海と湖にはさまざまな生き物が住んでいます。その中でもカメは絶大な人気を誇り、カメに会いたいがためにダイビングに行く人も珍しくありません。そんな大人気なカメにまつわる驚きの事実をまとめてみました! カメ好きの方は必見です♪

カメのオモシロ生態10
1.ウミガメは塩水が嫌い?!
水分補給のために海水を飲んでいるウミガメですが、体内の塩分濃度を保つために、目の横にある“塩類腺”という器官から濃縮した塩水を分泌しているのです。一見、涙を流しているように見えますが、感情的になって泣いてるわけではないんですね。

2. カメは2億年前から地球に生息している
中国で化石が発見された「オドントケリス」は、カメ近縁の爬虫類で、約2億2千万年前に生息していたと言われています。世界最古のウミガメの化石は1億1000万年前のものだと言われています。
3.ウミガメは生まれた浜辺に産卵に戻る
ウミガメが陸に上がるのは産卵のときだけ。特にオスのウミガメは生まれた直後以外、一生のほとんどを海の中で過ごします。しかし、メスのウミガメたちは、産卵のために自分が生まれた浜辺に戻ってきます。その秘密は、地球の磁場(地磁気)を感じ取る能力にあるとされています。
4.カメは声帯を持っていないが、声を出すことができる
実はウミガメを含むカメたちは、声帯を持っていません。しかし、呼吸音や擦過音などよって音を発しています。カメの鳴き方は性別と種類によって異なり、低い声で鳴くカメもいれば、甲高い声を出すカメもいます。
5.アオウミガメは頭や手足を甲羅にしまうことができない
カメと言えば、危険を感じると首などを甲羅に引っ込めるイメージですが、アオウミガメはそれができません。その代わり、硬い甲羅と丈夫な皮膚で捕食者から身を守ります。
6.ウミガメは一度に100個の卵を産み落とす
ウミガメは一度の産卵で100個近い卵を砂浜に産み落とします。卵はそのまま約2か月間、砂の中で静かにふ化のときを待ちます。そしてある夜、ふ化した子ガメたちは、海を目指して全力でダッシュします。
これは、夜のほうが天敵(カニや鳥など)に見つかりにくいこと、そしてふ化直後の体力を活かしてできるだけ早く海へたどり着くための、命がけの行動です。しかし、大人になるまで生き残れるカメの数はごくわずか。海に向かう途中に食べられたり、無事に海に辿り着いても、海中の捕食者の餌食になってしまうことあります。

7.他の脊椎動物とは違い、カメは横隔膜を使わず呼吸できる
ウミガメは魚類ではなく爬虫類。人間と同じように、肺呼吸をします。しかし、カメは空気を肺に吸い込む際に使う筋肉である横隔膜を持っていません。特定の筋肉と体を動かして体内の圧力を変化させ、空気を出し入れしています。
8.ワニガメは舌を虫だと思わせて魚を捕獲する
ワニガメはアメリカの固有種で、主に河川や湖などに生息しているカメです。ワニガメの舌には、鮮やかなピンク色をしたミミズのような突起物があり、それを器用に使って魚を引き寄せています。写真を見るとわかりますが、確かにこれは騙されてしまいそうですね!

9.カメは種類によって食性が異なる
カニやハマグリを食べるウミガメもいれば、クラゲのような軟体動物を好むウミガメもいます。それぞれのウミガメが、自分に合った「ごはん」を選んで食べています。例えばアオウミガメは、主に海草や海藻を食べて暮らす草食系。一方でアカウミガメは、貝類や甲殻類などの硬い殻を持つ生き物をバリバリ食べます。

10.すべてのウミガメは絶滅危惧種
現在、ウミガメのすべての種がIUCNレッドリストに掲載されています。その理由は、混獲や乱獲、海洋ごみ(特にビニール袋)誤飲による窒息や栄養不足、生息地である浜辺の開発、地球温暖化による砂温度の変化 などが挙げられます。やはり、人間活動による影響が大きいです。
ウミガメに会える海を、守ろう
ウミガメを知れば知るほど、海という環境の大切さや、そこに生きる命の尊さに気づかされるのではないでしょうか。私たちができることの一つは、海をきれいに保ち、ウミガメの暮らしを守ること。もし野生のウミガメに出会えたなら、「また会いたい」「守っていきたい」そんな気持ちが自然と芽生えるはずです。ぜひ、ウミガメとの遭遇率が高いダイビングポイントに足を運んでみてください。