オープン・ウォーター・ダイバー・コースで学ぶ “黄金ルール” のひとつに、「必ずバディと一緒に潜ること」があります。シンプルですが、とても大切な考え方です。

とはいえ、水中での自信がついてくると、「バディって本当に必要?」と思う瞬間があるかもしれません。

でも、ダイビングが安全性の高いアクティビティであるとはいえ、リスクが完全になくなるわけではありません。どれだけ経験を積んだダイバーでも、思わぬ状況に直面する可能性は常にあります。

そう考えると、バディの存在は「ルールだから守る」ものではなく、安全で楽しく潜るための土台そのもの。認定を取りたてのダイバーにとっても、ベテランダイバーにとっても欠かせない存在です。

バディ・システムのメリットには、次のようなものがあります:

  • 安全性
  • 注意力の向上
  • 相互サポート
  • 冒険の共有
  • チームワーク
  • 学びの機会

それでは、なぜ常にバディと潜ることが大切なのか、そしてどこでバディを見つけられるのか、もっと詳しく見ていきましょう。


A pair of divers admire a scenic mountain backdrop before embarking on a cold water altitude scuba adventure in a Swiss lake

ダイブバディとは?

ダイブバディとは、一緒に潜るパートナーのこと。バディ同士でダイブプランを立て、水面でも水中でもお互いに気を配り合い、必要なときにはサポートしながら、同じ体験を共有していきます。

「必ずバディと潜る」という考えは、スキューバダイビングの歴史の初期から続くものです。ただし「バディシステム」という言葉自体は第二次世界大戦に由来しており、当時は軍人同士が互いを守るためにペアを組んだことから始まっています。現在では、職場や他のアドベンチャースポーツでも広く取り入れられています。

バディは、友人・家族・講習仲間はもちろん、1人旅でチームになった初対面の人の場合もあります。大切なのは、明確なコミュニケーション と 互いの安全と楽しさへの責任を共有する姿勢です。

ダイブバディは2人?それとも3人?

レクリエーショナル・ダイビングでは、基本的に2人1組が最も安全で理想的とされています。3人以上のグループになると、お互いの位置を把握することが難しくなり(特に透明度が低い環境では顕著)、はぐれるリスクが高まります。ただし、プロフェッショナル、テクニカルダイビング、ケーブダイビングの分野では、より大きなチーム編成が行われることもあります。


A silhouette of two divers descending a line from a liveaboard boat after they were able to find a buddy to travel with

なぜダイブバディが必要なのか?

安全確保、海洋生物の発見、冒険の共有など、ダイブバディと潜るべき理由はたくさんあります。ここでは代表的な6つのポイントをご紹介します。

1. 安全が最優先

ダイビング前のチェックからエキジットまで、バディはトラブルの芽を早い段階で発見し、問題になる前に対処できるよう助けてくれます。さらに、もし実際にトラブルが起きた場合—足がつる、絡まる、エア切れなど—バディシステムは命を救うことにもつながります。

2. ダブルの気づき

2人の目があれば、海洋生物やリーフをもっと見つけやすくなります。また、バディと潜ることで、お互いの深度・潜水時間・残圧をチェックし合えるため、安全性がさらに向上します。もし遊び好きのイルカが現れてダイブプランを忘れそうになっても…2人なら安心です!

Two scuba divers wearing drysuits help each other to put on their scuba gear before completing the pre dive buddy check

3.サポートし合える

スキューバダイビングは、肉体的にも精神的にも負荷がかかることがあります。特にスキルを学んでいる最中はなおさらです。重いタンクの準備でも、新しいチャレンジへの不安でも、良いバディがそばにいることで心強く、乗り越えやすくなります。

4. 冒険を共有できる

ホバリングがきれいに達成した瞬間やマンタが目の前を優雅に舞った瞬間も、水中での最高の出来事は誰かと共有するからこそ、さらに特別になるものです。一生に一度の出会いを目撃し、カメラに収め、そして何度も語り合えるのはバディがいるからこそです。

A diver holds a mesh bag open while another collects debris, an example of teamwork and a reason to always dive with a buddy

5. チームワーク

タコのように腕が8本あれば便利ですが、私たち人間の腕は2本だけです。そんなときこそダイブバディの出番。海洋ごみを回収するときにバッグを開けてもらったり、サーチ&リカバリで物を持ち上げるときに手伝ってもらったり、さまざまな水中作業をサポートし合うことができます。

6. 成長と学び

経験豊富なバディと潜ることで、中性浮力、器材の扱い、水中写真、魚の見分け方など、さまざまなスキルを吸収することができます。逆に、経験が浅いバディと潜るときには、自分がリーダーシップを発揮することで自信が深まります。いずれの場合も、バディがいる限り、水中には常に学びのチャンスがあります。


Two divers explore a wreck together after a specialty course, one way of finding dive buddies for life with shared interests

どうすれば「良いダイブバディ」になれる?

良いダイブバディとは、責任感があり、スキルがあり、互いに助け合う意志を持ったダイバーのことです。また、サメダイブや沈船探検、オーシャン・トーチベアラーとして活動するなど、興味や目的が似ているほど、より充実したダイビング体験ができるでしょう。

“良いダイブバディ” チェックリストの例:

  • 明確なコミュニケーションができ、潜る前にハンドシグナルを確認している
  • バディの近くにいる(近すぎない距離感で)
  • ダイブプランと潜水限界を守る
  • 体調を整え、時間通りに集合し、準備万端で参加する
  • 相手の経験と快適さのレベルを尊重する
  • 器材が正常に機能しているか確認する
  • PADI レスキュー・ダイバーを目指して学ぶ

A group of scuba divers getting ready to explore the ocean after referring their friends and family to get PADI certified

ダイブバディの見つけ方

常にバディと潜れるように、同じ志を持つ海の仲間に出会う方法はたくさんあります:

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