ダイバーの皆さんに「ダイビングで実現したい夢は?」と質問すると、回答で多いのが「ウミガメと一緒に泳ぐこと」。青い海を気持ちよさそうに泳ぐウミガメの姿は、ダイバーを幸せな気持ちにさせてくれます。日本国内では5種のウミガメが生息しており、ダイビングでよく見られるのはアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種。憧れのウミガメに高確率で出会える、日本国内のダイビングエリアを紹介します。
伊豆半島・川奈
週末気軽に行ける伊豆半島にもウミガメに出会える海があります。そのひとつが東伊豆・川奈。「ビーチ」に数個体のウミガメが定着しており、ビーチダイビングで高確率でウミガメに遭うことができます。1年を通して見ることができますが、水温の上がる夏~秋はさらに高確率とか。水深の浅い場所で見られることが多いため、初心者から見ることができるのがうれしいところ。見つけてもウミガメを追わない、触らないなどのルールを守って観察しましょう。
伊豆半島・北川
海底から温泉が湧き出している場所もあるなど、バラエティに富んだ海中景観が楽しめる北川。ボートスポットの「カジカキ」に数個体のウミガメが定着しており、1年をとおして、のんびりと泳いでいたり、お昼寝している姿を見ることができます。1mを超える大きさの個体もおり、迫力たっぷり。ウミガメがお出かけ中でも、美しいソフトコーラルの群生やフィッシュウオッチングを楽しむことができ、ワイドもマクロも楽しめる海となっています。
伊豆諸島・八丈島
“八丈ブルー”と呼ばれる透明度抜群の海を楽しめる八丈島。ウミガメに高確率で出会える海としても有名で、スノーケリングや体験ダイビングでもウミガメに会えることがあるほど。中でも、数多くのウミガメに会えるのがビーチスポット「八重根」で、エントリーしてすぐにアオウミガメの姿が見られることもしばしば。透明度抜群の海の中を悠然と泳ぐ姿はとても素敵で、水中写真の被写体にも最適です。食事をしているシーンが見られることもあります。
紀伊半島・串本
半島の周囲をぐるりと取り囲むようにダイビングエリアが点在する紀伊半島。その南端に位置する串本は、黒潮の豊かな恵みを受け、ワイドからマクロまで見どころ豊富な海となっています。ウミガメと出会える確率が高いことでも知られ、内海のスポット「住崎」や「備前」、「グラスワールド」などでよく観察されています。1ダイブで複数匹を観察できることもあり、ゆっくり泳いでいたり、根の上でのんびり休憩していたり、いろいろな姿を見ることができます。
屋久島
島の北西部に位置する永田浜が北太平洋最大のアカウミガメの産卵地となっており、ダイビングではアオウミガメに出会えるなど、多くのウミガメとの遭遇が期待できる屋久島。ウミガメの産卵期間は4月下旬から8月上旬頃までとなっており、観察会などでウミガメの産卵シーンを見ることもできます。水中ではのんびりと泳ぐウミガメのすぐそばで一緒に泳ぐことができ、スノーケリングや体験ダイビングで見られることも。「屋久島ウミガメ館」でウミガメについてじっくりお勉強するのもおすすめです。
奄美大島
ウミガメが産卵する砂浜が数多く点在し、産卵調査なども行なわれている奄美大島。海が温かく、透明度も高く、ウミガメの好む海草が生い茂るエリアが多く存在するため、1年を通して島の周辺のさまざまな場所で高確率でウミガメに会うことができます。スノーケリングや体験ダイビングでも見ることができ、美しいサンゴの群生の上をのんびり泳いでいたりと、南の島らしいシーンを楽しめるのが魅力。奄美ブルーの海の中でウミガメとのランデブーを満喫しましょう!
小笠原諸島
日本最大のアオウミガメの産卵地となっている小笠原諸島。アオウミガメの保護と増殖を目的として開設された小笠原海洋センターがあり、ウミガメの放流なども行なわれています。6~7月に産卵のピークを迎え、砂浜に上陸したアオウミガメの産卵シーンが見られることも。ボニンブルーと呼ばれる青い海の中を悠然と泳ぐ姿は迫力たっぷり。安全停止中に見られることもあり、高確率でウミガメとの遭遇が期待できます。
沖縄
沖縄でのダイビングでは、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種類に会うことができます。各島でのダイビングで出会うことができますが、ウミガメに会える海として特に有名なのが慶良間諸島。アオウミガメの産卵地としても知られており、浅瀬やサンゴの隙間などでよく見られます。岩の隙間に頭を突っ込んで、一心不乱にエサを食べていることも。沖縄本島でも恩納村周辺のスポットでよく見られています。1年を通して見ることができますが、5~8月頃に特に遭遇率が高いと言われています。
ウミガメと出会える素晴らしいダイビングエリアは、日本各地に広がっています。彼らの優雅な泳ぎを間近で体験することで、海の神秘を感じることができるでしょう。ぜひ、次のダイビングプランにこれらのエリアを加えて、素敵な思い出を作ってください。そして、ウミガメを尊重するダイビングを心がけ、彼らが安全に過ごせる環境を守りましょう。自然との出会いが、あなたのダイビングライフをより豊かにしてくれるはずです。