日常生活ではGPSやスマホのナビ機能に頼り、コンパスを使う機会はほとんど。しかし、ダイビング中はスマホのGPSは使えません。そうなると、頼りになるのはあなた自身のナビゲーションスキル。方向感覚が失われることのない自信を持って潜るために、コンパスを正しく使いこなせることは必須です。
「インストラクターやガイドの後をついていき、ダイビング中に一度もコンパスを見なかった」なんて人もいるようですが、水中ナビゲーションの技術を習得することは、より安全で充実したダイビングライフを送るための大きなステップです。この記事では、ダイバーが水中ナビゲーションスキルを学ぶ際に見逃しがちな重要なレッスンを紹介します。
1. コンパスにのみ頼らない
水中ナビゲーションにおいて、コンパスは重要なツールですが、唯一の頼りにするべきではありません。特に、周囲の環境が複雑な場合や流れのある水域では、コンパスの指示に従うことが迷いを招くこともあります。
コンパスだけに依存することは、視覚的な確認を怠る原因となり、結果的に安全を損なうことにつながります。水中での方向感覚を保つためには、自然の地形やサンゴ礁、岩などの目印を観察し、自分の位置を把握しながら、状況に応じて調整を行いましょう。特に視界が悪い場合は、利用可能なすべてのツール(ラインなど)を活用することで、ナビゲーションの精度を向上させることができます。
2. デジタルコンパスは定期的にリキャリブレーションが必要
デジタルコンパスは、便利で精度の高いナビゲーションツールですが、使い続けるうちに誤差が生じることがあります。そのため、定期的なリキャリブレーションが必要です。コンパス機能がフリーズしている場合は、明らかに必要ですね。
3. 自然のナビゲーションマーカーを選ぶ際は、こだわって選ぶことが大切
水中ナビゲーションにおいて、自然の地形や生物を目印として利用することは非常に重要ですが、どのマーカーを選ぶかは慎重に考えるべきです。適切な目印を選ぶことで、より安全で効率的なナビゲーションが可能になります。以下のポイントを参考にして、選択の際にはこだわりを持ちましょう。
- 目立つ特徴を持つマーカー: 自然の目印は、他のものと区別できる特徴があるものを選ぶことが重要です。色や形状、大きさが目立つサンゴや岩を選ぶと、遠くからでも容易に確認できます。
- 複数のマーカーを組み合わせる: 一つの目印だけに頼らず、複数の目印を組み合わせてナビゲーションを行うことが理想です。これにより、万が一一つのマーカーが見えなくなった場合でも、他のマーカーで補完できます。
4. 潜降前にコンパスを設定する
ダイビングを始める前に、コンパスを正しく設定することは、ナビゲーションの成功に欠かせないステップです。ダイビングを始める前に、コンパスの方位が岸を向くように設定しましょう。そして進行方向に潜降すること。潜降中にスピンしたり、後ろを振り向いたりするのは、最初に犯しうる最悪のミスです。ダイビングを始める前に方向感覚を失ってしまうことに繋がりかねません。
コンパスの使い方に自信のない人は、ReActivateリフレッシュ・プログラムで再確認してもいいですし、アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースや水中ナビゲーター・スペシャルティ・コースでも、ナビゲーションのテクニックを身につけることができるので、自信を持ってコンパスが使いこなせるようになるまで練習しておくことをおすすめします。また、「使おうとしたらベゼルに砂がかんで回らない・・・」なんてこともないよう、メンテナンスをきちんとしておくこともお忘れなく。
しっかりとコンパスを活用して、安全&快適にダイビングを楽しみましょう!