新しい年が始まる前に、ぜひ自分の「バケットリスト」を作ってみませんか?いつかは挑戦したい場所、見てみたい風景、出会ってみたい海洋生物…——それらをひとつずつリストにしてみると、日常にちょっとしたワクワクが加わります。
もし海が好きで、冒険心があるなら、世界遺産に登録されているエリアでのダイビングもリストに加えてみてはいかがでしょうか。海中に広がるサンゴ礁や、ダイナミックな海洋生物たちが住む環境は、まさに自然の神秘そのものです。2024年現在で登録されている1223件の世界遺産のうち、世界遺産に認定されているダイビングサイトを見ていきましょう!
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関、U.N.E.S.C.O.)に認証されている世界遺産は、物理的または文化的に高い価値を持っています。世界遺産に登録されると、人類が未来に残すべきものとして、顕著で普遍的な価値を持っていると認証されたことになり、ユネスコ世界遺産基金から世界遺産を保護するための資金が与えられます。
海外の世界遺産
◆グレート・バリア・リーフ(オーストラリア)
グレート・バリア・リーフは、オーストラリア北東部のクイーンズランド州沿岸に広がる世界最大級のサンゴ礁です。このサンゴ礁は、さまざまな大きさや形の約2,500のサンゴ礁と900を超える島々からなり、総面積は348,000平方キロメートルにものぼります。地球上で最も多様性に富んだ海洋生態系の一つとして1981年に世界遺産に登録され、1,500 種を超える魚類、約 400 種のサンゴ、4,000 種の軟体動物、約 240 種の鳥類が生息し、さらに海綿動物、イソギンチャク、海生虫、甲殻類、その他の種も非常に多様です。サンゴ礁だけではなく、そこを棲みかとする1,500種以上もの海洋生物が保護対象となっています。この美しいアクアマリンの海で多種多様な生物とふれあうのは、世界中のダイバーの夢でしょう。
◆コモド国立公園(インドネシア)
1980年、コモド国立公園は世界最大のトカゲであるコモドドラゴンと、そこに棲む生き物の保護のために設立されました。1991年に世界遺産として登録されたコモド国立公園は、コモド島、パダール島、リンチャ島から成り、広さ1,733平方キロメートルにも及ぶ公園です。周辺の海は透明度が高く、サンゴ礁や海洋生物の多様性も非常に豊かです。また、海の強い流れは、ウミガメ、クジラ、イルカやジュゴンの存在を引き付け、大物生物まで楽しめる世界トップクラスのダイビングサイトもあります。陸と海の両方を楽しみたい方はぜひ訪れてみてください!
◆ガラパゴス諸島(エクアドル)
ガラパゴス諸島は、エクアドルの西、赤道直下の太平洋に浮かぶ19の火山島の群島で構成されています。 このエリアにはガラパゴス国立公園とガラパゴス海洋保護区があり、ハンマーヘッドシャークやガラパゴスアシカを含む生物を保全するため、1978年に世界遺産に指定されました。3つの海流が合流する地理的な位置から、世界で最も豊かな海洋生態系のひとつとなっています。大型海洋生物の楽園とも言われるガラパゴス諸島の海では、ジンベエザメ、マンタ、イルカなどさまざまな生き物に会うことができます。
◆トゥバタハ岩礁海中公園(フィリピン)
トゥバタハ礁とジェシービーズリー礁を含むトゥバタハ岩礁海中公園は、スールー海の中心に位置し、1993年に世界遺産に登録されました。礁の生態系は、360 種を超えるサンゴと約 700 種の魚を支えおり、多種多様な海洋生物の生息地となっています。また、この地域に残る数少ない海鳥の繁殖コロニーのひとつを保護しています。タイマイ、アオウミガメなどのウミガメ類をはじめ、サメ、クジラ、イルカ、ナポレオンフィッシュなどダイバー憧れの生物に出会うことができます。手つかずの自然が残されるトゥバタハは、数々の素晴らしいダイビングサイトを有するフィリピンでも、ベスト中のベストといわれるダイビングサイトです。
◆ニューカレドニア・バリア・リーフ(フランス領ニューカレドニア)
ニューカレドニア・バリア・リーフは、全長約1600㎞に及ぶ環礁などに囲まれ、面積2万3400k㎡にも広がる世界で2番目に大きいバリアリーフとして知られています。当地の固有種であるジュゴンやアオウミガメの棲息地を鉱業、農業、放牧業の影響から守るために、2008年に世界遺産に指定されました。510種のサンゴ、1695種の魚類など、海洋生物だけで5055種が生息すると言われており、ターコイズブルーに輝く海は、その多様な地形と生物で世界中のダイバーを魅了しています。
日本の世界遺産
◆屋久島(鹿児島県)
屋久島は、鹿児島県にある世界遺産に登録されている島で、特にその豊かな自然環境とユニークな生態系で知られています。屋久島は1993年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。雨の島としても有名ですが、その雨がはぐくむ山、森、川、そして海はまだまだ未開拓なままの自然が残されています。その海に生息する魚種は950種以上が確認されていて、自然の美しさと生物多様性に触れることができます。
◆知床(北海道)
知床は、北海道の東端に位置する世界自然遺産に登録された地域で、雄大な自然と豊かな生態系が特徴です。北半球で流氷が接岸する最南端であり、流氷がもたらす海と陸の生態系の豊かさが評価され、2005年に世界遺産に登録されました。知床といえば、流氷ダイビングが有名です。寒冷な水温と流氷の幻想的な景観の中で海洋生物と触れ合いながら楽しめる、他では味わえない特別な体験です。厳しい環境ではありますが、その分得られる感動や美しい景色は格別で、ダイビング愛好者や自然環境に興味がある人々にとって、忘れられない思い出となることでしょう。
◆小笠原諸島(東京都)
小笠原諸島は、東京都に属する美しい島々で、特にその独特な自然環境と豊かな海洋生態系が特徴です。独自の進化を遂げた固有の生き物や生態系が豊富に存在することから、2011年に日本で4番目のユネスコの世界自然遺産として登録され、小笠原諸島は「東洋のガラパゴス」とも呼ばれています。かわいいイルカたちと泳げるドルフィンスイムも大人気! 「ボニンブルー」と呼ばれる濃紺の海で、日本の世界遺産を堪能してみてはいかがですか?
◆奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県/沖縄県)
これらの地域は、豊かな自然環境と多様な生態系が評価され2021年に世界遺産に登録されました。島の周りは珊瑚礁に囲まれ、リーフがよく発達しています。これらの地域は、海洋生物の多様性が豊かで、ウミガメや熱帯魚、さらに季節によってはクジラ見られることがあります。
ここでのダイビングは、豊かな海洋生物と美しいサンゴ礁、そして自然との繋がりを深く感じる特別な体験です。これらのスポットを訪れることで、ただの観光ではなく、自然の尊さを実感し、守るための意識も新たに生まれることでしょう。あなたのバケットリストに、ぜひこれらの素晴らしいダイビングスポットを加えてみてください。そして、次回の冒険が、自然との一体感を感じる忘れられない旅となりますように。