2025年7月5日(土)、静岡県・下田市の下田海中水族館を舞台に、第3回「廃漁網の回収とリサイクルプロジェクト」を開催しました。
例年ならば梅雨の盛り。しかし、今年は天候に恵まれ、連日の真夏日。まさに天佑神助ともいえる好条件の中、来場者の何人かはこのイベントを目当てに訪れ、実際に漁網に触れながら分別作業を体験しました。
「こんな網、普段は触ることすらないからおもしろい」、「新聞で知って興味が湧いた」――参加者からは率直な声と好奇心が溢れ、長時間にわたって作業に打ち込む方の姿も。
海に生き、海を守る
海洋プラスチックごみの問題が世界共通の課題となる中、廃漁網の海中投棄は見過ごせない問題のひとつ。
このプロジェクトは、伊豆下田エリアで使用されてきたキンメダイ漁のテグス(漁網)を再資源化するため、2020年より始動。主に東伊豆町・稲取で展開されてきた活動は、昨年から下田市・下田海中水族館の協力を得て、さらなる広がりを見せています。






イルカ用の体重計を使って計測、190キロの成果そして次世代へ
今回の成果は過去最高の190キログラムの漁網回収!
協力いただいた皆さんには、網の重量に応じて水族館の入場割引券やカワウソの給餌体験チケット、漁網を再生したエコ文具などをプレゼント。遊びながら学び、楽しみながら貢献できるイベントとして、参加者からは大きな反響をいただきました。
今回処理した漁網は約190キロ。各地でこの処理を行なってきましたが、今までで1日で処理した最高記録となりました。
フレコンバッグに入った処理済み漁網の重さを量るのに秘密兵器が登場。イルカの体重を測定するための体重計!さすが水族館といったところです。



集められた漁網は、このプロジェクトの協働企業である「リファインバースグループ」の工場へ。ここでリサイクル処理され、ナイロン樹脂「REAMIDE(リアミド)」として生まれ変わり、アパレルや家具などへ再活用されていきます。まさに廃材転生、循環再生の実践です。



地元の産業と未来をつなぐ
この水族館でのプロジェクトの魅力は、一般参加型であること。事前に目的を持って訪れた方はもちろん、水族館に“たまたま”訪れた家族連れが、そのまま環境活動の一員になるという展開も少なくありません。
キンメダイ漁の仕掛けや漁具に触れながら、地元・下田の漁業という産業を知り、環境保全の仲間として加わっていく。
まさに知行合一。知ることが行動へとつながる瞬間です。
今後も、下田海中水族館との連携のもと、この取り組みを継続は力なりの精神で進めていきます。
次の世代に豊かな海を残すために――小さな一歩が、大きな未来をつくるのです。

下田有線テレビ放送SHKの取材も受けました。






