水…それは、私たちの命に欠かせない存在であり、スキューバダイビングやシュノーケリング、フリーダイビングを楽しむためにも不可欠なものです。3月22日は世界水の日(World Water Day)。この日は、私たちが毎日当たり前のように使っている水の大切さについて考える機会です。でも、水についてどれだけ知っていますか?例えば、こんな疑問を考えたことはありますか?
- 水はどのようにして誕生したのか?
- 宇宙に水って存在するの?
- 私たちの体にとって水がなぜ必要なのか?
- 水は沈む?それとも浮く?
- 水を節約するためにできることは?
このブログでは、水に関する興味深い事実、そして意外と知られていない「水のふしぎ」をご紹介します。

水とは?
シンプルに言うと、水の分子は2つの水素原子と1つの酸素原子が結びついてできています。そのため、よく知られている化学式「H₂O」と表されます。
水自体は無色・無臭・無味ですが、私たちが感じる味やにおいは、溶け込んでいる成分によるもの。例えば、海水の塩分、プールの塩素、飲料水に含まれるミネラルなどが影響しています。ダイビング中の水の透明度は、水深、光の量、プランクトンの量などによって変わります。

水は変幻自在
水は液体・固体(氷)・気体(水蒸気)の3つの状態で自然界に存在する唯一の物質です。温度や圧力の変化によって姿を変え、この性質が地球の水循環にとって不可欠な役割を果たしています(この話は後ほど詳しく!)。
私たちダイバーにとって、水といえば通常は液体の形。海を探検するときも、ダイビングの合間に水分補給するときも、液体の水と関わっています。しかし、固体の水もまた魅力的な世界を生み出します。氷の下を潜るアイスダイビングなど、冷たい水の中にも驚きと冒険が広がっているのです。

地球の71%は水で覆われている
地球に存在する水の量は、誕生以来ほとんど変わっていません。その総量は約140京トン!では、その水はどこにあるのでしょうか?
約97%が海にあり、残りは氷河、湖、川、泉、土壌、大気中、そしてすべての生き物の体内に存在しています。
地球の水に関するおもしろ事実:

宇宙からやってきた水もある?
地球の水のほとんどは、惑星が誕生したときに一緒に形成されたものですが、一部は氷を含む小惑星が地球に衝突したことで運ばれてきた可能性があります。さらに、水は地球だけのものではありません。月や水星、火星、土星など、さまざまな惑星でも水の存在が確認されています。
とはいえ、ダイビングできるというわけではありません。宇宙に存在する水のほとんどは、氷や水蒸気の状態だからです。

私たちの脳の75%は水
水はすべての生き物にとって欠かせない存在です。成人の体の約60%は水ですし、木々の水分量は50%以上、クラゲの体はなんと約95%が水です。
水は体温調節、栄養や酸素の運搬、関節や臓器の保護、老廃物の排出など、私たちの体のあらゆる機能を支えています。そのため、適切な水分補給がとても重要です!人は食べ物なしでも2~3か月程度生きられますが、水なしでは4~5日程度が限界と言われています。
一方で、驚異的な生存能力を持つ生物もいます。クマムシ(tardigrade)は、完全に水を失っても数十年生き延びることができると言われています。

水は飲むだけのものじゃない
水は飲んだり料理に使ったり、洗濯やお風呂に使うだけではありません。私たちの生活や産業、そして楽しみのために、さまざまな形で活用されています。
- 食料生産:農業は世界の淡水使用量の約70%を占める
- 工業・製造:工場では、水を希釈・加熱・冷却・洗浄・輸送に利用
- 発電:水力発電は世界の電力の約15%を生み出している(日本では7%程度)
- アドベンチャー:スキューバダイビング、スイミング、サーフィン、アイススケート、スノーボード…水がなければ、これらのスポーツは成り立たちません!
水は命を支えるだけでなく、私たちの暮らしや冒険を豊かにする大切な存在なのです。

地球の水循環
水は地球上を旅しながら、私たちの環境を支えています。水が蒸発して雲を作り、雨・雪・ひょうとして降り注ぎ、また海や川へと戻る——これが「水循環」です。
海では冷たい水が沈み込み、海流を生み出し、気候に影響を与えます。また、水は熱を蓄える力が強いため、海の温度は急激に変化せず、地球の気候を安定させる役割も果たしています。意外なことに、水分子は100年のうち、大気中にとどまるのはたったの1週間ほど。しかし、それでも空にはすべての川の水を合わせたよりも多くの水蒸気が存在し、もしこれが一気に降ったとしたら、地球全体が約2.5cmの水で覆われるほどの量になります。私たちが目にする水も、もしかすると何千年、何百万年もの間、地球を巡り続けてきたのかもしれませんね。

水の上に水が浮く?
冷たい飲み物に浮かぶ氷や、北極の氷山を思い浮かべてみてください。通常、物質は冷えると密度が増しますが、水は4℃(39℉)を下回ると分子が結晶構造を作り、液体の水よりも密度が低くなるため氷が浮きます。
同じように、淡水は塩水よりも軽いため、海水の上に浮かびます。これは塩分が水の密度を高めるためで、海で潜るときに淡水よりも多くのウェイトが必要になる理由の一つです。
さらに、水に関する驚きの事実があります。
- 凍ると体積が約10%膨張
- もし氷が沈む性質だったら、海全体が凍りついてしまう可能性がある
- 地球上で最も塩分濃度が高い水域は、海水の12倍もの塩分を含んでいる

水の中には無数の生き物がいる
海や湖、川の水を顕微鏡でのぞくと、そこには驚くほど多様な生命が広がっています。実は、たった1滴の水の中に数千もの微生物が存在しており、バクテリアやプランクトン、魚の卵、さらには小さな甲殻類の幼生まで見つかることも。
そのため、水を飲む前には適切な処理が必要なのです。そして、これはダイビング後に器材をしっかり洗うべき理由のひとつでもありますね!

水の沸点はいつも100℃とは限らない
標高3776mの富士山山頂では、気圧が低いため水はわずか88℃で沸騰します。一方、深海では地上の500倍もの圧力がかかるため、海底の熱水噴出口の水温が400℃(750℉)を超えても沸騰しないのです。
さらに、水に関する不思議な現象のひとつとして、熱い水のほうが冷たい水よりも速く凍ることがあるのをご存じですか?これは「ムペンバ効果」と呼ばれ、科学者たちを今も悩ませる未解明の謎なのです。

水は重力に逆らう
水には高い表面張力や凝集力(コヒージョン)、付着力(アドヒージョン)があり、「毛細管現象」によって重力に逆らって移動することができます。これは植物が根から水を吸い上げる仕組みに不可欠であり、紙タオルの端を水につけるとじわじわと水が上がっていく現象でも確認できます。
また、この特性のおかげで水面を歩く小さな昆虫がいたり、水滴が完璧な球体に近い形になるのです。

水にまつわる深刻な現実
世界の約3分の2の人々が年間1カ月以上も深刻な水不足に直面していることをご存じですか?さらに、このままでは2050年までに海のプラスチック量が魚の数を上回るとも言われています。
水は私たちの生活に欠かせない存在ですが、気候変動や汚染によって脅かされています。しかし、一人ひとりの行動で未来を変えることができます。例えば、
- 節水を心がける
- 二酸化炭素排出量を減らす
- 持続可能な食事や飲料を選ぶ
- プラスチックごみや有害物質を減らす
冒険しよう。そして、海を守ろう。
スキューバダイバーである私たちは、ローカルな行動が地球規模の影響を生む、特別な立場にいます。Ocean Torchbearer™ コミュニティに参加し、自分自身、そして仲間たち、そして私たちの故郷である美しい青い惑星を守るためのムーブメントに加わりませんか?