ダイビングを始めてみたい!と思ったとき、まず悩むのが「どこのショップで講習を受けるか」。Google検索やInstagramで気になるショップを見つけたけれど、どこを見て選べばいいの?と迷う方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、初心者が安心してスタートできるダイビングショップを見つけるためにお店のSNSやホームページで確認するべき“4つのチェックポイント”をご紹介します。
4つのチェックポイント
1.「講習費用」には何が含まれている?をチェック!
ダイビングショップを探しているとき、多くの人がまず最初にチェックするのが「講習費用」。中には「ダイビング初心者講習 19,800円!」など、目を引く価格をSNSで大きく打ち出しているお店もあります。でも、その金額だけで「安い!ここにしよう!」と即決するのは、ちょっと待ってください。
ダイビング講習の費用には、いくつもの項目が含まれているのが一般的です。ダイビング講習の「料金」を見るときに大切なのは、何が含まれていて、何が別料金なのかを正しく理解すること。表示されている金額が“本当に総額なのか?”をしっかりと確認しましょう。
一見お得に見える講習プランでも、必要な項目が含まれていなければ、最終的な支払いが高くなってしまうこともあります。
逆に、「やや高めに見えるけれど、最初からすべて込みのパッケージ料金で安心」「追加費用についても事前に丁寧に説明してくれる」といったお店は、結果的にトラブルが少なく、満足度が高い傾向にあります。
PADIの初心者ダイビング講習(オープン・ウォーター・ダイバー)の受講費用は、一般的には約6万〜9万円程度が相場。これに大きく外れるような極端な格安表示には、何が含まれていて何が含まれていないのかを、必ず確認するようにしましょう。
また、価格だけでなく、「どんな講習環境で教えてもらえるか」も重要な視点です。一概には言えませんが、極端に安価な講習では、講習生の人数が多く、インストラクターの目が行き届きにくいケースもあります。進行が早すぎたり、個別に質問しにくかったりすることで、不安が解消されないまま進んでしまうことも。
その点、PADIの講習では、マンツーマンや少人数制で行われることが多く、一人ひとりに寄り添った丁寧な指導を大切にしています。「自分のペースで学べる」「分からないことを気軽に聞ける」環境は、初めてのダイビングを安心して楽しむための大きなポイントです。
料金の安さだけに注目するのではなく、“内容”と“講習スタイル”を含めて、自分が安心して学べるかどうかで選びましょう。
講習にかかる主な費用
- 指導料:Cカード取得に必要な学科講習・プール講習・海洋実習の指導料。予定された期間内にコースが修了できなかった場合、補習料金がかかるかも確認しておきましょう
- 教材費:テキストやログブック、Eラーニング利用料など、講習に必要な教材の料金
- 施設使用料:プール講習や海洋実習で利用する施設の使用料
- 器材レンタル料:ダイビングに必要な器材のレンタル料。自分の器材を購入する場合は、器材代がかかります
- シリンダー&ウエイトレンタル料:プール講習・海洋実習で使用するシリンダー(タンク)とウエイトのレンタル料
- 交通費:プール施設や海までの交通費
- 宿泊費:宿泊して講習を受ける場合にかかります
- 食費:講習中の食事
- Cカード申請料:Cカード発行を申請するために支払う料金
- その他:ショップによっては入会金や年会費などがかかる場合もあります
2. お店の“理念”が、自分に合っているかをチェック!
どのダイビングショップも、講習内容や料金は一見どこも似たようなものに見えるかもしれません。実際、PADIインストラクターが担当するのであれば、PADI講習カリキュラムに基づいて行われているため、使用される教材や達成条件そのものには大きな差はありません。
でも、よく見ていくとそれぞれのショップには、「どんな人に、どんなダイビングを届けたいか」という思いやこだわりがあります。それが表れているのが、“お店の理念”や“コンセプト”です。
たとえば「泳ぎの苦手人にもダイビングの楽しさを届けたい」「ただ潜るだけじゃなく、自然と向き合うダイビングを」「仲間とのつながりを大切に、ダイビングライフを長く楽しんでほしい」──こうしたメッセージがあるお店は、講習を“資格取得のため”だけでなく、一人ひとりの体験として大切にしている証拠です。
講習の内容や価格が似ているからこそ、「このお店は、どんな想いでダイビングを教えているのか?」という視点で選ぶと、あなたにとってぴったりな“はじめてのダイビング体験”が待っているはずです。
3.「誰に教わるか」が大事!スタッフ紹介ページをチェック!
最初のダイビングは、憧れの海外、沖縄の美しい海、あるいは地元で親しみのあるビーチなど──「どこで潜るか」ももちろん大切な要素です。
でも、実はそれ以上に大事なのが、「誰と潜るか」。初めての水中世界に一歩踏み出すとき、そばにいるインストラクターの存在は、その体験が楽しい思い出になるか、不安で終わってしまうかを大きく左右します。
だからこそ、スタッフ紹介ページは、ただ名前や顔を見るだけでなく、その人の想いやスタイルを知るための大切な情報源です。
たとえば、そのインストラクター自身が初心者の頃にどんな気持ちだったのか、あるいはこれまでに指導してきた初心者の受講生への接し方やエピソードが書かれていると、安心材料になります。スタッフの自己紹介文や、ショップの理念・ポリシーの中に、初心者に向けたあたたかい言葉や考え方が込められているかをチェックしてみてください。小さな文章のなかにも、そのお店やインストラクターの姿勢や想いがにじみ出ています。
また、スタッフ紹介の中には、「ガイドを中心に担当しています」「水中写真が専門です」といった紹介が見られることもあります。こうしたインストラクターは、海の魅力や楽しみ方を深く知っており、ダイビングの“その先”まで提案してくれる頼もしい存在です。
ガイドスキルが高い人なら、講習のあとにどんな海を目指せばいいかをアドバイスしてくれたり、水中写真が得意な人なら、「今度はカメラを持って潜ってみたい!」という楽しみ方を広げてくれたりと、ダイビングの魅力をより豊かにしてくれるはずです。

4. “誰向けの発信か”が見えてくる!SNS投稿の中身をチェック!
ダイビングショップを探すとき、役立つのがブログやSNSの投稿です。公式サイトでは伝わらないリアルな雰囲気が見えてくるのが、InstagramやX(旧Twitter)、ブログといった“日々の発信”なんです。
ブログやSNSでよく見かけるのが、「○○ツアー行ってきました!」「◯◯で大物出ました!」といったファンダイブのレポート投稿。
ファンダイビングの投稿からは、ショップが現地の海に詳しいことや、経験豊富なスタッフがいることが伝わってきます。ツアーやイベントが充実していたり、通っているダイバー同士の交流が楽しそうだったりと、そのお店のコミュニティのあたたかさや雰囲気を知る手がかりにもなります。「ダイビングを続けていくと、こんなふうに楽しみが広がっていくのかもしれないな」と、少し先の未来を想像できるきっかけになるのも、ファンダイブ投稿の魅力のひとつです。
ただ、もしその投稿の多くがファンダイブばかりで、講習の様子や初心者向けの情報がまったく見当たらない場合は、「このお店は初心者講習にも力を入れているのかな?」という視点で、もう少し情報を探してみてもよいかもしれません。
たとえば──「耳抜きが心配」「泳げないけど大丈夫?」といった初心者が感じやすい不安に寄り添ったアドバイス投稿があれば、そのショップが初心者の気持ちを理解し、丁寧にサポートしてくれる姿勢が伝わってきます。
投稿から、ただ楽しさを伝えるだけでなく、初心者が不安に思いがちなポイントをどう解消しようとしているか、その“姿勢”が見えるか、それが、安心してダイビングを始められるお店か見極めるうえでとても大切なヒントになります。
SNSやHPは、”お店の顔”
ショップの選び方に正解はありませんが、あなたが「ここなら大丈夫」と思える根拠を見つけることが大切です。
SNSやホームページは、そのお店の“顔”。言葉や写真の裏にある想いや空気感を感じ取って、自分に合ったショップを見つけてくださいね。