秋晴れの下、4回目の「循環型プロジェクト」開催
11月3日(月・祝)、静岡県・下田市。
下田海中水族館の駐車場に設置された特設会場で、PADI AWARE(日本)が推進する「廃漁網の回収とリサイクルプロジェクト」を開催しました。
下田海中水族館との協働は2年目・今回で4回目。雲ひとつない空の下、11月とは思えない汗ばむ陽気に恵まれ、まさに天佑神助の一日となりました。
網に触れ、海を知る —— 体験型の学び
下田海中水族館では年2回、一般来場者の方を対象に、本プロジェクトの体験会を実施。
イベント開始前から「この作業に参加したい」と訪れる方も多く、参加者は実際に廃漁網に触れながら、金具の分別作業を体験しました。
こうした体験を通じて、日常では触れることのない素材に向き合うことで、環境問題が 「遠い話」から「自分事」へ と変わっていきます。
「網に触れる機会なんてめったにないので、とても新鮮だった」、「思っていたより重労働。でもやってみて意義を実感した」
そんな声が多く寄せられました。






捨てられるものから素材へ —— 新素材という再生のカタチ
連休最終日で参加者は前回より少なめでしたが、関係者の協力もあり、フレコンバッグ(フレキシブル・コンテナ・バック)2袋分の選別が完了。回収した漁網はただ捨てられるのではなく、第二の人生を迎えます。
皆さんのご協力で針などの金属を丁寧に取り除き、ナイロン糸のみを抽出したものを、この活動の協働企業である「リファインバース株式会社」に送ると、高品質リサイクルナイロン「REAMIDEⓇ」へとリボーン。
ここでは漁網のほか、廃車エアバッグなども再資源化されており、再生素材は建材、家電、アパレル、オフィス家具など幅広い製品に活用されています。
今回回収された漁網も、いずれ何かの製品となり、社会の中へ再び循環していく運命です。
まさに「廃材利用」から「付加価値創造」へ。
漁網リサイクルは、針一本の見落としも許されない緻密な手作業に支えられています。






5年目の手応え —— 理解者が増えるという成果
この取り組みを始めて5年目。
最初の1〜2年は調査や準備に費やし、成果が見えにくい時期もありました。
しかし今では協力者も増え、処理量も徐々に増え、漁師の方々が「どうせ捨てるしかなかった網だけど、行き場ができたのは助かる」と言ってくださるようになりました。
継続は力なり。
時間をかけて信頼を積み重ねることで、協力の輪は確実に広がっています。
来年へ —— 止めないことが、未来を変える
海を守る活動は、決して派手ではありません。
しかし、一度回収した漁網が再生素材として社会に戻るように、小さな積み重ねが海の未来を大きく変える。
来年もこのプロジェクトを継続し、さらに多くの人に“循環の輪”へ参加していただけるよう取り組んでまいります。




