セイコーウオッチ株式会社の本格スポーツウオッチブランド<セイコー プロスペックス>は、PADIとPADI AWARE 財団が取り組む海洋保護活動のひとつである「海洋ごみ(Marine Debris)プログラム」への支援を行っています。セイコーは、これまでセイコーダイバーズを愛用しているダイバーや、大いなる海への感謝の気持ちを込め、<セイコー プロスペックス>売上の一部を寄付し、海洋ごみを回収する専用メッシュバッグを提供するなど、PADIの海洋保護・保全活動に貢献しています。
SEIKOxPADI AWARE クリーンナップ
セイコーウオッチとPADIは両社スタッフ合同での海洋保全活動にも全世界で取り組んでおり、日本国内では6回目となる「SEIKOxPADI AWARE クリーンナップ」を 2025年11月14日(金)に、城ヶ島ダイビングセンター様協力の下、神奈川県城ヶ島にて実施しました。
今回は27名のセイコーウオッチ社員が城ヶ島の海岸と街のクリーンナップを行い、PADI ジャパン社員、城ヶ島ダイビングセンタースタッフ合計6名のダイバーは城ヶ島での水中クリーンナップを同時に取り組みました。また、ごみ拾い問題への取り組みに加えて、近年全国各地で問題になっている「磯焼け」対策として神奈川県三和漁協城ヶ島支所が長年にわたり取り組んでいる「藻場再生活動」にも参加しました。

前回開催のレポートはこちらより
事前の勉強会
セイコーウオッチ社員の皆様は、イベント参加前に PADI eラーニング「Dive Against Debris®」を通じて、海洋ごみ(デブリ)が生まれる背景やその影響について学び、理解を深めました。そして、城ヶ島ダイビングセンター高橋様からのレクチャーにより、実際に城ケ島の海が直面している磯焼け問題や藻場再生についても事前に把握することができました。
このように、プログラムの目的や意義を事前に知ることは、参加者が主体的かつ意識を持って取り組むための大きな原動力となります。さらに、事前学習で身につけた知識は、海洋ごみ問題および藻場再生活動への理解を深めるだけでなく、実際の活動をより効果的・効率的に進めるための確かな土台にもなりました。
「陸上班」のセイコーウオッチ社員チームは海岸と街のクリーンナップへ
当日は良い天気に恵まれて、富士山を遠くに眺めながら海岸クリーンナップを快適に実施することができました。約1時間海岸と街のクリーンナップを行い、沢山のプラスチック包装、マスク、陶器片等を回収することができました。その合計は、21.815kg(可燃ごみ 4.565kg、不燃ごみ 7.555kg)にもなりました。


「水中班」の地元PADIインストラクターは三崎漁港にて Dive Against Debris®
今回は、城ヶ島ダイビングセンターの高橋洋平様、杉山隼斗様とPADIジャパン・スタッフが力を合わせて、普段は潜ることの無い三崎漁港内に沈んでいる海洋ごみを神奈川県三和漁協の協力もいただき、回収することが出来ました。水中で回収した海洋ごみはカゴに入れられ、セイコーウオッチ社員の4名と城ヶ島ダイビングセンタースタッフが陸地に引き揚げました。





今回、水中ごみ調査・回収したエリアからは、仕掛けや竿など釣り具や、何十年も沈んでいたであろうビンテージな飲料ビン・缶などが大量に回収できました。そして自転車、骨壺など想定もしていなかったものも引き揚げられました。
トークセッション
海岸クリーンナップと水中クリーンナップが終了した後、参加者は再び城ヶ島ダイビングセンターに集合し、神奈川県三和漁協城ヶ島支所長・石橋英樹様、城ヶ島ダイビングセンターの高橋洋平様・高橋真樹子様をお迎えして、トークセッションを行いました。
石橋様からは、藻場再生活動を始めた背景や、これまでの取り組みで得られた成果や変化について丁寧にお話しいただきました。また、高橋洋平様と高橋真樹子様からは、ダイビングの魅力や楽しさについてご紹介いただき、参加者の皆様にとっての新たな気づきや学びの機会となりました。




ごみゼロのランチ弁当
トークセッションの後、地元のデリバリーサービスが提供するヘルシーなお弁当を楽しみました。再利用可能な容器を使用し、三浦半島で採れる滋味豊かな野菜を中心の食材で作られたごみの出ないお弁当です。美味しいお弁当を食べながらダイバーとノンダイバーの交流もできた有意義なランチタイムでした。


藻場再生の取り組み
海洋環境問題は海洋ごみ以外にも様々な課題があります。例えば、神奈川の海では本来なら海藻が生い茂る「藻場」という重要な生態系に深刻な影響を及ぼしている「磯焼け」問題にも直面しています。これは近年続く温暖化・水温上昇に関連してアイゴという海藻を根こそぎ食べてしまう魚やウニの増加によって発生した海藻類への食害が一因と見られています。このような状況を改善するため、神奈川県水産技術センターが三和漁業協同組合城ヶ島支所を含め地元の団体と共同でカジメの再生に取り組んでいます。
回の活動では、神奈川県水産技術センターの遠藤健斗様より、カジメ再生作業についてレクチャーをしていただきました。


イコーウオッチ社員の皆様には、陸上でカジメの種苗を専用ロープに付着させる作業を担当していただき、約180株のカジメをロープに丁寧に取り付けました。そして、ダイバー班は水中に潜り、種苗を付着させたロープを適切な場所へ設置する作業を実施しました。




これらの作業を通して、参加者の皆様は海洋保護活動への理解を深めるとともに、環境保全への意識を一層高めることができました。
最後は全員一丸となってのDive Against Debris®調査のカウント作業を実施
最後のアクティビティとして、参加者が海洋ごみ対策の市民科学プログラムとして確立されている Dive Against Debris®プログラムに則っての調査カウントを共同で取り組みました。その結果、188個、 111kg もの海洋ごみの回収に成功したことが分かりました。特に飲料ビン・缶が多く、私たちの生活から出されていることを再認識。中には釣り具や様々なものが絡まった網など分別しにくいものも少なくありません。一方でプラスチックごみが少ないのは、その多くが軽量のため、沖へ流出してしまったのではないかと思われます。


閉会式
作業と学びが盛りだくさんの一日を終え、締めくくりとして閉会式を行いました。閉会式では、参加者代表が海岸クリーンナップおよびDAD仕分け作業の報告と感想を発表しました。また、PADIの伊東より、PADI eラーニングを修了した参加者へ記念品を贈呈し、最後の挨拶をもって全行程を無事終了いたしました。


セイコーウオッチとPADI AWARE、そして志を共にする皆様の想いと共に、「Local Action. Global Impact」を推進していきましょう。
特別感謝:
城ヶ島ダイビングセンター 高橋洋平様
城ヶ島ダイビングセンター 高橋真樹子様
城ヶ島ダイビングセンター 杉山隼斗様
城ヶ島ダイビングセンター 長島祥太様
三和漁業協同組合城ヶ島支所長 石橋英樹様
神奈川県水産技術センター 遠藤健斗様
