ジンベエザメやホホジロザメのような“有名どころ”に比べると目立たないかもしれませんが、ハンマーヘッドシャークには謎めいた魅力がたっぷり。しかも、意外と遭遇しやすい種類なんです。
初めてハンマーヘッドの写真を見たときのこと、覚えてますか?
たぶん、こう思ったはずです――「なにこれ、頭どうなってるの!?」
でも、あの独特のフォルムだけじゃなくて、ハンマーヘッドにはまだまだ驚きの事実がたくさんあるんです。
たとえば、一部の種類はなんと海草も食べる“雑食系サメ”!イカやカニ、エビといった定番メニューに加えて、まさかの“ベジタブル系”まで網羅しているとは…驚きですよね。
この先には、まだまだ“ハマれる”ハンマーヘッドの豆知識が続きます。「知ってるつもり」が覆されるかもしれませんよ!

ハンマーヘッドシャークQ&A:よくある7つの質問
ハンマーヘッドシャークについて、よく聞かれる質問をまとめてみました。
Q1. ハンマーヘッドシャークって何を食べてるの?
主に甲殻類(カニやエビ)やタコ、イカ、小型の魚を食べています。意外なことに、ある種類は海草も食べる雑食性。
さらに、大型の「ヒラシュモクザメ(グレートハンマーヘッド)」は、エイや他のサメ(同じハンマーヘッドを含む)も捕食します。
Q2. 一番小さなハンマーヘッドシャークはどれ?
ハンマーヘッドシャークは“シュモクザメ”とも呼ばれ、平たくてスコップのような頭が特徴のサメたちです。
9種類いる中で最も小さいのは「スモール・スカロップド・ボネットヘッド」で、平均最大サイズは約90cm(約35インチ)です。
Q3. 一番大きなハンマーヘッドシャークは?
最も大きな種は「ヒラシュモクザメ(グレート・ハンマーヘッド)」。体長は最大で6.1m(約20フィート)にもなります。
Q4. ハンマーヘッドはどこに生息しているの?
ハンマーヘッドシャークは、世界中の温帯〜熱帯の海域に広く分布しています。大陸棚や沿岸を泳いでいる姿がよく見られますが、深海の表層付近にも現れることがあります。種類によっては水温に敏感で、季節に応じて移動するものもいます。
Q5. あの“横に広い頭”で、前はちゃんと見えるの?
答えは「はい、見えます!」
でも、科学的にしっかり証明されたのは、2009年になってからなんです。種類によって多少の差はあるものの、視野は308〜340度にもおよびます(人間の視野は約190度)。気になる方は、Real Scienceの解説動画(英語)もおすすめですよ。
Q6. ハンマーヘッドシャークは人に危険?
多くのハンマーヘッドシャークは人に対して攻撃的ではなく、基本的におとなしい性格です。人を襲うことは非常にまれで、世界中で記録されている襲撃はたったの17件、しかも死亡例はゼロです。脅かされたり、驚いたときに反応する程度と考えられています。
Q7. ハンマーヘッドシャークは絶滅の危機にあるの?
はい。「アカシュモクザメ」と「ヒラシュモクザメ」は絶滅危惧種(CR)に指定されています。また「シロシュモクザメ」も、“危急種(VU)”とされています。最大の脅威は、混獲(意図せず漁で捕まること)とフカヒレ目的の乱獲。世界的な保護の取り組みが急務となっています。
まだまだある!ハンマーヘッドシャークの意外な生態
ここまででも十分にユニークなハンマーヘッドシャークですが、実はまだ「そんなこと誰が聞くの!?」というような、ちょっと変わった面白エピソードがたくさんあるんです。ここでは、特に驚きの事実をいくつかご紹介します。
横向きに泳ぐことがある⁉:ハンマーヘッドシャークは、ときどき体を傾けて“横向き”に泳ぐことがあります。この特異な泳ぎ方は、あの独特な頭の形に合った効率的な泳法だと、科学者たちは考えています。
日焼けするサメ!?:なんと、アカシュモクザメの子どもは日焼けすることがあるんです!日光をたくさん浴びると、体の色が明るいベージュから茶色に変化することが観察されています。まさかサメに“日焼け”という言葉を使うとは思いませんよね。
頭の中の骨格もハンマー型:あのハンマーのような頭の内部には、まるでホラー映画に出てきそうな“ハンマー型の頭蓋骨”が。外見だけでなく、骨の形までインパクト抜群なのがハンマーヘッドのすごいところです。
頭で獲物を押さえ込む!:平たい頭を使ってエイなどの獲物を海底に押さえつけて動けなくすることができます。まさに「武器になる頭」ですね。
実はサメ界の“新人”:サメは約4億2,000万年前から存在しているとされていますが、ハンマーヘッドシャークが進化したのはわずか2,000万年前。つまり、サメ全体の中では、ハンマーヘッドは比較的“新参者”なんです。あれだけインパクトのある姿でも、実はまだ「若手」だったんですね。
さあ、海の中で会いに行こう!
まだダイバーでない方も、野生のハンマーヘッドシャークに出会うチャンスは誰にでもあります。まずはPADI®オープン・ウォーター・ダイバー認定を目指しましょう。
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