こんにちは!「水中ゴミ拾い専門店Dr.blue」で代表を務め、ゴミ拾いダイビングのインストラクターをしている東真七水(アズママナミ)です。本年度、PADI AmbassaDiverにも選出していただきました。日々の活動について是非知って欲しいので、どうか最後までお付き合いください!よろしくお願いいたします。
新たなマリンアクティビティ
改めまして、私は「スキューバダイビング」と「ゴミ拾い」を掛け合わせた「水中ゴミ拾い」をボランティアではなく、新たなマリンアクティビティとして広める活動をしています!
沖縄本島を拠点に、海の底に沈んだゴミを、ゲストさまと一緒に日々楽しく回収しております。また最近は、その日ゲストさまと回収したゴミを素材にしてキーホルダーを作る「アップサイクルワークショップ」を同時に実施したり、海中ゴミのアップサイクル製品をECやイベントで販売したりもしています。それ以外にも、沖縄の施設で水中ゴミ展示会を開催したり、ライター、講師としても積極的に活動しています。
ゴミ拾いダイバーの1日:水中ゴミ拾い×アップサイクルワークショップコース
このように水中ゴミ拾いを軸に様々活動しているため、海に入ることもあれば、執筆や講演、物作りをすることもあります。日によって異なるスケジュールで動きますが、今回はある1日の過ごし方についてご紹介します。
①ワクワク!お宝探し感覚で「水中ゴミ拾い」
5:30に起床し、ダイビングなどの準備を済ませたら、ゴミ拾いポイントへ向かいます。
8:00には水中ゴミ拾いの注意事項をまとめたブリーフィング、Dr.blueオリジナルの水中ゴミ拾いハンドシグナルなどレクチャーして、2本潜ります。
11時過ぎに海から上がったら、記録を取るために回収したゴミの重さを測ります。また、海底から拾ったゴミの中からアップサイクルできそうなゴミを選別。ゲスト様の好きな色や、汚れが少ないものを優先して選んでいきます。表面の汚れをブラシで磨き、真水で洗って綺麗な状態にしたら、少し乾かします。
12:30頃、その間におすすめのランチへ♩
②拾ったゴミ達よ可愛くなあれ!海ゴミのアップサイクルワークショップ
14:30には事務所へ移動して、まずは作りたいものの種類、型を選んでいただき、選別した海中ゴミをニッパーでカット、小さくてカラフルな素材を作っていきます。(マグネット、キーホルダー、箸置き、コースターなどが作れ、星やお花、英数字の型があります。)
ある程度の量になったら、型に入れる作業を開始。色合いや配置バランスを好みになるよう調整し、少しずつレジンで固めたら、完成します。ゲスト様自身へのお土産としてお持ち帰りしていただきます。
(一例)こんなに可愛くなりました♩
③レアゴミ速報&水中ゴミ拾いの様子をSNSに投稿
16:30頃、自宅へ戻ったら、器材を洗って干したり、まずは片付けをします。その後水中カメラのデータを取り込み、お客様に写真をお送りしたり、インスタグラムにUP!面白いゴミ、珍しいゴミの写真を編集して「レアゴミ速報」としてストーリーに上げたり、その日の水中ゴミ拾いの様子をまとめ、フィードにも投稿します。SNS作業は大体1〜2時間ほどかかります。
④カタカタ事務作業!ゲスト様、お取引先様のお問い合わせ対応
夕食を済ませて20:00ごろ、メッセージを返信していきます。ゴミ拾いダイビングのご予約はもちろん、先々に開催する離島ツアーの詳細や講演内容について、相談、返信をします。返信作業も日によって異なりますが、1〜3時間ほど費やします。
⑤海ゴミ達をオリジナルマグネットに!自宅でもアップサイクル
21:00、今まで回収した海中ゴミ、この日の海中ゴミを洗い、アップサイクルの下準備作業をします。回収した水中ゴミが多すぎる場合は当日中に洗い終わらないことも多く、毎日少しずつ進めます。ニッパーで細かくゴミをカットし、色別に分けたら、大切な素材として保管。隙間時間に水中ゴミのアップサイクル製品を作って、販売しています。こうした海ゴミのオリジナル商品を通じて、日常生活の中でふとした時に環境問題について考える瞬間が生まれたらいいなと思っています。
(一例)530=ごみゼロマグネットセット
⑥翌日の海の準備&#1日1ゴミ をして就寝
23:00、翌日のレンタル用器材のサイズ、状態を最終確認し、明日のコースに必要な物をまとめます。また、 #1日1ゴミ (毎日1個でいいから陸のゴミを拾う活動)をすることも日課で、寝る直前にその様子をストーリーへ投稿します。)海のゴミは陸のゴミが雨や風の影響で飛ばされて流入することが多いので、海の中だけでなく陸でのゴミ拾いの大切さも伝えたいと思い、約3年間続けています。
そうした作業を終え、大体24時ごろに就寝することが多いです。
ゴミ拾いをお仕事に
「ゴミ拾い」と聞くと一般的には大変なこと、意識の高い人だけがするもの、というイメージが強いかと思います。ただ私は、水中ゴミ拾いにはファンダイビングに勝るとも劣らない魅力があり、新たなマリンアクティビティとして成立すると信じています。私自身も活動当初は、「海をきれいにしたい」という正義感で取り組み初めました。しかし継続するうちに、「海を綺麗にする」という目標に向かってチームスポーツのようにみんなで協力する気持ちよさや、
半世紀前の空き缶が出てきたりする宝探しのような面白さに気づき、いつの間にか水中ゴミ拾いをアクティビティとしても楽しむようになっていました。
そんな水中ゴミ拾いの知られざる魅力を伝えることで、関心を持ってくださる方を増やしたいと思っています。Dr.blueは、「みんなで楽しくゴミ拾いする社会」を目指し、「一人の百歩より百人の一歩」という考えを大切に、今後も活動して参ります。
まとめ
海に流入するプラスチックゴミの量は年間800万トンと言われ、また、海の中のゴミはダイバーにしか拾えないと言います。
そのためダイバーが海のゴミと向き合うことは非常に大切なのです。深刻化する海洋環境を改善するため、PADIはダイビング教育機関の中で唯一、水中ゴミ拾いについて学習できるスペシャリティーコース Dive Against Debris を提供しています。水中ゴミ拾いの注意事項やポイントについて詳しく学ばれたい方は、是非取得を検討されてみてくださいね!
最後までお読み頂きありがとうございました。
来月は、日本人で初めてSea Heroesに選出された、佐藤寛志さんの記事を公開予定です!次回もPADI AmbassaDiverの活動のチェックをよろしくお願いします。