ダイビングを楽しむうえで基本となる「バディ・システム」。「バディ・システム」は、「必ずバディと呼ばれるパートナーと一緒にダイビングをして、最初から最後まで互いの近くにいるというシステム」(PADIのオープンウォーター・ダイバーマニュアルより)と定義されており、PADIオープン・ウォーター・ダイバーに認定されると「ダイバーとして必要な知識・スキルを身につけた証明としてのCカードが発行され、コースで学んだ知識とスキルを応用して、受けたトレーニングと経験の範囲内で、監督者なしでダイビングすることができるようになります」となっています。つまり、PADIオープン・ウォーター・ダイバーになると、インストラクターをつけずにバディと一緒にダイビングすることが可能となるわけです。
といっても、いざバディダイブをしようと思っても、どこの海で、どのような手順で行えばいいか、迷ってしまう人も多いのでは? そこで、PADIモデルダイバーの2人(芦澤望さん、細井真衣さん)が初めてのバディダイブにチャレンジしてきました!
2人が初めてのバディダイブの舞台に選んだのは、西伊豆の大瀬崎。バディダイブの受け入れを行なっているPADIダイブリゾート《はまゆうマリンサービス》を利用しました。ダイビングエリアやダイビングサービスによっては、バディダイブの実施に条件(経験本数やランクなど)を設けているところや、バディダイブの受け入れを行なっていないところもあるので、事前に確認してから潜りにいくことがおすすめです。
前述のとおり、PADIオープン・ウォーター・ダイバーになると、インストラクターをつけずにバディと一緒にダイビングすることが可能ですが、あくまでも「コースで学んだ知識とスキルを応用して、受けたトレーニングと経験の範囲内で」となっています。つまり、自分が経験したことがない環境での、いきなりのバディダイブはNGということ。今回、初めてのバディダイブとなった2人も、まずはインストラクターと一緒のダイビングで大瀬崎の「湾内」を経験することにしました。
早速《はまゆうマリンサービス》で受付を済ませ、インストラクターの相原さんから、大瀬崎の海についての詳しいブリーフィングを受けるところからスタート。水中マップを見ながら、方角や水中の目印などを確認していきます。コンディションの評価の仕方、潜水計画の立て方、基本スキルの確認、バディダイビングのちょっとしたコツなど、いろいろと教えてもらえるので安心。その後、相原さんの案内で「湾内」を潜り、事前に水中マップで確認した地形や目印を確認しつつ、ダイビングを楽しみました。
上がってきてからはデブリーフィングもしっかり行ない、相原さんからのアドバイスも。これでバディダイブの準備はばっちり! ランチを挟んで、いよいよ2人だけでのダイビングに挑戦です。
まずは先ほどのダイビングの情報などを元に、潜水計画を立てるところから始めます。「PADIダイブ・プランニング・スレート」を使えば、バディと一緒にダイビング計画を立てる際にチェックすべき項目がまとめられているので、とても便利。自分たちにとって無理のないコース取りを2人で話し合い、決めておくべき項目をひとつひとつ確認していきます。
器材のセッティングも2人で協力して行ない、いよいよ海の中にエントリー。初めてのバディダイブという経験にちょっぴり緊張しつつも、事前の計画に沿って潜っていきます。大瀬崎の「湾内」には、いくつかのガイドロープが張られており、目印となるものも多いので、バディダイブ初心者にもおすすめの環境。2人も、水神さまでお参りをしたり、カエルアンコウやウミサボテンを観察したりと、楽しみながら計画通りにダイビングを進めることができた様子。あっという間に時間が経ち、初めてのバディダイブは大成功に終わりました!
すっかり自信がついた2人は、「せっかくならもっとバディダイブを楽しみたい!」ということで、大瀬崎に宿泊し、もう1日ダイビングを楽しむことに。「はまゆう荘」でのおいしい食事なども楽しみ、たっぷりと睡眠をとったうえで、翌日もバディダイブを楽しみました。ちょっと余裕も出てきたのか、水中撮影も楽しんだ2人。ますますダイビングの魅力に取りつかれたようです♪
●写真・文/鴫谷隆