バディチェックは、PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コースで学ぶ、トラブルの予防のための重要な手順です。残念ながら、認定を受けたダイバーでも忘れがちなことのひとつです。経験を積むにつれて、バディチェックは一方のダイバーがもう一方のダイバーに 「大丈夫?」と尋ねるだけの簡単なものになりがちです。

DANによると、事故は認定を受けたばかりのダイバーにも、認定を受けた数年後のダイバーにも起こりやすいそうです。もし、自分が特別だからバディチェックをする必要がないと思っているダイバーとペアになった場合、水中で大きな問題に対処するよりも、水上で小さな問題を解決する方がはるかに簡単であることを思い出してください。

 

 

PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コースでは、バディチェックの手順を簡単に覚えるために、「ビギン・ウィズ・レビュー・アンド・フレンド(Begin with Review and Friend)」といった言葉を使って、B-BCD、W-ウエイト、R-リリース類、A-エア、F-ファイナル(最終)OKと覚えています。BWRAFを覚える方法は他にもたくさんありますが、それらについてはまた後ほどご紹介します。でもその前に、バディチェックのやり方を簡単におさらいしておきましょう。

 

B – BCD/浮力
ホースがきちんと接続され、正しく機能していることを確認します。給気のボタンとすべての排気バルブをテストしてください。ドライスーツの場合は、給気バルブが機能しているか、排気バルブが適切に調整されているかを確認する必要があります。バディの装備に慣れていない場合は、浮力の調整方法を知っておくことが重要です。

W – ウエイト
ウエイトをきちんと装着していること、しっかり固定されていることを確認しましょう。BCD一体型の場合はウエイトポーチを軽く引っ張り、エントリー中に落ちないようロックされていることを確認します。ウエイトベルト、BCDウエイトポケット、その他ウエイトを固定する必要がある箇所を確認します。

R-リリース類
すべてのリリース類を確認し、緊急時にリリースする方法をバディに伝えてください。シリンダーのベルトは、他のリリースと同様に常にチェックしましょう。BCDのショルダーストラップやチェストストラップ、ウエイトベルトなど。また、緊急時にダイバーが器材から出られなくなるようなホースなどが配置されていないか確認しましょう。

A – エア
エアの確認の目的は、時々間違って記憶されていることがあります。レギュレーターから軽く1〜2回息をするだけでは十分ではありません。正しいエアチェックとは、シリンダーのバルブが完全に開いていることを物理的に確認し、ゲージを見ながら何度も呼吸してみることです。これにより、シリンダーのバルブが開いていること、ダイビングに使用できる空気の量、ゲージが機能していること、空気の味に問題がないことを確認することができます。予備の空気源(オクトパス)を確認し、緊急時にはその場所と使い方をバディが知っていることを確認します。

F – ファイナル(最終)チェック
最終チェックの一環として、すべての器材(マスク、スノーケル、フィン、ライト、カメラなど)を集め、緩んだホースやぶら下がってリーフを傷つけそうなものを固定します。頭からつま先までのチェックを行ない、2人とも準備万端であることを確認します。

BWRAF buddy check

上記の手順は、オープンサーキットを使用するダイバーのための一般的で簡単な確認方法であることを意図しています。テクニカルダイバー、リブリーザーダイバーなどは、それぞれのダイビング活動に適した安全確認を行なう必要があります。

BWRAFの覚え方は上記のものだけではありません。皆さんの好きなように変更することもできます。チェックするべきポイントをしっかりおさえましょう。

 

考えてみれば、こういったチェックは毎日やっていることです。水筒に水を入れる、上着を着る、携帯電話や財布、鍵をしまうなど、家を出る前に行なうチェックリストを思い浮かべてみてください。
一日家を離れるにせよ、空気のある世界から水中の世界へ移るにせよ、準備をしておくことは重要です。バディチェックをすることで、問題解決よりも楽しいダイビングをするために役立ちます。

また、PADIレスキュー・ダイバー認定を取得することも安心につながります。コースでは、楽しいロールプレイの練習を通して、トラブルへの対処法を学び、ダイビングのスキルに自信を持つことができます。PADIレスキュー・ダイバー・コースは本当に「真剣勝負」で、認定を受けたダイバーの多くが「PADIのコースの中で一番好きだ」と言っています。

 

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