私たちの暮らしのすぐそばに広がる、日本の海。地域ごとにまったく異なる表情を持つ海があり、潜るたびに新しい発見があり、何度訪れても飽きることはありません。

日本各地の海で日々ダイバーを案内するPADIインストラクターたちは、その海ならではの魅力を誰よりも知る存在です。この連載では、そんな現地ガイドの視点から、日本の海の魅力を紐解いていきます。


プロフェッショナルダイブショップ ラグナ 田中 知香さん

私の父親は自然が好きで、子供の頃から山や海によく連れていってもらっていました。その中でも、海で素潜りをして遊ぶことが特に好きでした。それが「海で働きたい」と感じた原点だったと思います。
はじめは、ダイブマスターを取得してお客様を水中で案内することに強く憧れました。ですが、水中ガイドの仕事は楽しくやりがいのある仕事でしたが、お客様のスキルアップの悩みや相談事に直接関わることができずに、ダイブマスターの資格だけでは物足りなく感じるようになりました。
そこで、「自分自身の経験から得た知識とスキルをお客様に伝えることで、皆さんの役に立ちたい」と考えてインストラクターを目指しました。


小田原の海を仕事の舞台にしようと思った理由は?

朝少し早く目が覚めて「今日は何をしようか」と考えた時に、“ダイビングに出かけてみようかな”という選択肢があるといいなあと思っていました。ダイビングという遊びが、時間的にも精神的にも手軽に楽しむことができたら便利ですし、もっとたくさんの人たちに受け入れてもらえるレジャーになるのではないかと考えていました。

小田原は新幹線のアクセスもあり、都内からは30分もあれば通うことができます。ふらっと出かけて潜ることができる環境が、私にはとても理想的でした。

もちろんダイビングするうえで、日頃から健康を意識して体力や気力を万全に整えておくことは大切です。しっかりと準備しておけばいつでも気軽に楽しめるフィールドが小田原にあると思い、ここを職場とすることに決めました。


田中さんが考える、小田原の海の魅力は?

私が普段潜っているホームグランドは「早川ビーチ」になりますが、その魅力は、第一に魚影がとても濃いことです。面している相模湾の豊富な栄養分が原因で、季節ごとに回遊魚が大きな群れを作ります。

また、珍しい深海性生物が時折見ることができるのも魅力です。風向きによっては相模湾の深場から上がって来る潮に乗って、普段ではお目にかかれない生物に出会うこともあります。

そして、砂地の生物探しは一種の宝探し的な楽しさがあります。どこまでも広がる開放感のある砂地は一見すると生物がいないようにも見えますが、目を凝らして探して見ると、たくさんの小さな生き物たちが目に入ってきます。ウミウシに甲殻類、いろいろな魚の稚魚が砂地には隠れ住んでいます。そんな宝物を探すようなダイビングも楽しいです。

カンテンダコなど深海性の珍しい生物が姿を現すことも

早川の海の人気者となりつつあるボウセキウロコムシ


小田原に来たらここに潜ってほしい!おすすめポイント3選

①早川ビーチ

砂地が広がるビーチエリアは初心者から安心してダイビングを楽しめます。また、砂地に設置している人工漁礁では常に魚影が濃く、ボートダイビングのような感覚を楽しめます。
水深も浅いので、残圧や無減圧時間に焦ることなくゆっくりとフィッシュウォッチングを楽しめるのが魅力。年間を通じて毎日ナイトダイブを開催しているので、日中にはお目にかかることができないような夜行性生物の観察も簡単に楽しめます。

②石橋ビーチ

岩場と砂地のバランスが良いビーチポイントです。潮通しも良いためソフトコーラルも多く観察できます。江戸城築城のために切り出された石がエリア内で見ることができるなど、歴史的にも価値があるダイビングエリアとなっています。

③根府川ビーチ

エリアが広いのでコースを色々と変えて遊ぶことができるビーチポイントです。エリア正面には消波ブロックが横に広く設置されているので、手前は初心者講習にも利用しやすくなっています。関東大震災で沈んでしまった駅の石垣跡を水中で見ることができるのは有名です。


小田原の海でガイドするうえで田中さんが心がけていること

お客様に常に旬な生物や見応えある景色を楽しんでいただくため、毎日リサーチダイブを欠かさず行なっています。そのうえで、初心者の方も経験者の方も分け隔てなく楽しんでもらえるようにコース取りを考えています。そして何よりも、「お客様と一緒に海を楽しむ」という気持ちでいつも水中をご案内しています。


小田原に潜りに行きたいと考えているダイバーへのアドバイス

小田原で潜ろうとお考えの皆さんには以下のステップアップコースをおすすめします。

デジタル水中フォトグラファー・スペシャルティコース

水深も浅くフラットな地形が多いので、じっくりと腰を据えて水中撮影に取り組むことができます。また、毎年小田原をはじめとする西湘エリアのダイビングサービスが合同でカレンダーを作成しており、カレンダーに掲載する写真の応募をしているので、それにチャレンジしてみるのも良いと思います。

ナイトダイバー・スペシャルティコース

小田原の早川ビーチでは毎日ナイトダイビングを開催しているので(要予約)、夜の海を探検するアドベンチャー感を味わうことができます。ナイトダイビング特有の安全管理や生物へのアプローチの仕方もありますので、ぜひ講習を受けてから楽しんでみてください。

レスキュー・ダイバーコース

小田原エリアではほとんどのポイントでバディダイブを楽しむことができます。バディダイブでは気心の知れた友人や仲間と潜ることで、本当に楽しみたいことに集中してダイビングができます。ですが、ダイビングの計画から準備、緊急時の対応など全てを自分たちで行なわなくてはなりません。

レスキュー・ダイバーコースは溺れてしまったダイバーを助けるイメージが強いですが、実際には、トラブルを未然に防ぐためにバディ同士のコンタクトの維持や、チームで相互協力することの大切さを学ぶことが多いです。バディダイブに限らず、自立したダイバーを目指す第一歩としてぜひ皆さんに受けていただきたいコースです。


《プロフェッショナルダイブショップ ラグナ》

[ショップDATA]

小田原市板橋275-13  <Map>

TEL:0465-27-3974

営業時間:8:00~20:00

定休日:不定休

ウェブサイト:https://www.ragna.co.jp/

「ちょっとの時間でもダイビングを楽しみたい」と考えている方には、いつでもリクエストに応えることができるようにしています。朝早くからエントリーしてランチ前には終えるプランも、午後からエントリーしてナイトまで遊ぶプランも、都内からのアクセスのしやすさを利用して様々なプランを用意しています。また、「じっくり時間をかけてダイビングを上手になりたい」という方には、いつでも疑問や質問に応えることができるようにしています。コースディレクターが常駐しているため、いろいろなレベルのお客様に最適な提案とアドバイスを行なうことが可能です。趣味としてのダイビングの付き合い方は、人によって千差万別ですので、全ての方に満足して楽しんでいただけるよう、スタッフ一同努力しています。

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