安全ダイビングに役立つ情報を頂きましたのでご紹介いたします。

桐蔭横浜大学でスポーツ健康科学を学ぶ大学生が、2019年8月27日(火)、28日(水)の2日間、西伊豆・大瀬崎で、体験ダイビング中の脈拍数を測定しました。実施したのは、スポーツ健康政策学部で将来体育の教員やスポーツコーチを目指す、林田ゼミの学生12名です。

運動をすると本来は脈拍数が上がりますが、ダイビングの場合は水圧や水温が関係するため、脈拍応答は陸上とは異なることが予想されます。また、水中で呼吸をするという緊張感にも脈拍はさらに影響を受けるでしょう。夏のレジャーとしてダイビングの人気が高まる中で、体験ダイビング中の脈拍応答がどれくらい変動するのかについて調べることを目的に2日間のゼミ活動を行いました。

体験ダイビングを指導してくださったのはダイビングプロジェクトジックのインストラクター3名です。

体験ダイビングについての説明を受けた後、腕に測定器をつけ、ウェットスーツを着用していよいよダイビングを開始。

ほとんどの参加者が初めてダイビングを行いましたが、さすがの体力と運動神経の良さで、スムーズにダイビングを楽しむことができました。

【測定した結果の一部をご紹介します】

図1はダイビング体験者2名の脈拍の変動です。潜降するまでの5分間は脈拍が高めで、初心者の潜降の難しさが見て取れます。上手く潜降できた5分頃からしばらくの間は脈拍が落ち着いておりリラックスしてダイビングできています。しかし、後半に脈拍は上昇していることから、疲労の影響が考えられます。

図1ダイビング体験時の脈拍の変動

図2はレスキューダイバーライセンス取得者、図3はこのグループのインストラクターの脈拍の変動です。ダイビング経験がありその技術が高いほど、体験ダイビング程度の推進と時間では脈拍に影響しないことがわかりました。

図2レスキューライセンス取得者の脈拍の変動

図3インストラクターの脈拍の変動

体験ダイビング時の脈拍応答は、参加者とインストラクターの間で大きく異なることが確認されました。体験ダイビングの特に後半では参加者の脈拍が乱れている可能性があることを指導者は意識しておく必要があるのかもしれません。

【筆者プロフィール】

harumi hayashida

林田はるみ
フィットネスクラブでダンスやヨガの指導をしていた際に、医学的知識の必要性を感じて理学療法士に転身。リハビリテーション病院で運動療法を行なっていたが、病気になる前に予防することが重要であると感じ、予防医学の分野へ。現在は桐蔭横浜大学教授として特に女性の健康づくりに関する研究を行なっている。博士(スポーツ科学)。

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