ダイビングは楽しいスポーツですが、海の中では思いがけないトラブルが発生することもあります。そんな時、想定されるトラブルに対し、インストラクターやバディにアシストしてもらう手順の確認などをしておくことももちろん大切ですが、自分自身で冷静に対応できるスキルを持っていること「セルフ・レスキュー」が、安全で快適なダイビングの鍵となります。
セルフ・レスキューとは?
セルフ・レスキューとは、自分自身のトラブルを自分で解決するためのスキルです。例えば、以下のような状況に対応できるようになります。
- 急浮上や沈降を防ぐ適切な浮力コントロール
- 足のつりを治す
- 空気が少なくなったときの対処
- レギュレーターのトラブル時の呼吸確保
- めまいへのに対処
実際に直面したときに行動できるようになることも重要なスキルですが、セルフ・レスキューには、「準備」「予防」も含まれます。
準備
準備には「身体的な準備」、「精神的な準備」、「器材の準備」の3つがあります。
- 身体的な準備:ダイビングはある程度の体力や持久力を必要とするアクティビティです。日頃から健康管理を行い、適度な運動を継続することで、トラブル時に冷静に行動できる身体的な土台が整います。
- 精神的な準備:不安や緊張は判断力を鈍らせます。潜水前には十分なブリーフィングを行い、自分のスキルや環境条件を正しく理解すること。そして、どんな状況でも落ち着いて対処するために、心の準備を整えておくことが大切です。
- 器材の準備:使用するダイビング器材が正確に作動するかどうかのチェックは欠かせません。マスク、レギュレーター、BCDなど、すべての器材が適切に機能するか事前に確認し、緊急用のシグナル器具や予備の装備の使い方も理解しておくことが、安全なダイビングにつながります。
予防
予防とは、トラブルを未然に防ぐための意識と行動です。
- 器材を最適の状態に保つために定期的にメンテナンスすること
- 潜水前のブリーフィングや計画段階で、天候、潮流、水温などの情報を確認し、無理のないダイビングプランを立てること。
- 自分のスキルやコンディションに合った潜水計画を心がけること。
- バディとのコミュニケーションをしっかり取り、万が一の際にすぐに助け合える体制を整えること。
このような準備と予防の意識を持つことで、セルフ・レスキューの実践力が高まり、ダイビング中の安心感が格段に向上します。
実は、これらの「セルフ・レスキュー」のテクニックは、オープン・ウォーター・ダイバー・コースで学習するものですが、改めてきちんと再確認をし、ダイビングを安全に楽しむうえでさらに役立つ新しい知識とスキルを身につけるなら、「PADIレスキュー・ダイバー・コース」がおすすめです。コースを通してさまざまな知識・スキルを身につけることで、ダイビングの安全性は大いに向上します。

PADIレスキュー・ダイバー・コースで学べること
PADIのレスキューダイバー・コースでは、オープン・ウォーター・ダイバー・コースでも習ったセルフ・レスキュー スキルから始まり、意識のある疲労ダイバーやパニックダイバーへの対処法や、水面/水中で意識のないダイバーへの救助方法、行方不明ダイバーの捜索方法など、様々なトラブルに対応するためのレスキュースキルへと発展・実践します。海洋実習では、「水中で反応のないダイバー」と「水面で反応がないダイバー」の2種類のシナリオの中で、これまで練習してきたスキルを組み合わせて実践します。救助者としての能力を高めるだけでなく、事故者役、救急隊役、他のダイバー役、など様々な役割を担当することで、リアルな現場をトータルで学びます。
真剣味のあふれるものですが、トレーニングは楽しい経験です。
