ダイビング器材の選び方水中カメラの選び方

美しい水中世界の模様や出会った生き物を写真や映像で記録することができ、ダイビングの楽しみを大きく広げてくれるのが水中カメラ。思い出の記録に手軽に撮影したい人から、本格的に作品を撮影したい人まで、さまざまなタイプの撮影機材が用意されています。そして周りの人たちに水中世界の感動を伝える力は絶大です。


水中カメラの各部説明

①カメラ本体

コンパクトデジカメ、ミラーレス、一眼レフのほか、アクションカム360度カメラなどさまざまなタイプがあります。最近ではスマホを水中カメラとして使うことも。カメラ本体に防水機能を備えているものと、防水ケース(ハウジング)に入れて使うものがあります。

②防水ケース(ハウジング)

カメラが濡れないように保護するケース。さまざまな素材のケースがあり、防水性能や耐圧水深が異なるので、目的に応じて選びましょう。

③水中ライト/水中フラッシュ

水中では太陽の光が吸収されるため、深く潜るほど色が失われます。水中を色鮮やかに撮影するなら、それを補う光が必要。カメラ本体に内蔵されているフラッシュを使うこともできますが、光の当て方などより本格的に撮影するなら、水中ライトや水中フラッシュがあると便利です。

④コンバージョンレンズ

水中撮影の幅を広げるうえで、カメラ本体や防水ケース(ハウジング)に取り付けられるコンバージョンレンズはとても便利。より広角に撮影するワイドコンバージョンレンズや、小さな生き物を撮影するためのマクロコンバージョンレンズなどがあります。


水中カメラを選ぶ際のポイント

何をメインに撮影したいかを考える

水中カメラを選ぶ際は、まずは自分がどんなシーンでどんなものをメインに撮影したいかを考えましょう。例えば、スクーバダイビングで水中写真を楽しみたいという初心者には、コンパクトデジカメ+防水ケースからスタートするのがおすすめですし、プールやスノーケリングなど浅瀬で手軽に撮影したいという人には、防水カメラ本体だけでも十分かもしれません。もちろん、本格的に水中写真に取り組みたいという人は、ミラーレス一眼レフで、地形や群れなどを撮影するには広角(ワイド)レンズを、小さな生き物を撮影するなら望遠(マクロ)レンズを組み合わせて、クオリティの高い作品を目指すという方向も。また、水中の爽快感や臨場感をワイドな動画で撮影したい人にはアクションカムが、水中をVRで撮影してみたいという人には360度カメラ+防水ケースという選択肢もあります。自分の目的に合った水中カメラを選ぶようにしましょう。

水中での撮影のしやすさをチェック

自分の目的によって水中カメラのタイプが決まったら、その中で水中撮影がしやすい機能の整ったカメラを選びましょう。ひとつは「防水機能/耐圧機能」。カメラ本体に防水機能/耐圧機能が備わっているものや、防水ケースにその機能が備わっているものを選ぶ必要があります。防水ケースは、すべてのカメラに対応するものが用意されているわけではありません。自分が撮影したいダイビングシーンの環境に適しているか、しっかりと確認しておきましょう。

また、色が失われる水中に対応した「水中モード」が用意されているカメラだと、とても便利です。自分自身でホワイトバランスや露出を調整することもできますが、ボタンやダイヤルで簡単に選べる「水中モード」は、初心者が美しい水中写真を撮るうえで大きな助けになります。こちらの有無もチェックしておきましょう。


タイプ別おすすめ水中カメラ

手軽に水中撮影を始めてみたい人は・・・防水機能&水中モードのついたコンパクトデジカメ

👉ポイント

  • コンパクトで水中に持っていきやすい。
  • +防水ケースでダイビングにもスノーケリングにも使えます。
  • 防水ケースからの少しの水没でも安心です。
  • ワンタッチで手軽に鮮やかな水中写真を撮影できます。

⚠️留意点

  • 画角に不満がある場合はコンバージョンレンズなどが必要です。
  • 内蔵フラッシュのみだとハレーション(レンズ前の浮遊物に光が当たり、白い点が沢山移りこむ現象)が起こりやすい。

👍各ブランドからのオススメ


アクティブに動画撮影をしたい人は・・・取り回ししやすいアクションカメラ

👉ポイント

  • コンパクトで水中に持っていきやすい。
  • ボタンひとつで手軽に動画撮影が可能です。
  • アクセサリー類が豊富に用意されています。

⚠️留意点

  • 小さな生き物などを撮影するのには向いていません。
  • 写真撮影よりも動画撮影向きです。

スマホで水中撮影を楽しみたい人は・・・スマホ+防水ケース

👉ポイント

  • 普段使っているスマホで手軽に撮影できます。
  • 写真/映像のSNSでのシェアが簡単です。
  • スマホの写真アプリで加工もすぐにできます。
  • 別途カメラを購入する必要がありません。

⚠️留意点

  • 万が一水没してしまったときのダメージが大きい。
  • 写真や動画の編集にテクニックが必要です。

水中360度VR映像/画像を撮影したい人は・・・防水ケースが用意された360度カメラ

👉ポイント

  • 周囲360度水中の様子を撮影できます。
  • VRゴーグルを使って臨場感あふれる水中の様子が楽しめます。
  • グループなどでの撮影にも最適です。

⚠️留意点

  • 小さい生き物などを撮影するのには向いていません。
  • 写真や動画の編集にテクニックが必要です。

ワイドもマクロも手軽に&本格的に楽しみたい人は・・・デジタル一眼+ハウジング+フラッシュ+ライトのセット

👉ポイント

  • 写真/動画の画質が圧倒的にきれいです。
  • レンズ交換でワイド撮影もマクロ撮影も楽しめます。
  • カメラの機能が豊富で、撮影の幅が広がります。
  • 小型で取り回しやすいから大型で高機能のものまで、さまざまなタイプがあります。

⚠️留意点

  • 価格が高価です。
  • 重量があり、水中でもかさ張ります。
  • 水中ではレンズ交換ができないので、撮影できるもが決まってしまいます。

水中カメラを使う際のポイント

水没を避けるため、セッティングは慎重に

水中カメラでの撮影を楽しむ際に最も注意したいのが「水没」。カメラをセッティングする際は:

  • 防水機能のついたカメラでも、記録メディアやバッテリーを入れる場所がしっかりとしまっているかを確認。
  • 防水ケースは、Oリングのケアを万全に。

専用のシリコングリスを薄く伸ばして全体に塗り、砂や髪の毛などがついていないかを確認します。Oリング溝の清掃も忘れずに。最後にシリカゲルを入れて、しっかりと防水ケースの蓋を閉めます。髪の毛が1本挟まっているだけでも水没してしまう可能性があるので、慎重にセッティングすることを心がけましょう。

水中撮影に適したカメラ設定に

前述のとおり、水中では深く潜れば潜るほど太陽の光が吸収されてしまうため、そのまま撮影すると青みがかった「青カブリ」の写真/動画になってしまいがちです。それを避けるには、「水中モード」が用意されているカメラなら、適したモードを選べばいいだけなので簡単。また、アクションカメラなどでは、深度に合わせて赤色やオレンジ色のフィルターをレンズの前につけるという方法もあります。水中フラッシュや水中ライトを使う場合は、カメラと併せて設定しておきましょう。

水中も陸上もレンズを傷つけないように注意

レンズのガラス面は、命ともいえる大切な部分。ここを傷つけてしまわないよう、慎重に取り扱いましょう。陸上などで使わないときはカバーをつけて保護。水中でも、撮影するときだけカバーを外し、移動する際はこまめにカバーをつけることをおすすめします。特に、潮の流れの速いときや、ケーブなどの岩場を泳ぐときは要注意。また、カメラは精密機械のため、振動などにも弱いので、ボートで移動する際はフィンをクッション代わりにカメラの下に敷いたり、水没チェックの水槽などカメラが直接振動の影響を受けない場所に置いておくといいでしょう。

撮影に夢中になり過ぎないこと

水中カメラを使う際に意識しておきたいのは、撮影に夢中になりすぎないこと。ファインダーやモニターを使わずに撮影できるアクションカムや360度カメラは周囲の状況が見えやすいものの、デジタルカメラでの撮影はファインダーやモニターに視線が集中してしまい、周りが見えなくなりがちです。魚の群れを追ってつい深くまで潜りすぎてしまった、撮影を粘りすぎて減圧不要潜水時間を過ぎてしまった、バディ/グループとはぐれてしまった、なんてことはよくある話。また被写体を独占し、他のフォト派ダイバーに迷惑をかけてしまうこともあります。常に周囲に気を配り、安全にダイビングを楽しむことを第一優先にしましょう。


水中カメラのお手入れポイント

多くのダイビングエリアでは、ダイビング器材を洗うための水槽とは別に、カメラ専用の水槽が用意されています。10分ほど、真水で漬けおき洗いをしたら、軽くゆすって砂などを洗い流します。全てのボタンとダイヤルを動かします。水槽に入れる際も、蓋がしっかりと閉まっているのを確認することをお忘れなく。その後、柔らかい乾いた布で包んで水滴をふき取り、風通しのよい日陰で乾かします。Oリングは劣化しやすいので、1年に1度を目安に交換することをおすすめします。

協力:OMデジタルソリューションズ(株)

https://jp.omsystem.com

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