、初心者から上級者まで役立つ エア消費を節約するための10のコツ をご紹介します。次回のダイビングでぜひ試してみてください!


1. ゆっくり呼吸する

オープン・ウォーターの講習で習ったように、ゆっくり吸ってゆっくり吐く呼吸法を守れば、エア消費を根本的に改善することができます。 呼吸は浅く速くなるとエアの消費量が増えます。吸う・吐くのサイクルをゆっくりとし、特に「息を吐き切る」ことを意識しましょう。

bubbles rising to the surface of the ocean

2. ウエイトを適正に身に付け、中性浮力をマスターする

中性浮力ができないと、頻繁にBCDの空気を抜いたり入れたりすることが多くなり、不必要なエア消費が増えます。 そのため、中性浮力のマスターはエアの節約の鍵とも言えます。 適正なウエイト量は中性浮力を保つ重要ポイントなので、自分に合ったウエイト量を付けているかどうかPADIインストラクターと再確認しましょう。PADIのスペシャルティ・コース「ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー」では、以下のようなスキルを学ぶことができます。

  • 自分に合った適切なウエイトの調整方法
  • 呼吸を使った微妙な浮力コントロール
  • 効率的なフィンキックで余計なエネルギーを使わないテクニック

このコースを受講することで、中性浮力のスキルを徹底的に磨き、より少ないエアで快適にダイビングが楽しめるようになります。中性浮力をマスターすることは、エア消費を抑えるだけでなく、サンゴや海洋生物に優しいダイバーになるためにも重要です。


3. 無駄な動きをしない

慣れないうちは浮力を保とうと無駄に動いてしまい、更に余分にエアを消費してしまいます。手で泳ぐ動作や、過剰なフィンキックはエネルギーとエアの浪費につながります。移動するときは大きく足を開き、ゆっくりフィンを蹴り、全体をリラックスさせて効率よく移動しましょう。移動時に手を動かしてもさほど効果がなく、逆に疲れて呼吸が乱れてしまうので、できるだけ足のみを使いましょう。(フィンキックが出来ない場合は例外です。)


4. 器材のメンテナンスを怠らない

定期的に器材に破損・漏れがないかチェックしましょう。(例:Oリング/バルブが劣化すると、気泡が生じ空気漏れに繋がります。)


5. 器材を正しい位置に装着する

ダイバーの身体から突き出たものは、すべてダイバーが泳ぐときに抵抗になります。ホース類は留め具で固定し、アクセサリー類はポケットにコンパクトにまとめましょう。ストリームラインがきれいにとれているダイバーは、すべてのものが正しくフィットし、正しく調整されています。そうすることで水平体で泳ぐとき、水の抵抗を出来るだけ減らした姿勢を保ちやすくなり、ダイビングがより楽になります。

open water diver chang

6. 防寒対策をする

寒さはエア消費の増加に直結します。水中の寒さは陸の20倍の早さで体温を奪います。体が余分なエネルギーを使って体温を維持しようとするため、呼吸が速くなり、エアを多く消費してしまうのです。保護スーツは、水温に応じたものを選ぶのはもちろん、体温の多くは頭部、手足から奪われるので、フードやグローブ、ブーツなどを活用しましょう。寒さが厳しい環境では、エントリー前に身体を温めておくと良いでしょう。水に入る前に軽くストレッチをしたり、温かい飲み物を摂取しておくと、体温が維持しやすくなります。


7. 体力を向上させる

スクーバダイビングには、最低限の体力があれば、楽しむことができますが、流れのある上級者ポイントでは、体力が大いに役立ちます。強い潮流に逆らって泳ぐ際や、長時間潜るためには、心肺機能を鍛えておくことが重要です。体力が向上することで、無駄なエア消費を防ぎ、効率的に呼吸できるようになります。また、体力があれば疲れにくく、ダイビング後も元気に次のアクティビティを楽しむことができます。


8. ダイビングのペースを調整する

ダイビングのペースをコントロールすることは、エア消費を抑えるための重要な要素です。速く進むことに焦るあまり、エアを過剰に消費してしまうことがあります。自分のペースで、周囲の環境を楽しみながら、穏やかな動きで進むことがエアの節約に繋がります。


9. リラックスする

これは最も重要な要素かもしれません。 ダイビング中、周囲の景色や海の生物、光の反射などに意識を集中させることで、自然と呼吸が深く穏やかになります。心がリラックスすると、無駄な動きが減り、体内の酸素消費が最適化されます。

an underwater diver lying on their back

10. 経験を積む

当たり前ですが、確実な方法のひとつです。 ダイビングの回数が増えることで、状況に応じた冷静な判断力が養われます。初心者のうちは、焦って無意識に呼吸が速くなりがちですが、経験を積んだダイバーは水中での不安を感じにくくなり、呼吸が安定します。心拍数が落ち着くことで、エア消費を自然に抑えることができます。


エア消費を抑えるためのコツを実践することで、ダイビングの時間を延ばし、より快適に水中世界を楽しむことができます。これらのポイントは、初心者の方はもちろん、経験豊富なダイバーにも役立つ基本です。
また、こうしたスキルを磨く過程そのものも、ダイビングの楽しさの一部です。自分の呼吸を感じながら、海中の景色や生物との出会いをじっくり楽しんでみてください。それこそが、ダイビングの醍醐味です。

ぜひ、今回ご紹介した方法を取り入れて、次回のダイビングをさらに充実させてください。

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