スキューバダイビングをしていると、「淡水」と「海水」という2つのまったく異なる水の世界に出会います。どちらも魅力的で、潜ればそれぞれの美しさや楽しさが広がっています。
もちろん、どちらか一方だけにこだわる必要はありません。でも、淡水と海水、それぞれの特性を理解しておくことはとても大切。水の性質を知っているだけで、潜ったときの安心感や快適さがぐんと変わります。
では、淡水ダイビングと海水ダイビングは何が違うのでしょうか?この2つの違いや共通点、そしてそれが浮力や装備、環境の感じ方にどんな影響を与えるのかを知ることで、次のダイビングにより万全の準備で臨めるようになります。

浮力
海水は淡水より密度が高いため、体が浮きやすくなります。その浮力を打ち消して中性浮力を保つためには、海水では淡水よりも多くのウェイトが必要になります。
同じ理由で、淡水環境では中性浮力をとるために必要なウェイトが少なくて済みます。
ただし、ドライスーツやウェットスーツなど、着用する保温層の種類によっても必要なウェイト量は変わることを忘れないようにしましょう。

保温層
淡水のダイブポイントでは、水温差が大きい「サーモクライン」と呼ばれる層がはっきり現れることがあります。水面付近は温かくても、少し深くなると一気に冷たくなることもあり、淡水ダイビングではこうした温度変化を感じやすいのが特徴です。
ドライスーツがあれば、淡水はもちろん、水温の低い季節やエリアの海でも快適にダイビングを楽しめます。
環境に合わせてしっかり体温を保てるため、寒さを気にせず長く潜れるのが大きなメリットです。より安全で快適に使いこなすには、PADI ドライスーツ・ダイバー・スペシャルティ・コースで扱い方や浮力コントロールを学んでおくと安心です。

海の生き物
海のダイブポイントでは、場所によって大型回遊魚や大物生物に会える可能性があり、ダイバーにとって迫力ある体験となります。ほかにも岩陰に隠れる小さな生き物や、落ち着いた色合いの魚たちが豊かな生態系をつくっています。
淡水の世界も同じように多様で、海とは違う種類の生き物が多く暮らしています。小型で巧みに隠れる生き物が多く、彼らを探し出す楽しさはマクロダイビングの醍醐味そのもの。ナマズやマス、淡水ガメなど、海水とは異なるラインナップの生き物たちが迎えてくれます。静かでわびさびな雰囲気を感じられるのが淡水ならではの魅力です。

透明度
透明度は地域によって大きく異なり、悪い場合もあれば抜群に良い場合もあります。これは海水・淡水どちらのダイビングにも当てはまります。
淡水の方が透明度が低いというイメージを持つ人は多いですが、懸濁物や流れの少なさによって透明度が落ちる地域がある一方で、世界には驚くほど透き通った淡水ダイブサイトも存在し、さらにその地形は息を呑むような壮大さを持っています。

ダイビングコンディション
速い流れのある川や大きな湖で潜る場合を除き、ほとんどの淡水ダイブサイトは流れが弱く、落ち着いていて潜りやすいのが特徴です。そのため、初心者ダイバーにも最適です。
ただし、浮力コントロールはとても重要です。淡水では流れがほとんどないため、一度フィンキックなどで沈殿物を巻き上げてしまうと、再び沈殿するまで長時間にわたり視界が悪くなる可能性があります。

エントリー方法
淡水と海水どちらもボートダイブ・ビーチダイブの両方がありますが、淡水ダイビングではビーチエントリーがより一般的です。もし船酔いしやすいタイプであれば、淡水ダイビングは「ポイントまでの長い船移動がない」分、快適に楽しめるかもしれません。

その他の注意点
淡水ダイビングは、標高の高い水域で潜る“高所潜水”となる場合があります。標高の高い場所では減圧理論が変わるため、通常のレクリエーションダイブテーブルとは異なる計算方法を使う必要があります。
安全に高所ダイビングを楽しむためには、PADI アルティチュード・ダイバー・スペシャルティ・コースが役立ちます。
淡水 vs. 海水ダイビング:あなたに合うのはどっち?
淡水と海水、どちらのダイビングも魅力がいっぱい。どちらかだけに偏ってしまうと、せっかくの冒険のチャンスを逃してしまうかもしれません。
世界には、まだ見ぬ魅力的なダイブサイトが数えきれないほど存在します。ぜひ気になる場所を選んで、さまざまな環境でのダイビングにチャレンジしてみてください。きっと新しい体験や楽しさが広がります!
