サメは海で最もカッコよく誰もが知っている魚のひとつです。ホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメのように、力強く、無敵にさえ見えるサメもいますね。サメは4億年以上前から地球上に生息していますが、今日、多くの脅威に直面しています。

最近の研究によると、軟骨魚類(サメとその近縁種)の3分の1が絶滅の危機に瀕しており、サメとエイの個体数は1970年から2018年までに71.1%減少し、世界のサンゴ礁の19%からサメが姿を消しているのが現状です。

すべての種類のサメが絶滅の危機に瀕しているわけではありませんが、その多くは絶滅の危機に瀕しています。また、サメや海の健康への脅威を放置すれば、さらに多くのサメが絶滅の危機に瀕し、最終的には絶滅してしまう可能性があります。

本記事では、サメが絶滅の危機に瀕している理由と、サメを保護するために何ができるかを紹介します。


a shark in the ocean

なぜ多くのサメは絶滅の危機に瀕しているのか?

前述したように、サメとその近縁種の約3分の1が絶滅の危機に瀕していると推定されています。サメの個体数が減少していることは由々しき事態です。

なぜサメは絶滅の危機に瀕しているのでしょうか?サメの脅威とは何でしょうか?

そもそも、サメは成長が遅く、寿命が長く、繁殖時期が遅く、一度に生まれる数が少ないため、乱獲や混獲(意図していない他の魚を含めて獲ってしまうこと)、そして、気候変動の影響を受けやすい生物です。特に、乱獲と混獲は、海洋生態系からサメを奪うことに繋がっています。これらの脅威が重なり、サメ個体群の再生・回復への妨げとなっています。

気候変動に起因する海水温の上昇や海洋酸性化などもサメにとって脅威のひとつです。こうした変化は生息地や餌である生物の生態や分布に影響を及ぼし、ひいてはサメにも影響を及ぼしてしまいます。


Two hammerhead sharks swim towards the camera, with small fish all around.

絶滅の危機に瀕しているサメは?

現在、約500種のサメが生息しているので、その3分の1が絶滅の危機に瀕しているとすれば、約167種のサメが絶滅の危機に瀕していることになります。ここで紹介するには長すぎるので、絶滅の危機に瀕しているサメについて詳しく説明されている記事と、絶滅の危機に瀕しているサメ(および種全般)を検索できる国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストをご覧ください。

本記事では、ほんの一例として、ダイバーがよく見る絶滅危惧種のサメをご紹介します。

ヨゴレ

ヨゴレは絶滅の危機に瀕しており、個体数は減少しています。NOAAによると、このサメにとっての脅威は商業漁業、混獲、国際貿易のための捕獲です。大型のサメで、背びれ、胸びれ、尾びれの先端に白い模様があるため、英語では、オーシャニック・ホワイトチップと呼ばれます。世界中の熱帯・亜熱帯の外洋に生息してます。

アカシュモクザメ

アカシュモクザメも絶滅の危機に瀕しており、IUCNのレッドリストによると、その個体数は減少しています。アカシュモクザメは最大3メートル(11フィート)にも成長し、ハンマー型の頭部が特徴的です。ガラパゴスのような熱帯や温帯の外洋に生息しており、回遊性があり、数百匹の大群を形成することが観察されています。ヨゴレと同様に、乱獲と混獲が主な脅威となっています。

ヒラシュモクザメ

ヒラシュモクザメもまた、個体数が減少し、乱獲や混獲によって絶滅の危機に瀕しています。このサメはシュモクザメのなかでも最大で、4メートル(13フィート)にも成長し、ハンマー型の頭部はほぼ真横で、真ん中に目立つくぼみがあることが特徴です。ヒラシュモクザメは、沿岸から外洋まで、世界中の熱帯海域に生息しています。


responsible marine life interactions while diving with a whale shark

サメを保護する方法とは?

サメを保護するためにできることは以下の通りです。

  • 責任あるサメとエイのツアーをサポートする:サメとダイビングするときは、サメの生態や周辺環境を損なわないようにすることが大切です。
  • PADI AWAREをサポートする:NPO団体であるPADI AWAREはPADIとパートナーシップを組み、ダイバーが世界的な海洋保護のために各地域でできることをするように働きかけています。PADI AWARE が取り組むいくつかの保護問題のひとつに、「サメとエイの種の保護」があり、絶滅の危機に瀕しているサメ・エイ種の数を減らすことを目的としています。
  • サメ製品は買わない、使わない:これらの製品を避けることは、サメ製品の市場需要を減らし、乱獲を減らすことにつながります。
  • 持続可能な方法で漁獲された魚介類を食べる:乱獲、混獲、環境への影響を減らすような方法で漁獲または飼育された魚介類を選択するようにしましょう。
  • サメについて学び続ける:サメの保護には、サメと環境との関わり方を理解することも大切です。サメについて学ぶことはまだまだたくさんあります!
  • 海を守る: 海はサメの生息地であるため、健康でクリーンな海はサメの成功に不可欠です。二酸化炭素排出量の削減や海洋ゴミの削減など、持続可能な活動を支援することで、海を守ることができます!

サメは素晴らしい存在ですが、残念ながら多くのサメが絶滅の危機に瀕しています。サメ保護のために今すぐ行動を起こしましょう!

Share This

関連記事