この取り組みは2024年から始まりました。テーマは近年問題となっている「磯焼け」。
地元漁師や関係者との連携のもと、「ダイバーだからこそ実践できる活動」が展開され、参加者からも高い評価を得ています。
千葉県・西川名にある「西川名ダイビングサービス」を舞台にたくさんのダイバーが集結し、海を守る一翼を担ってくれています。

この活動に参加ご希望の方は、PADIジャパンやPADIショップから発信される各種情報をご覧ください。


磯焼けとサンゴモの関係とは?

磯焼けとは、海岸に生えているコンブやワカメ、その他多くの種類の海藻が減少して不毛の状態となり、代わりにサンゴモと呼ばれる、うすいピンク色をした硬い殻のような海藻が海底の岩の表面を覆いつくす状態をいいます。このサンゴモが海底を覆ってしまうと、ワカメやコンブといった有用な海藻の胞子が育ちません。サンゴモは表面から他の海藻が付着するのを防御する物質(アレロケミカルス)を分泌したり、表層細胞を剥離したりして、自分の体の上に他の海藻が生育しないようにしているのです。このようにサンゴモの繁茂は磯焼け維持の原因のひとつであると考えられています。

“海中の森・再生ダイブ”とは

磯場の再生のために、石灰藻(サンゴモ類)の清掃体験をするダイビングです。
近年館山市でも深刻化している磯焼け問題。磯焼けが進んだ場所では、石灰藻(サンゴモ類)が海底を覆ってしまい、有用な海藻類の胞子が育たない状況が増えています。
磯場の再生のために海藻類の成長しやすい環境を整えるため、ダイバーの皆さんに積極的にご協力いただき、石灰藻の清掃をイベントとして行なっています。

経過観察のポイント

9月のサンゴモ除去イベントの終了後、時化でカジメが流されてくるのを待ち、資格を持つ地元の漁師がそれを回収します。ちょうどこの時期はカジメに子嚢斑(しのうはん)という生殖器官が確認できるとき。子嚢斑は葉の表面にできる黒っぽい斑点状の部分です。ここから胞子が放出されるというわけです。
実施場所の西川名では「スポアバッグ法」を採用。
採取したカジメの母藻を、魚など植食動物(ウニやアイゴなど)の食害を防ぐための網目状の袋(スポアバッグ)に入れ、バッグをロープで固縛し、サンゴモを除去した場所の中層に設置し、胞子が放出されるのを待ちます。
胞子が放出され、水底の岩肌に定着すると、そこから成長が始まり、その成長の経過を観察します。

【スポアバッグ法とは】
スポアバッグ法は、磯焼け対策などの藻場造成プロジェクトで用いられる一般的な手法です。成熟したカジメ(母藻)を網袋(スポアバッグ)に入れて海中に設置し、自然に遊走子(種)を放出させて新たな藻場を形成させることを目指します。母藻となるカジメをバッグに入れることで、他の魚からの食害を防ぐことができ、カジメなどの養殖にはひろく用いられています。

2025年11月

サンゴモを除去した場所にカジメが入ったメッシュバックを浮かべ、経過を見ていました。
観察しに行ったところ、カジメではないですが、緑藻類やテングサが新たに根を張り始めています。綺麗にサンゴモが削れている所(漁礁ブロックなどの平らな場所)には比較的藻類がつきやすいようです。目的のカジメ類ではないのですが、他の海藻が根を下ろし始めたのはよい兆候だと思います。


2025年10月

AWARE MONTHイベント時にダイバーの皆さんにサンゴモ除去をしていただいた後、時化を待ち、流されるカジメを回収します。この作業は、地元の資格がある漁師が行ないました。その後、カジメを袋にまとめてサンゴモを除去した水中に設置してきました。



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