ドライスーツを着ることで、より長く、より快適なダイビングを楽しむことができます。ドライスーツ・ダイバーになれば、多くの場所に行く機会も増え、より頻繁に潜るようになることでしょう(こちらの記事もご参考にしてください:お気に入りの冷水域ダイビング・スポット)。
ドライスーツで潜るためにドライスーツ・ダイバー・スペシャルティの認定が必要な理由
ダイビングを始める前、「なぜスクーバ・ダイビングをするためにライセンスが必要なのか」と疑問に思ったことがあるかもしれません。PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コースを受けている途中で、トラブルの予防やその管理を学ぶことの価値、プールで基本的なスキルを身につけることの意味を理解されたと思います。ドライスーツ・ダイビングも同じなのです。
ドライスーツは、体を濡らさないでドライに保つことで保温効果を発揮します(水は空気の20~27倍の速さで体から熱を奪います)。しかし、ほとんどのダイバーは、体を温める空気の層がダイビング中にどのような動きをするか考えていません。例えば、水中で何かを見ようとして体勢を変えると空気が下半身(特に足元のほう)に移動してしまい、足を上にして急浮上してしまうことがあります。
PADIドライスーツ・ダイバー・スペシャルティ・コースは、最短1日で修了でき、ドライスーツでのダイビングで必須な安全スキルを学ぶことができます。1回のプールセッションと2回のダイビングで主に以下のことを学びます。
- 最小限のアシストでドライスーツを脱ぎ着する方法
- ドライスーツを使った浮力調整
- 必要なウエイトの量とその配置
- ドライスーツ・ダイブの安全手順
- 足から浮上してしまうことの回避と対処方法
- ドライスーツのメンテナンス方法(適切な手入れをすれば、10年以上使えるドライスーツもあります)
また、ドライスーツをレンタルするにはドライスーツ・スペシャルティの資格や講習の経験があったほうがよいですし、それを条件としているところもあります。もしドライスーツの購入を考えている場合は、同時に講習を受けるのがよいタイミングでしょう。
講習を受けずにドライスーツを買ったり借りたりすることもできますが、重大な事故の危険に身をさらす可能性もあります。
以下は、ドライスーツ・ダイバーが練習し、身につけなければならない必須のスキルです。これらはすべてPADIドライスーツ・ダイバー・スペシャルティ・コースで身につけます。
ドライスーツの排気
ほとんどのドライスーツは左手・上腕部の排気バルブから排気しますが、空気の管理、移動、効率的な排気方法を習得するにはコツと少しの練習が必要です。素早く空気を抜くことができないと急浮上してしまって、傷害を伴う可能性もあります。
インフレーター・ホースを外す
稀にですが、インフレーターの不調で空気が入りっぱなしになり、水中で風船のようになってしまう危険性があります。トレーニングを受けていないダイバーが冬用の厚手のグローブをつけているために胸のところにあるバルブのホースを外すことができず、事態を悪化させてしまう可能性もあります。
インフレーター・ホースの見つけ方と接続方法
潜降前に胸にあるバルブの給気のインフレーター・ホースを接続し忘れると、スーツに給気できなくてスクイズで不快になり、そのままでは動けなくなることがあります。インフレーター・ホースの接続方法を練習しておけば、いざというときでも落ち着いて対処できます。
ドライスーツでのダイビングをマスターするには経験が必要で時間もかかりますが、PADIインストラクターの指導のもと、よくあるトラブルや潜在的な危険を回避することができます。ドライスーツ・スペシャルティ認定は、アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー認定やマスター・スクーバ・ダイバー認定にもカウントされます。
ドライスーツでのダイビングに挑戦したいと思っている人は、PADIダイブセンター/リゾートに相談してみてください。
ドライスーツを選ぶ際のポイントやタイプ別おすすめドライスーツについては、PADIウェブサイトの「ダイビング器材の選び方~ドライスーツの選び方」もご参考にしてください。