多くの海洋生物は、沿岸域で暮らしています。サンゴ礁、海藻が生い茂るコンブの森、河口域、マングローブ——これらはすべて、生物多様性が非常に豊かなエリアであり、海の生き物たちにとってすみか・食料・繁殖の場となる、欠かせない存在です。
しかし、こうした命を支える海の環境は、海水温の上昇、汚染、そして人間の不注意な行動によって、今まさに脅かされています。ここでは、絶滅の危機にある海洋生物にまつわる6つの興味深い事実をご紹介します。

1. 絶滅危惧種の多くは、海のごく一部に集中して暮らしている
絶滅の危機にある海洋生物についての興味深い事実のひとつが、その多くが陸地から230km以内、水深200mまでの範囲に生息しているという点です。
この水深は、太陽の光が届く限界でもあります。光が届くことで、植物プランクトンが光合成を行い、海の食物連鎖の土台がつくられるため、このエリアは多くの生き物にとって欠かせない場所なのです。
実は、海洋生物の大半は、海全体のわずか11%のエリアに集中して暮らしています。
2. 1,500種以上の海洋生物が、いま絶滅の危機にある
国際自然保護連合(IUCN)によると、現在1,550種以上の海洋生物が絶滅の危機に瀕しているとされています。なかでも特に深刻なのがサメとエイの仲間です。全体の3分の1以上のサメ・エイ類が、目的を持った漁獲、混獲(意図せず網にかかること)、生息地の喪失、気候変動、海洋汚染といった要因により、私たちが生きている間に絶滅する可能性があると警告されています。たとえば、ジンベエザメの個体数は、わずか75年で世界的に50%も減少しました。
影響はそれだけにとどまりません。ウミガメ、クジラ、アザラシ、そして多くの魚類も例外ではありません。以下は、よく知られている一方で、実は絶滅の危機にある代表的な海の生き物たちです。
- タイマイ:深刻な絶滅危惧種
- ハワイアンモンクアザラシ:絶滅危惧種
- シロナガスクジラ:地球上で最大の動物でありながら、絶滅危惧種

3. サメとエイのうち、90種が「深刻な絶滅危惧種」に分類されている
評価対象となったサメとエイの1,199種のうち、121種が「絶滅危惧種」、90種が「深刻な絶滅危惧種」、180種が「危急種」に分類されています。これらの多くは、名前を聞いたことがあったり、実際にダイビング中に見たことがあるという人も多い生き物かもしれません。
たとえば、以下のような種も、すでにリスクにさらされています。
- オオメジロザメ(ブルシャーク):危急種
- ブラックチップリーフシャーク:危急種
- ホワイトチップリーフシャーク:危急種
- オニイトマキエイ(オーシャニック・マンタレイ):絶滅危惧種
- ヨゴレ(オーシャニック・ホワイトチップ・シャーク):深刻な絶滅危惧種
- グレートハンマーヘッドシャーク:深刻な絶滅危惧種
4. 最も絶滅の危機にある海洋生物――バキータ
バキータは、メキシコのカリフォルニア湾北部にのみ生息する、非常に希少なイルカの仲間です。現在確認されている個体数は、わずか10頭ほど。海洋生物の中でも最も絶滅のリスクが高い種とされており、今の状況が続けば今後10年以内に絶滅してしまう可能性が高いと考えられています。
5. 海洋生物の絶滅危機は、世界規模の問題
海洋生物を脅かしている生物多様性の減少は、特定の海域や国だけの問題ではありません。これは、世界中の海で起きているグローバルな課題です。だからこそ重要なのが、海洋保護区(Marine Protected Areas)の存在です。人為的な影響を抑えたこれらのエリアは、海の生き物たちにとっての避難場所となり、種の存続を支える重要な役割を果たしています。

6. ダイバーだからこそ出会える瞬間がある
野生動物を本来の自然環境の中で目にする体験には、特別な高揚感があります。それが、絶滅の危機にある生き物との出会いであれば、なおさら野生動物を、本来の自然環境の中で目にする体験には、言葉にできないほどの特別さがあります。それが、絶滅の危機にある生き物との出会いであれば、なおさらです。
その一瞬の出会いは、心を震わせる体験であると同時に、地域コミュニティの生計を支え、保全活動に貢献することにもつながっています。
ダイバーは、海を楽しむだけでなく、その未来に関わることができる立場にあるのです。
私たちにできることはある?
あります。しかも、たくさん。
たしかに、データだけを見ると厳しい現状が続いています。それでも、絶滅の危機にある海洋生物の減少を食い止め、流れを変える時間は、まだ残されています。私たちは、責任ある目的意識を持ったダイビングを通じて、愛する海を守ることができます。そして、その行動は周囲の人たちにも広がっていきます。
具体的なアクションは、海洋ごみの回収から、市民科学(シチズンサイエンス)への参加、さらには、より健やかな海を求める声を届けることまで、さまざまです。行動を始める準備はできましたか?ここでは、ダイバーとしてできるアクションをご紹介します。
- 学び続けることから始める:知識は、行動の第一歩です。環境保全に関するコースを通じて理解を深め、継続的に学び続けましょう。
- 市民科学に参加する:Dive Against Debris などのローカルイベントに参加し、PADI AWARE が実施する2026年 グローバル・シャーク&レイ・センサスに貢献することもできます。PADI AWAREアプリをダウンロードし、Conservation Action Portal(CAP)へデータを提出することで、あなたのダイビング体験が、実際の保全活動に役立てられます。


