「ダイビングを本格的に始める前に、どんなものかちょっと試してみたい」という人におすすめなのが、初めての人でも手軽に参加できる「体験ダイビング」。アクティビティとしても人気が高く、「アソビュー!」が発表した「遊びの年間ランキング2022」(※1)の予約型アクティビティ部門では1位に、「アクティビティジャパン」が発表した「2023年(令和5年)アクティビティ・レジャー・体験・遊び人気体験種目ランキング」(※2)では2位にランクインするなど、多くの人が体験しています。そんな体験ダイビングの楽しみ方や参加する際の注意点などを紹介します。
(※1)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000178.000015664.html
(※2)https://activityjapan.com/feature/activityjapan_ranking/
「体験ダイビング」とは?
その名の通り、「ダイビングを手軽に体験してみる」もの。PADIではディスカバー・スクーバ・ダイビングというプログラムで提供されています。ダイビングを楽しむための情報が充実した教材があり、知識の習得がスムーズなだけでなく、ダイビングを楽しむのに必要なスキルをステップバイステップで身につける仕組みが確立されているため、安心して参加することができます。
どんな人に「体験ダイビング」がおすすめ?
「まずはスキューバダイビングがどのようなものなのか試してみたい」という人や、「いきなり講習を受けるのは大変そう」、「ダイビングが自分にできるか心配」などの不安を持つ人は、まずは体験ダイビングから始めてみるのも手です。
Cカードを取得してダイビングを始める場合、一般的に4日程度の講習を受ける必要がありますが、体験ダイビングであれば、日数をかけて講習を受ける必要がなく、旅行などのついでに短い時間で参加でき、今までダイビングをしたことがない人でも手軽に水中世界を体験することができます。
「体験ダイビング」の流れ
体験ダイビングは一般的に、以下のような流れで行なわれます。
- 水中を安全に楽しむうえで必要な知識や器材の使い方のレクチャー
- 浅場で器材の使い方や最低限必要なスキルの練習
- ダイビングで水中世界を楽しむ
ダイビングで使う器材は借りることができるので、基本的には水着1枚あればOK。必要な知識や器材の使い方のレクチャーはそれほど難しい内容ではありませんし、浅場でのスキル練習はスタッフがきちんと説明してくれるので、初めて挑戦するという人でも大丈夫です。耳ぬき(水中での圧力による影響の解消法)やマスククリア(マスクに水が入った際の対処法)、レギュレーターリカバリー(水中でレギュレーターが口から外れてしまったときの対処法)などを練習したら、いざ水中世界へ。水中での呼吸体験や目の前を泳ぐ様々な生きものの姿に感動すること間違いなしです。
潜る場所やコンディションにもよって異なりますが、1回のダイビングで潜っている時間は30分ほど。潜る深さは5~6m程度で、最大でも10mを少し超えるくらい。波や流れの少ない、穏やかなコンディションで行なわれるので、ゆったりと楽しむことができるはずです。
「体験ダイビング」申込み前に確認したいこと
手軽に参加できる体験ダイビングですが、水中という特別な世界を安全に楽しむうえで、健康状態によっては参加できない場合もあります。予約前にメディカルチェックシートをもらって確認しておくと安心です。狭心症や心筋梗塞などの循環器系疾患や気胸、てんかん、ぜん息、高血圧、アルコールや薬物依存の傾向など、該当するものがあれば参加前に医師の診断が必要となる場合も。当日せっかく行ったのに…なんてことを回避しましょう。PADIディスカバー・スクーバ・ダイビングは10歳から参加が可能ですが、ショップによっては、子供用の器材レンタルがないなど年齢制限が設けられている場合もありますので、チェックが必要です。
また、飛行機などの高所移動を伴う旅行の際は、「ダイビングを終えてから飛行機に乗るまでにどれくらいの時間があいているか」も確認しておきましょう。ダイビング中は圧力(水圧)が増えるのに伴い、呼吸する空気に含まれる窒素が、体内の細胞に溶け込んで蓄積されます。ダイビング直後に飛行機に乗ると急に気圧が下がるため、その蓄積された窒素が血液や細胞の中で気泡となり、「減圧症」のリスクが高まるのです。1回だけのダイビングであれば、飛行機に乗るまでに少なくとも12時間、できれば24時間以上あけられるスケジュールで、体験ダイビングに参加することをおすすめします。
ショップの選び方
注意しておきたいのは、同じ「体験ダイビング」という名称でも、その内容はショップによって様々だということ。少人数制でじっくりと時間をかけて楽しませてくれるところもあれば、流れ作業のようにササッと短時間で終わってしまうところもあります。単に価格の安さなどで選ぶのは、気を付けて。そういったショップは、少ないスタッフで大勢のお客さんを相手にする傾向にあります。
スケジュールに無理のあるものや、スタッフのケアがいい加減なものだと、ダイビングが楽しめなかったり、不快あるいは怖い思いをしてダイビングが嫌いになったりしてしまうことも。本来であれば楽しいはずのダイビングが、粗悪な体験ダイビングによって逆にネガティブなイメージとなり、ダイビングを始めることを諦めてしまうのはなんとも残念なことです。
PADI登録店であれば、体験ダイビングは、安全にダイビングの体験ができるPADIプログラム「ディスカバー・スクーバ・ダイビング」に則って提供しています。また、万が一、体験ダイビング中に怪我をして通院が必要になった場合でも、PADI登録店は必ず傷害保険に加入していますので、保険でカバーすることができます。安心してダイビングを楽しんでください。
体験ダイビングは様々な場所で開催されています。海外や沖縄などのリゾートエリアではもちろん、伊豆半島や紀伊半島、房総半島など身近なエリアでも、ダイビングのサービスが提供されているところのほとんどで、体験ダイビングを楽しむことが可能です。現地で体験ダイビングを開催しているショップに直接申し込むほか、家や会社の近くにある都市部のダイビングショップに申し込むなど、参加する方法もいろいろ。海まで行かなくても、プールで体験ダイビングを実施しているところもありますので、自分の参加しやすいスタイルで体験してみてはいかがでしょうか。