PADIジャパン/AWARE(日本)もメンバーとして参加している沖縄・恩納村のサンゴ保全プログラムの「チーム美らサンゴ」。
9月28日(土)、2024年の第3回目の植え付けイベントが実施されました。
当日は晴れ、曇り、雨と不安定な空模様の一日でしたが、海は東風で穏やかなコンディションの中、ダイビング(ダイバー・チーム)とスノーケリング(ノンダイバー・チーム)を開催しました。
参加人数33名(ダイバー12名、ノンダイバー21名)
世界各地でサンゴの白化が発生
近年、世界中でサンゴの白化現象が深刻化しています。今年の夏は記録的な猛暑が続いたのは皆さんも記憶にあると思いますが、気温が高くなれば海水温も温められ、今年は高水温が原因で世界中の多くの地域で大規模な白化が発生しています。
オーストラリアの海洋保護区であり、世界自然遺産にもなっているロード・ハウ島の手つかずのサンゴの多くが白化し、死滅しています。他にもグレートバリアリーフやアメリカ・フロリダ、カリブ海、南太平洋、紅海などでも大規模な白化現象が発生してしまっています。日本では沖縄県全域においても水深が浅いエリアを中心に大規模なサンゴ白化現象が報告されている中、恩納村・万座湾内のサンゴも広範囲で白化または死滅している状況で、チーム美らサンゴの活動にも影響が出ています。
皆さんに植え付けていただく「サンゴ苗」が準備できないことから、海中植付けは中止の判断。今回はサンゴ植え付けはできませんでしたが、ご参加いただいたダイバー、スノーケラーの皆さまにはサンゴの現状を見ていただきました。
事前レクチャーの中でサンゴの白化についてのモニタリング報告と生態系の循環について、また長い目での観察の重要性をお伝えしました。
サンゴの白化現象は他の海洋生物にも大きな影響
生物多様性や魚類の減少、経済的影響など、海中の生物だけでなく我々人間にもその影響が及びます。
9月に実施した「AWARE MONTH~平沢サンゴ植樹体験イベント」で講師を務めていただいた東海大学・中村先生も、ダイバーに人気の静岡県・沼津の海でも白化が発生していることを東海大学が確認しており、外国や遠い地域の話しではなく、身近な問題と話されています。
サンゴの白化を防ぐためには、気候変動対策が不可欠です。私たちひとり一人ができることを進めていきましょう。