日本から直行便があるマニラ/セブへの飛行時間は約4時間ほど。生物保護区に指定されているエリアが多いフィリピンの海は、マクロから大物、珍種から絶滅危惧種まで、たっぷり堪能することができます。通年、海が穏やかで水温も高いため、季節を問わずさまざまなレベルのダイバーが楽しめるというのも魅力です。
唯一の悩みどころは、どのエリアから潜りにいくか悩んでしまうということ。今回はそんな贅沢な悩みを解決するため、おすすめのダイブエリアをピックアップしてみました。ぜひ参考にしてくださいね♪
マクタン
日本から直行便で、マクタン・セブ国際空港まで約5時間。マクタン島の海岸沿いにはダイビングショップが軒を連ね、日本人ガイドが常駐するお店もあります。透明度が高いマクタンの海には、素晴らしいダイビングスポットが点在し、ツバメウオの群れやクマノミ団地、運がよければジンベエザメやマンタなどの大物にも会えます。空港からビーチまでは車ですぐなので、スケジュールによっては到着当日から潜れるかもしれません。オランゴ、ナルスアン、ヒルトゥガンなどの有名スポットへも、ボートで10~30分ほどでアクセスできます。古くから観光地として栄えるこのエリアは、アフターダイブの楽しみ方も豊富。南国リゾートの水中と陸上を両方満喫しちゃいましょう! 一年中潜れますが、おすすめのシーズンは水温・気温が最も高い4月~5月です。
モアルボアル
セブ島の南西部に位置するモアルボアルは、古くから欧米人に愛されるダイビング天国です。人気の秘密はとにかく迫力満点の海中景観。入道雲のようなイワシの大群(イワシトルネード)、それを狙うニタリやイソマグロ、そしてジンベエザメなどの大物が見られることも。また、ハードコーラルの群生も実に美しく、海底一面を埋め尽くすサンゴの光景は感動そのもの。モアルボアルのビーチ沿いにはバーやレストランが立ち並び、素朴でのんびりとした雰囲気が楽しめます。セブシティからのアクセスも抜群なので、ぜひ訪れてみてください。ベストシーズンは海況が安定している4~6月と10月~11月です。
ボホール
大物、マクロ、魚群…ボホールにはそれらすべてが詰まっています。ジンベエザメ、マンタ、ハンマーヘッドシャーク、ウミガメ、ウミヘビ、カエルアンコウ、クマノミ、ギンガメアジの群れなど、見どころが満載。地形派が楽しめるドロップオフやアーチもあるので、さまざまなタイプのダイビングが楽しめます。ベストシーズンは10月から5月です。
また、ダイビングのほかに、ボホール島はチョコレートヒルズという有名な観光地があり、大小約1200個ほどの可愛らしい小山が立ち並ぶ風景はまるで絵本の世界。乾季(4~6月)には緑茂っていた山肌がチョコレート色に変わり、ネーミング通りの姿に。ホボールに行く理由がまたひとつ増えましたね!
マラパスクア
マラパスクアはサンゴ礁が隆起してできた小さな島。アクセスはセブ・マクタン空港から約6時間かかりますが、常にダイバーでにぎわう人気エリアです。その人気の理由はずばり「ニタリ」。かなりレアなイメージのニタリですが、「世界で最もニタリの遭遇率が高い海」であるマラパスクアでの遭遇率は99.9% ― ほぼ確実だといわれています。早朝が狙い目なので、早起きして日の出前にボートに乗り、水中でじっくりニタリを待ちましょう。また、ニタリの他にもさまざまな生物が生息しているので、早朝ダイビングの後も、数ダイブしてたっぷり楽しむことができます。マラパスクアのベストシーズンは12月~5月だとされていますが、ニタリは一年を通して見られます。
ボラカイ
息を呑むほど美しい白浜ビーチを持つボラカイは、「世界最高の島」と謳われる奇跡の島。白くきめ細かい砂、エメラルドグリーンの海、青く澄んだ空…極上の癒しと開放感を体感できるでしょう。驚異の透明度を誇る海の中では、カラフルな南国の魚たちがお出迎えしてくれます。ウミウシ、カエルアンコウ、チョウチョウウオツバメウオの群れやクマノミコロニーなど、多様な生物相が見られます。沈船ポイント「カミアⅡ」は魚影が濃いだけでなく、船内に潜入することもできるので冒険派に大人気。まさに楽園の名に相応しいボラカイに、ぜひ訪れてみませんか?ベストシーズンは1月~5月です。
エルニド
「フィリピン最後の秘境」と呼ばれるエルニド。海面からそびえた岩山、コバルトブルーの海、白く美しいビーチが広がる世界は、まさに神が創造した芸術です。海の中にも絶景が広がっており、カラフルなコーラルリーフとそこに暮らすさまざまな生き物との出会いが待っています。5種のウミガメ、マンタ、キンセンフエダイの群れなど、大興奮間違いなし。また、ケーブやアーチなどのダイナミックな地形、幻想的な世界が体験できる洞窟ダイビングなど、バリエーション豊かなダイビングが楽しめます。ベストシーズンは11~5月です。
リロアン
セブ島の最南端にあるリロアンはまさに生物の宝庫。マクロ派にはたまらないエリアで、フォトジェニックな生き物たちがたくさん生息しています。浅い深度でも驚くほど魚影が濃いので、初心者ダイバーでも充実した水中撮影が楽しめるでしょう。このエリアには魅力的なスポットがたくさんあり、クマノミ城やサンゴ礁の美しさで有名なスミロン島、ギンガメアジのトルネードが狙えるアポ島など、バラエティ豊かな海が堪能できます。フィッシュ・ウォッチングを楽しみたい方、じっくり水中撮影したい方に特におすすめのエリアです。ベストシーズンは3~5月になります。
ブスアンガ
ブスアンガ島のコロンは、魅力あふれるダイビングエリア。ここにはなんと野生のジュゴンが棲んでいるのです。笑みを浮かべているようなおっとりした顔で、のんびり優雅に泳いでいるジュゴンを見れば、心の底から癒されること間違いなし。そんな癒し系のジュゴンですが、近年絶滅の危機に陥っており、フィリピンでも個体数が激減しているのが現実です。ジュゴンは警戒心が強いので、水中で出逢ったら少し離れたところから静かに見守ってあげましょう。ジュゴンの他に、マクロやワイドも楽しめ、かわいいウミガメ、クマノミ、ウミウシから、ギンガメアジの群れ、ヨスジフエダイの群れなど、さまざまなシーンが堪能できます。ベストシーズンは10~5月です。
トゥバタハ
トゥバタハは大型の遠洋魚と生物多様性の宝庫。そこで潜るたびに、今まで見たことのない生き物を見ることができると言われています。
トゥバタハはフィリピンでも有数のスキューバダイビングスポットであり、ユネスコの世界遺産にも登録されています。唯一の難点は、トゥバタハのダイビングシーズンは3月中旬から6月中旬までと限られており、トゥバタハではライブボードからしか潜ることができません。
いかがでしたか? 上記のほかにも、フィリピンには素晴らしいダイビングエリアがたくさんあります。リピーターが絶えないフィリピンの海、今年ぜひダイビングリストに加えてみませんか?