ダイバーたちが目指す水中世界では、快適さと安全性が求められます。特に寒冷地や低水温エリア、気温が低くなる時期では、ドライスーツが不可欠。

今回は、ドライスーツの2大カテゴリーである「ネオプレン製」と「シェル製」の違いを徹底解説し、それぞれの特徴や利点を洗練された視点で掘り下げます。

水温15度以下の世界:ドライスーツの必要性

水温が摂氏15度を下回る環境では、ウエットスーツやセミドライスーツでは対応が難しくなります。冷水環境での快適性と安全性を確保するために、ドライスーツはダイバーの必須アイテム。ドライスーツは水の侵入を完全に防ぐ構造で、インナーの組み合わせ次第でさまざまな環境に適応できる優れた装備です。


ネオプレン製ドライスーツ:実用性と保温力の両立

ネオプレン製ドライスーツは、ゴム素材「クロロプレン」を使用し、次のような特徴があります。

主なメリット

  1. 高い保温性
    ネオプレン素材自体が保温力を持つため、インナーを少なくしても暖かさを維持可能。寒冷地での短時間ダイビングに最適です。
  2. 耐久性
    岩場や鋭利な物体への耐性が高く、荒れた環境でも活躍。丈夫さを求めるダイバーに選ばれています。
  3. 伸縮性とフィット感
    素材の柔軟性やオーダーシステムによって体にほどよくフィットしやすく、浮力のコントロールも容易です。

デメリット

  • 重量とかさばり
    他タイプに比べて重く、乾燥にも時間がかかるため、旅行や頻繁な持ち運びには不向き。
  • 深度での圧縮問題
    水深が深くなると素材が圧縮され、保温性や浮力が低下。繊細な浮力調整が必要です。

シェル製ドライスーツ:多機能性と軽量化の極み

一方、シェル製ドライスーツは、3層構造のラミネート生地(トリラミネート)を用いて作られています。

主なメリット

  1. 軽量で動きやすい
    薄い素材が採用されており、装着時の動きやすさは抜群。水中での機動性を求めるダイバーに最適です。
  2. 適応力の高さ
    スーツ自体に保温性はないものの、インナーを調整することで幅広い水温に対応可能。特にテクニカル・ダイビングや長時間ダイビングに最適です。
  3. カスタマイズ性
    ジッパーやポケットの設計が豊富で、自身のニーズに合わせたカスタマイズが可能。

デメリット

  • 価格の高さ
    高性能ゆえに初期投資が大きい傾向があります。
  • メンテナンスの手間
    ネオプレン製に比べ耐久性が劣り、小さなダメージも修復が必要です。

結論:理想のドライスーツを選ぶ

ネオプレン製は保温性と耐久性を重視する短時間ダイビングに、シェル製は軽量性と適応力を求める長時間のテクニカル・ダイビングに向いています。

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また、PADIジャパンのウェブサイトの人気コンテンツ「ダイビング器材の選び方」の「ドライスーツの選び方」もご参考にしてください。


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