9月1日は防災の日です。日本では、この日をきっかけに多くの人々が災害への備えを見直しますが、ダイバーの皆さんは、EFR(Emergency First Response)スキルが災害時にも大いに役立つことをご存じでしょうか?

EFRは、緊急事態において迅速かつ効果的に対応するためのスキルを学ぶコースですが、これらのスキルはダイビングの時だけでなく、日常生活や災害時の非常事態でも活用できます。EFRで習得したスキルを災害時にどう応用できるかを一緒に再確認していきましょう。


一次ケア CPRとAED:生命を救う第一歩

災害時には、地震による倒壊や圧迫、火災による煙の吸入、洪水や津波による溺水等によって、呼吸困難や心停止に陥る可能性が高まります。心停止が起こった場合、脳や他の重要な臓器への血流が途絶え、時間が経つにつれて生存の可能性が急激に低下します。しかし、災害時には、救急隊が現場に到着するまでに時間がかかることがよくあります。EFRで学んだCPR(心肺蘇生法)とAED(自動体外式除細動器)で迅速に対処をすれば、生存率を大きく向上させることができ、命をつなぐ鍵となります。

a woman shows a class how to open someone's airway during a CPR class

二次ケア:怪我やショック状態への対応

災害時には、建物の倒壊や破片による切り傷や刺し傷、擦り傷、倒壊や転倒により骨折や捻挫、火災や爆発による火傷を負う人が多く出る可能性があります。また、それらの負傷による恐怖や痛みによってショック状態になることがあります。EFRの二次ケアでは、包帯や骨折などための副木の使用方法、ショックの初期症状(冷や汗、蒼白、脈拍の乱れなど)を識別し、患者を安静に保ち、足を高くして血流を改善する方法など、応急処置を学びます。これらのスキルは、専門家による処置が受けられるまでの間に行うべき適切な対応として、非常に役立ちます。怪我の手当てやショック状態の人への対応方法を再度学び、防災の日を機にこれらの知識を更新しておくことをお勧めします。

EFR secoundary care -gauze applied to arm"

緊急時のマインドセット:冷静な対応がカギ

災害時は、混乱やパニックに陥りやすい状況です。しかし、EFRで学んだ冷静なマインドセットと段階的な対応手順を覚えておくことで、状況を的確に把握し、最適な行動を取ることが可能になります。また、迅速に適切な対応ができることは、単に物理的な命の救助だけでなく、周囲の人々に安心感を与えることにも繋がります。これにより、パニックを避け、コミュニティ全体が冷静に行動できるようになるという心理的効果もあります。


まとめ

災害は予測できない状況で突然訪れるものです。そのため、いざという時に役立つ応急処置スキルを身に付けておくことが非常に重要です。まだEFRコースを受講していない方は、ぜひこの機会に受講を検討してください。EFRコースでは、災害時に役立つさまざまな応急処置スキルを体系的に学べるため、あなた自身や大切な人々の命を守るための備えになります。

また、以前にEFRコースを受講したことがある方も、しばらく時間が経過している場合は、リフレッシュコースを受けてスキルを再確認し、万全の状態で備えておきましょう。定期的なスキルの更新が、いざという時に迅速かつ正確な対応を可能にし、命を救う鍵となります。今一度、あなたのスキルを見直し、災害に備えた強い自信を持ちましょう。

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