好きか嫌いかは別として、サメが地球で最も古く、そして魅力的な生き物のひとつであることに変わりはありません。実は、サメに関する情報はGoogleでも常に検索上位にランクインするほど注目されています。
そこで今回は、「サメって哺乳類なの?」「どれくらいの種類がいるの?」など、日本でもよく検索されているサメに関する疑問にお答えします。ちょっと変わった質問にも触れながら、サメの不思議な世界を楽しくご紹介します!

サメは哺乳類なの?
いいえ、サメは哺乳類ではありません。「ジンベエザメ(Whale Shark)」のような名前から哺乳類のように思われがちですが、すべてのサメは魚類に分類されます。
哺乳類とサメにはいくつもの違いがあります。たとえば、哺乳類は肺で空気を吸い、子どもに母乳を与え、体温を一定に保つ“恒温動物”です。一方、サメはエラに水を通して呼吸し、乳腺もなく、(一部のネズミザメ目を除いて)変温動物です。
サメは後ろ向きに泳げるの?
いいえ、サメは後ろ向きに泳ぐことができません。サメの胸びれは他の魚のように上に曲げることができないため、基本的に前にしか進めません。でも、実はそれで問題ありません。というのも、もし後ろに泳いでしまうと、水が逆流してエラに入り込み、呼吸に支障をきたす可能性があるからです。つまり、このことは「サメは溺れるの?」というもうひとつのよくある疑問にも関係しています。
サメは眠るの?
実はこの質問、科学者の間でも意見が分かれるテーマです。というのも、「サメは泳ぎ続けないと呼吸できない」と言われているため、そもそも“眠る”ことができるのかどうかが議論されてきました。しかし近年の映像記録や研究によると、サメは代謝の低下、動きの少なさ、体の姿勢などの観察から「眠っている」と判断できる状態があることがわかってきました。つまり、サメなりの“眠り”のような時間があると考えられています。

サメは卵を産むの?
サメの種類によって異なります!
たとえば、ハンマーヘッドのように胎生のサメは、お腹の中で赤ちゃんを育てて、直接子どもを産みます。このため、「サメは哺乳類?」という疑問がよく出てくるのかもしれません。一方で、ジンベエザメのような卵胎生のサメは、卵を体内でかえしてから赤ちゃんを産みます。さらに、ネコザメなどの卵生のサメは、「マーメイドの財布」と呼ばれる丈夫な卵のカプセルに包まれた卵を、外に産みつけます。
つまり、サメの繁殖スタイルは意外と多様なんです!
「サメ(shark)」という名前の由来は
正確な語源ははっきりしていませんが、有力な説のひとつに、ドイツ語の「schurke(シュルケ)」=悪党・ならず者という言葉に由来するという説があります。これは、サメの捕食者としての獰猛な性質から連想されたものと考えられています。つまり、“shark”という名前には、ちょっと怖いイメージがもともと込められていたのかもしれません。

サメは目が見えないの?
いいえ、サメの視力はとても優れています。人間とよく似た目の構造を持っており、特に暗い場所では私たちの10倍もよく見えると言われています。ただし、最近の研究でひとつだけ弱点が見つかりました。それは、色が見分けられない「色覚異常(色盲)」である可能性が高いということ。つまり、サメは物の形や動きには非常に敏感ですが、色の違いはあまり区別できないようです。
サメっておならをするの?
ある意味、すると言えます。たとえばシロワニは、浮力を調整するために水面で空気を飲み込み、それをあとで“おならのように”排出して沈むことがあります。サメには他の多くの魚のような「浮き袋」がないため、自分の体で浮力を調整する仕組みが必要なんです。この行動は、まるでダイバーのBCDのようですね!

サメは不老不死なの?
いいえ、サメもいつかは寿命を迎えます。とはいえ、中には驚くほど長生きする種類もいます。たとえばニシオンデンザメは、なんと400〜500年も生きる可能性があると言われています!ジンベエザメの平均寿命はおよそ70年、一方で多くのサメの寿命は20年前後とされています。
ちなみに、“不老不死”が科学的に確認されているのはクラゲの一種(ベニクラゲ)だけです。サメは長生きではありますが、永遠には生きられません。
サメはどんな言葉を話すの?
サメは音を出すことができないため、人間のように「言葉」で話すことはありません。ではどうやってコミュニケーションをとっているのでしょう?実は、体の動き=ボディランゲージを使って意思を伝えています。たとえば、背中を反らせる、胸びれを下げる、エラを大きくふくらませる、口を大きく開けるなどが、サメ同士で使われる「サメ語」のようなサイン。
サメに骨はあるの?
実は、サメの体には1本も骨がありません!サメの骨格はすべて軟骨(なんこつ)でできています。これは、私たちの耳や鼻のように柔らかく、軽くてしなやかな組織です。この軟骨のおかげで、サメはスピーディーに泳ぎ、鋭く方向転換し、あごを大きく開けて強力に噛みつくことができます。つまり、骨がないことがサメの優れた動きの秘密なんです。
サメと一緒に泳げるの?
もちろんです!世界には、もちろん日本にもサメと一緒にダイビングできるスポットがたくさんあり、間近でその迫力と美しさを体感することができます。
ただし、よくあるもうひとつの質問——「サメに乗れるの?」に対する答えはひとつ。絶対にダメ!サメに乗る、触るといった行為はサメにとって大きなストレスになるだけでなく、あなた自身の安全にも関わります。サメとのふれあいは、見るだけ・泳ぐだけで楽しむのがルールです。
サメは防弾なの?
いいえ、サメには防弾チョッキのような装甲や特殊能力があるわけではありません。とはいえ、もし「防弾並みにタフな生き物」を挙げるとすれば、それはジンベエザメかもしれません。ジンベエザメは世界最大の魚類であるだけでなく、生き物の中で最も分厚い皮膚を持つとも言われています。その厚さはなんと平均10cm(約4インチ)!

サメはイルカを怖がるの?
正確には、「怖がっている」というよりも、状況によって距離をとることがあるというのが本当のところです。実際、大型のサメはイルカを捕食することもあります。しかし、イルカはとても社会的な生き物で、仲間と協力して外敵に立ち向かうことができます。時には1,000頭以上の“スーパー・ポッド”と呼ばれる大群になることもあり、単独行動のサメにとっては分が悪い相手です。そのため、サメが「イルカ=やっかいな存在」として避けることはよくあるのです。
サメは危険なの?
多くの人が「サメ=危険」と思いがちですが、実はサメは基本的に人間を襲うような生き物ではありません。私たちはサメの“食事メニュー”には入っておらず、攻撃が起きる場合も、ほとんどが「間違い」や「好奇心」からくるものだと考えられています。実際、サメに襲われるよりもカバに襲われたり、はしごから落ちたりするほうがずっと可能性が高いというデータもあります。国際的な統計(International Shark Attack File)によると、サメによる年間の人間の死者数は平均でわずか5人。それに対して、人間によって年間1億匹ものサメが殺されていると言われています。つまり、本当に“怖い思い”をしているのは――サメのほうかもしれません。

サクッとわかる!サメの豆知識Q&A
- サメの種類は何種いるの? 500種以上が確認されています。
- サメはどれくらい速く泳げるの? アオザメは最高時速約74km(46マイル)で泳ぐことができます。
- サメは肉食? 基本的には肉食ですが、ジンベエザメのようにプランクトンをろ過して食べる種類もいます。
- 世界で一番大きなサメは?ジンベエザメです。最大記録は全長18.8メートル!
- サメはどれくらい深く潜れるの? 最大で深さ約3km(1.8マイル)まで潜ることが確認されています。
- サメは絶滅の危機にあるの? はい、サメの3分の1以上の種が絶滅の危機に瀕しています。
さて、「サメは哺乳類なの?」という疑問をはじめ、Googleでよく検索されているサメに関するさまざまな質問の答えがわかってきましたね。
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