2024年7月6日(土)、静岡県・下田市にある「下田海中水族館」さんで、「廃漁網の回収とリサイクルプロジェクト」イベントを実施しました。
今までこの取り組みは、協力者の「稲取マリンスポーツセンター」さんを訪れたダイバーなど特定の参加者で実施していましたが、今回は水族館の来場者向けに、初めてとなる一般向けの実施となりました。

下田といえばキンメダイ!しかしその漁で使われる仕掛けは使い捨て!?

鮮やかな朱色の中から現れる白身にたっぷりと脂がのっていて、ふっくらとした食感と上品な味わいで大変人気のある高級魚、キンメダイ(金目鯛)。そのキンメダイの水揚げ量日本一の港が下田港なのです。年間の水揚量は1000トン以上で、下田で水揚げされる8割がキンメダイと言われています。つまりキンメダイと言えば下田、下田で魚と言えばキンメダイなんですね!

そのキンメダイ漁で使用される仕掛け(テグス)は、実は使い捨て。1本の幹縄に釣針のついた多くの枝縄が付いた仕掛けを海面から海中にたらして魚を捕る「たてなわ」と呼ばれる漁法です。
キンメダイは深海魚で、生息域は水深200から800メートル。一度使った仕掛けを回収すると絡み合ってしまい、再利用は難しいようです。
素材はナイロンなのでリサイクルには最適。しかし仕掛けに針やサルカンという金属部品が付いているため、リサイクルするにはこれらを除去しないといけません。

このような使用済み漁網を資源として回収し、より付加価値の高い製品にアップサイクルする仕組みを構築するのが「廃漁網の回収とリサイクルプロジェクト」。廃漁網(ゴーストギア)の海洋流出防止などを目的として三井物産ケミカル株式会社とAWARE(日本)が中心となり、2020年より取り組んでいる活動です。


下田のキンメダイ漁師さんからご提供の使用済み仕掛け(テグス)。使い捨てなのでどんどん溜まってしまいます。当初から下田の漁師さんもこの活動に協力してくれています。
仕掛けにはこのようなサルカン(ヨリモドシ)や釣り針が付いたまま。この状態ではリサイクルできないので金属部品を除去する必要があります。
キンメダイの水揚げ量日本一の下田港。上品な味わいで大変人気のある高級魚。年間の水揚量は1000トン以上で、下田で水揚げされる8割がキンメダイと言われています。

子供たちもハサミでチョッキン!ゲーム感覚で楽しんでいただきました!

東京ドーム約1個分の広さがある「下田海中水族館」さん。自然の入江を利用した施設で、その入江にはイルカがのびのびと暮らしています。 自然に近い環境でのんびりとした雰囲気も他にはない魅力の水族館です。

一週間前は、まだ梅雨も明けきらぬ怪しい天気予報。しかし、いつもの晴れ男・晴れ女の関係者と皆さんの日頃の行ないで、当日は暑いくらいのお天気に。
来場者は家族連れが多く、子供たちも多数来館。
今回のイベントは水族館の入口近くの駐車場の一角にテントを設置して開催しました。事前にウェブやSNSで募集をし、さらに来場される皆さんにもその場でお声がけして、水族館に入る前の10分程度のお手伝いをいただきました。もちろんガッツリ参加の方もいらっしゃいました。非常に感謝です!
小さなお子さまも危なくないようにスタッフが細心の注意を払い、上手にハサミを使ってチョキンと切ってくれました。ご家族で、きょうだい同士で、皆さんゲーム感覚で楽しんでやってくれていたようです。
ご協力いただいた方には、処理いただいた仕掛けの重さによってコメツカワウソの餌をプレゼントさせていただきました。
今回は約70名の方に、50キログラム弱の仕掛けを処理していただきました。

ご参加いただいた皆さまには、今回のイベントでの体験を通じて、海の生物やその生息環境、循環型社会を考えるきっかけにしてほしいと思います。
ありがとうございました!






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