海で最も強い毒を持つのは、どんな生き物だと思いますか?体が大きい?牙が鋭い?毒々しい目立った見た目をしている?

いいえ、オニダルマオコゼはこのいずれにも当てはまりません。

とてつもない猛毒を持つ魚としてその名を馳せるオニダルマオコゼの平均体長は30 – 40cmで、重さは約2kg程度。背ビレの13の棘に猛毒を持っており、刺されると数時間にわたる激痛に襲われ、最悪の場合、死に至ることもあります。

ダイバーに被害を与えることは滅多にありませんが、もしもの事態に備えて、ぜひオニダルマオコゼの生態を把握しておきましょう!


オニダルマオコゼの種類

オニダルマオコゼはインド洋やアフリカ紅海、太平洋西部などに分布し、国内では沖縄などで遭遇する可能性があります。サンゴ礁や岩礁域などの浅い海に生息しています。オニダルマオコゼはしばしばカサゴと混同されます。ミノカサゴやダンゴウオと同じカサゴ目に属します。


素早い捕食

海中で最も毒を持つ魚であることから、多くの人はトゲの毒で獲物を仕留めると考えると思いますが、実際はそうでありません。小魚や甲殻類などの獲物が現れるのをじっと待ち構え、狙いを定めて素早く大きな口で捕食します。この攻撃の時間はわずか0.015秒である、とか!しかし、獲物を追いかけていないときは、オニダルマオコゼは非常にゆっくりと泳ぎます。


colorful stonefish swimming

オニダルマオコゼの交尾行動

オニダルマオコゼは交尾の時以外は単独で生きる魚ですが、その様子はほとんど明らかになっていません。メスは卵生で、海底に卵を産み、オスはその上に精子を放出します。約100万個の卵が受精し、孵化後は比較的よく成長します。しかし、成熟するまでに3年かかることもあり、実際にそこまで成長するのはごくわずかです。


カモフラージュの達人

カモフラージュに長けており、よく岩場やサンゴ礁などに隠れています。体色は若干の差異がありますが、いずれも岩そっくりに擬態していて、周囲の環境に溶け込んでいます。そのため、ベテランのダイバーでも見落とすことがよくありますが、うっかり踏んでしまうと刺されて命を落とす危険性があるので要注意です!


stonefish under pier, facts

攻撃的ではないが強毒

幸いなことに、オニダルマオコゼは決して攻撃的な生き物ではありません。オニダルマオコゼの毒は、外敵から身を守るためのものであり、捕食者から攻撃されたり、または人間に踏まれたりなど、背ビレに圧力がかかったときに毒を放ちます。万が一、オニダルマオコゼに刺された場合、激痛が走り、死に至る危険性があるため、早急に手当てを受けましょう。患部を温水に浸けると一時的に痛みが緩和されますが、必ず医師の診断を受けましょう。


オニダルマオコゼの生き残り戦略

オニダルマオコゼは水中で24時間生き延びることができます。皮膚から酸素を吸収することでこれを実現していますが、最終的には脱水症状と窒息に陥ります。


捕食者…そして被食者

猛毒を持つ最恐の魚ですが、大型の生物はオニダルマオコゼを捕食します。これにはサメやエイだけでなく、実は人間も含まれます。アジアの一部では珍味として食べられているのですが、加熱するか、(生料理の場合は)毒の部分を取り除けば無害になります。



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