佐渡島。その名前だけで想像が膨らむ自然の宝庫。
日本海に浮かぶこの島は、まるで秘境のような魅力に満ちています。日本でもっとも大きな島である沖縄本島に次ぐ規模を誇り、その広大さに足を踏み入れる人々は驚きます。
日本海と聞くと、「暗くて寒い」というイメージが広まっていますが、そのせいか、この美しい場所への訪れはまだまだ少ないようです。しかし、この島が持つ魅力に触れると、一度の訪問でそのイメージが180度変わることでしょう。
ダイビングポイント
北小浦
ここに住む弁慶君(コブダイ)は有名です。潜行開始するとすぐに私達に気づき近づいてきてくれます。コブダイは『1匹しか見る事が出来ない』と思っている方がとても多いのですが、そんな事はありません。弁慶君の複数の彼女達や弁慶君のケンカ相手とその彼女達と何匹も見る事が出来ます。
残念な事に、コブダイを見ただけでダイビング終えてしまう方が多いのですが、実はコブダイ以外にもアジやイナダの群を始めウミウシ類や各種イソギンチャクなど、マクロ系の魚達がとても沢山います。フォト派・マクロ派・大物派などすべてのダイバーを夢の世界へ連れて行ってくれる事間違いなし。
ちなみにナイトでは、コブダイ君の寝ている様子も見る事が出来ますよ。
虫崎
砂地に波と太陽が輝く景色は言葉にはできない程の美しさ。水深は6M程で、ここでのお勧めはなんといってもナイトダイビング。昼と夜の顔の違いを是非とも見てもらいたい。昼間は大物に遭遇する事はあまりないが、タコ・イカの軟体動物やスイ・クダヤガラなど日本海ならではの沢山の魚達に会う事ができます。
夜のナイトは最高です。凄い数の夜光虫はもちろんのこと、夜のアイドル「ミミイカ」が米粒サイズから見る事ができます。サザエを住処にしているヤドカリも元気に活動。真っ白のウミヘビも砂地からちょこんと顔を出しています。
姫津
姫津はボートポイントが主ですが、ビーチポイントもあります。水深5Mでアジの群に遭遇したり、70匹以上のクロダイの群が、現れたりします。タツノオトシゴ・イソギンポ・コケギンポなどが、隠れていたり、また様々なサイズのコブダイに会う事もしばしば。じっくり・ゆっくりフィッシュウォッチングしたい方にお勧め。
アーチがあるポイントでは、外国を感じさせさえする外海府のダイナミックな地形がそのまま海の中へと続いています。アーチの向こうに見えるプールに心を奪われます。アーチを通る時は、メバル君の群れが迎えてくれる為ガイドから離れずに、側にいる事をお勧めします。
これだけのメバルが集まる様子は珍しく黄金色できれいです。
シーズナリティ
4~6月は海藻がまだ長く、ジャングルを旅している様。キイロウミコチョウを浅瀬で見る事ができ、羽ばたいている姿はまるで黄色いチョウチョのようでとても愛らしいです。運が良いとヤリイカのハッチアウトが見られるかも。
7~9月は、水温も安定し始め、佐渡の名物コブダイが縄張り争いを開始。1m程の2匹が、睨み合っている姿は、迫力満点。繁殖行動も1番いい時。ナイトでは、米粒サイズから3cm程のミミイカが出現。砂地から飛び出し泳ぐ姿は、何とも言えない愛嬌。ダイバー達の隠れた人気者です。8月後半からは、産まれたての1cm程のコブダイ幼魚と会う事ができます。このサイズは2週間ほど。コブダイからは想像もつかないほど可愛らしく日本海のクマノミです。
10~12月は水温もまだまだ暖かく、南から季節来遊魚がやってきます。最近では温暖化のせいか、今まで来なかった魚達も出現。またブリの群れや1m位のマダイも見られる時。
1~3月は、ナイトでヤリイカの産卵を見る事が出来ます。普段深場にいるホテイウオも浅瀬に顔を出し、産卵を始める時期。卵を守る雄の姿はとても逞しく見えます。
アクセス
佐渡島への主なアクセス手段は、新潟県内の新潟港または直江津港から船を利用する方法です。カーフェリーもしくは、ジェットフォイルのどちらかの船に乗って行きます。
カーフェリーは、ダイビング器材を積んだ自家用車で新潟まで来られるかたにおすすめです。所要時間は1時間半程度で、海の景色を楽しみながらのんびりと旅を楽しむことができます。
ジェットフォイルは、空飛ぶ船とも呼ばれ、高速船なのでカーフェリーより所要時間が短く、1時間程度で佐渡島へ到着します。事前にダイビング器材をショップに送り、荷物が少ない方や時間を有効に使いたい方に適しています。
佐渡島の美しい青の海と豊かな海洋生物に触れるこの体験は、きっと心を癒してくれます。佐渡の海は四季を感じる事の出来る海で、いつ訪れても満足できます。次回の旅行先を考える際には、ぜひ佐渡島のダイビングを検討してみてください。新たな発見と感動が、あなたを待っています。
協力/ フリーウェイ