ダイビングを始めた人のうち、実に75%以上が「もっとスキルアップしたい」と考えているにもかかわらず、実際に追加の講習を受ける人は40%未満にとどまっています。その理由を尋ねると、多くの人が「まだ自信がない」と答えます。
でも実は、PADIのダイビング教育システムは、まさに“自信をつける”ために設計されているのです。たとえば、「PADIアドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コース」は、さまざまなダイビングスタイルを体験しながら、オープン・ウォーターで学んだスキルをさらに深めていく絶好のチャンス。
次のステップに進むのは、思っているよりずっと簡単。この記事では、「なぜ、いつ、どうやって」スキルアップの一歩を踏み出せばよいかをご紹介します。まずは、PADIオープン・ウォーター・ダイバー認定後に受けられる、おすすめのステップアップ講習について見ていきましょう。

アドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー
「アドバンス」という名前に気おくれしてしまうかもしれませんが、PADIアドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースは、“上級者しか受けられない”講習ではありません。このコースの目的は、インストラクターのサポートのもとで、あなたのスキルを“伸ばしていく”こと。リスクの高いダイビングをするわけではなく、むしろリスクを回避するための判断力や応用力を磨いていきます。
このコースでは、さまざまな環境や条件下でのダイビングに対応する力を身につけ、自信と余裕をもって水中を楽しめるようになるでしょう。まさに、「水中世界をもっと楽しむための一歩」です。
5つのアドベンチャー・ダイブを体験
アドバンスド・オープン・ウォーター・コースは、“スペシャルティ体験コース”とも言える構成になっています。全5回の「アドベンチャー・ダイブ」を通して、異なるスタイルのダイビングにチャレンジできます。どのダイブを選べばいいかわからない場合も、インストラクターがあなたに合ったおすすめを提案してくれます。
- 必須の2ダイブ
- 水中ナビゲーション
- ディープダイビング(18~30m)
- 選べる3ダイブ(一例):
- ナイトダイブ(夜の海の神秘を体験)
- 中性浮力のスキルアップ(ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー)
- 水中写真や動画撮影(デジタル・イメージング)
- 魚の見分け方
- 流れのある海を楽しむ(ドリフトダイビング)
- サーチ&リカバリー
- 沈船ダイビング
PADIアドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースには試験がなく、PADIオープン・ウォーター・ダイバーの認定を取得した直後から受講することができます。
さらに嬉しいポイントとして、アドベンチャー・ダイブは対応するPADIスペシャルティ・ダイバー・コースの一部としてカウントされます。たとえば、ドライスーツ・ダイビングや水中写真が気に入った場合、その認定に必要なダイブのうち1本をすでに修了したことになります。
PADIアドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースを修了すると、最大30メートル/100フィートまでのダイビングが認められるようになります。そして、オープン・ウォーター・ダイバーの認定と同様に、この認定にも有効期限はありません。

スペシャルティ・ダイバー・コース
もしディープ・ダイビングにまだ不安があったり、浮力コントロールやナビゲーションなど特定のスキルに集中したい場合は、PADIスペシャルティ・ダイバー・コースがぴったりかもしれません。
いくつかの例外を除き、オープン・ウォーター・ダイバーは、PADIのほとんどのスペシャルティ・ダイバー・コースに参加することができます。中でも人気の高いスペシャルティが「エンリッチド・エア・ダイバー(ナイトロックス)」です。
ダイビング器材についてもっと知りたい方には、「器材スペシャリスト・コース」がおすすめです。使い方のコツやトラブルへの対処法など、知っておくと安心な知識が身につきます。「中性浮力がうまく取れない」「水中でふわっと止まれない」──そんな不安があるなら、「ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー(中性浮力スペシャルティ)」がおすすめ。まるでPADIプロのように、きれいにホバリングできるようになりますよ。
レスキュー・ダイバー
「もっと自信を持って潜りたい」「万が一のとき、誰かの力になれるダイバーになりたい」──そんな思いが芽生えたら、次のステップはPADIレスキュー・ダイバー・コース。
このコースでは、ダイビング中によくあるトラブルの予防法や、緊急時の対応スキルを実践的に学びます。ただ“助ける”だけでなく、“起こさない”ための判断力や冷静さを身につけることができます。
「私にもできるかな?」と迷っている方は、まずはお近くのPADIダイブセンターやリゾートに相談してみてください。
オープン・ウォーター・ダイバーの資格があれば、レスキュー・ダイバー・コースに参加することが可能です。多くのダイバーが「この講習が一番やりがいがあった!」と口をそろえる、自分を成長させてくれるターニングポイントになるはずです。
なお、レスキュー・ダイバーとして認定を受けるには、アドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースの修了に加え、EFR(一次ケア〈CPR〉/二次ケア〈応急手当〉)コースの受講が必要です。
マスター・スクーバ・ダイバー
すでにアドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバーやレスキュー・ダイバーの資格を持っているなら、憧れのマスター・スクーバ・ダイバー™への道は、思っているより近いかもしれません。
“ダイビングの黒帯”とも呼ばれるこの称号は、PADIレスキュー・ダイバーの認定を受けており、50本以上のダイブログと、5つのPADIスペシャルティ・コースを修了していることが条件となります。
経験とスキルの積み重ねが認められる、まさにレクリエーショナル・ダイバーの最高ランク。あなたも次の目標にしてみませんか?
PADIダイブマスター
「ダイビングを仕事にしたい」「海の世界でプロとして活躍したい」──そんな想いが芽生えたら、次はPADIダイブマスターです。
これは、PADIプロフェッショナルとしての最初の資格であり、インストラクターへの道にもつながる重要な第一歩です。
ダイブマスター・トレーニングに参加するには、以下の条件を満たしている必要があります:
- PADIレスキュー・ダイバー認定を取得済み
- ログブックに40本以上のダイビング記録があること
- EFR一次ケアおよび二次ケアの認定が有効であること
- 18歳以上であること
コースを修了し、最終的に60本以上のダイブログを達成すれば、晴れてPADIダイブマスターとして認定されます。
海と人をつなぐプロフェッショナルへの一歩を、PADIと一緒に踏み出しましょう!
ブランクがある方へ:リフレッシュも、次のステップもOK
前回のダイビングから少し時間が空いてしまった──そんなとき、多くの方が「もう一度ちゃんと思い出してからじゃないと次に進めないのでは?」と感じるかもしれません。
確かに、1年以上ダイビングをしていない場合は、PADI ReActivate®(リアクティベート)などで基本スキルをおさらいしておくと、より安心して次のダイビングが楽しめます。
でも、すべての人にリフレッシュが必須というわけではありません。「ちょっとブランクがあるけれど、次のステップに進んでみたい」という方は、思い切ってPADIアドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コースやスペシャルティ・コースに挑戦するのもOK!その際は、インストラクターがあなたのスキルレベルを見ながら、無理のないペースで進めてくれます。
つまり、リフレッシュか、ステップアップか──今の自分に合った選択ができるのがPADIのダイビング教育の魅力です。
迷ったときは、ぜひお気軽にPADI登録店にご相談ください。

次の海へ──スキルアップの旅、始めませんか?
次のステップとなるダイビング講習は、初心者ダイバーにとっても、すでに認定を受けているダイバーにとっても、スキルを磨きながら海の世界をさらに深く楽しむ絶好の機会です。
多くのコースは数日〜週末2回ほどで修了でき、PADI eラーニング®を活用すれば、事前にオンラインで学習しておくことで現地での時間を有効に使うことができます。
「次の講習に進んでみたい!」と思ったら、まずはお近くのPADIダイブセンターまたはリゾートに相談してみましょう!