「毒を持つ生き物」と聞くと、どんな生き物を思い浮かべますか?ひとことで「毒」といっても、実は生き物が毒を使う方法には違いがあります。たとえば、噛んだり刺したりして相手の体内に毒を注入する生き物もいれば、体そのものに毒を持ち、ほかの生き物に食べられることで毒が作用する生き物もいます。
つまり、ポイントは「毒がどのように相手の体に入るのか」。
では、海の生き物たちはどちらのタイプなのでしょうか?さっそくクイズに挑戦して、海の生き物と「毒」の関係についてどのくらい知っているかチェックしてみましょう!

1. エラブウミヘビ
エラブウミヘビは、スクーバ・ダイビング中に出会う可能性が高いヘビのひとつです。厳密には完全な海生のウミヘビではなく、陸上にも上がる半陸生の爬虫類で、フィリピン、インドネシア、マレーシアなど、インド太平洋の熱帯域に広く生息しています。
エラブウミヘビの毒は、噛むことで相手の体内に注入されます。
エラブウミヘビは牙を使って獲物に噛みつき、毒を注入します。つまり、体内に毒を持っていて食べられることで作用するのではなく、噛むことで能動的に毒を送り込むタイプです。
人がウミヘビに噛まれるケースはまれです。ウミヘビは一般的におとなしく、自ら争いを仕掛けることはほとんどありません。咬傷の多くは、誤って触ったり、ウミヘビが脅威を感じたりした場合に起こります。

2. カツオノエボシ
クラゲと間違われることの多いカツオノエボシは、風や海流に運ばれながら、世界各地の熱帯・亜熱帯の海を漂っています。見た目はクラゲによく似ていますが、実はクラゲの仲間ではなく、「ヒドロ虫」の仲間。複数の個体が集まり、それぞれが役割を分担しながら、ひとつの生き物のように生活しています。
カツオノエボシは、触手から毒を注入します。
長い触手には、「刺胞(しほう)」と呼ばれる毒針を備えた細胞が無数にあります。触手に触れるなどの刺激を受けると刺胞が発射され、相手の体内に毒を注入します。この仕組みは、獲物を捕らえたり、身を守ったりするために使われます。
カツオノエボシは危険な生き物として恐れられていますが、人が刺されて死亡するケースは非常にまれです。ただし、刺されると非常に強い痛みを伴うことがあるため、海で見つけても触れないようにしましょう。

3. フグ
フグは、世界各地の熱帯・亜熱帯の海に生息しています。フグといえば、危険を感じたときに体を大きく膨らませる姿でおなじみ。このユニークな防御行動は、伸縮性の高い胃に水(ときには空気)を一気に取り込むことで可能になります。また、種類によっては鋭いトゲを持ち、体を膨らませることでトゲが目立つようになり、捕食者から身を守ります。
フグは、体内に毒を持つタイプです。多くのフグは、テトロドトキシンと呼ばれる強力な神経毒を持っています。主に肝臓や卵巣、皮膚、腸などに含まれ、毒を含む部位を食べることで体内に取り込まれ、深刻な中毒を引き起こすことがあります。
エラブウミヘビやカツオノエボシのように、噛んだり刺したりして相手に毒を注入するわけではありません。

4. ハナイカ
ハナイカは、インド太平洋の熱帯域の一部に生息する、鮮やかな色彩が特徴の頭足類です。その美しい姿から、一度は見てみたい生き物として憧れるダイバーも少なくありません。特にフィリピンやインドネシアは、ハナイカとの遭遇が期待できる人気のエリアです。ダイビング中には、鮮やかな色や模様を変化させながら、腕を使って海底を「歩く」ように移動する姿がよく見られます。
ハナイカは、体内に毒を持つタイプです。捕食者がハナイカを食べると、その毒が体内に取り込まれ、害を及ぼすことがあります。そんな毒を持つハナイカですが、実は優れたハンターでもあります。獲物を捕らえる姿もぜひチェックしてみてください。

5. ヒョウモンダコ
ダイバーや水中写真家にとって、一度は出会ってみたい海の生き物のひとつ、ヒョウモンダコ。小さな体ながら、その特徴的な模様はひと目でわかるほど印象的です。ヒョウモンダコの仲間には4種が知られており、インド太平洋の暖かい沿岸域に生息しています。危険を感じると、名前の由来にもなっている青いリング状の模様がより鮮やかに現れ、捕食者への警告となります。
ヒョウモンダコは、くちばしを使って噛みつき、相手の体内に毒を送り込みます。その毒は人の命にかかわる可能性がありますが、実際に噛まれるケースは非常にまれです。ヒョウモンダコは基本的に臆病で、自ら積極的に人を襲う生き物ではありません。咬傷の多くは、誤って触ったり、捕まえたり、追い詰めたりして、ヒョウモンダコが脅威を感じたときに起こります。

6. オニダルマオコゼ
オニダルマオコゼは、海の中でも特にカモフラージュが得意な魚のひとつです。サンゴや岩場に見事に溶け込み、すぐそばにいても気づかないことがあるほど。この擬態を利用して獲物を待ち伏せするとともに、捕食者から身を守っています。インド洋から太平洋にかけて広く分布し、紅海や東アフリカ沿岸でも見ることができます。
オニダルマオコゼには背中には鋭い背ビレのトゲが並んでおり、上から踏むなどして圧力がかかると、トゲを通じて相手の体内に毒が注入されます。また、危険を感じるとトゲを立て、捕食者から身を守ります。その毒は非常に強く、オニダルマオコゼは世界でも特に強い毒を持つ魚のひとつとして知られています。
人が被害に遭うケースの多くは偶発的なものです。海底に溶け込んでいるオニダルマオコゼに気づかず、ダイバーや海水浴客が誤って踏んだり、触れたりすることで刺されることがあります。
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