私は海を好きになった瞬間をはっきりと覚えています。同じような人も多いかもしれません。

私の場合は、少年時代に海で夏を過ごし、祖父母や両親に連れられてロードアイランド州の海岸に初めて行ったときのことです。裸足で砂の上に立ち、海の広さ、力強さ、美しさを敬い、浅瀬でカブトガニが跳ねるのを見て、新鮮な海の空気を吸い込んだことをよく覚えています。そのときの感覚は、私の精神とDNAに浸透し、私の一部となったようです。夏が終わる頃には実家のあるロングアイランドに帰りたくなかったことを覚えています。しかし、最初の出会いから何十年経っても、私の想いは海とあの日につながっているのです。

海が私たちの身近な一部になると、私たちは海に感謝するだけでなく、海をもっと知りたいと願い、海が直面している脅威を知って行く末を案じ、関心を持つようになります。
このようなつながりから、私たちはこれらに対して何かをしなければならないと考え、1988年にProject AWAREが発足しました。
ダイバーである私たちは、Project AWAREによって行動を起こし、変化をもたらす手段を得ることができました。Project AWAREのパートナーとして、私たちは海洋調査や教育、何千トンものごみの回収、乱獲された種の保護の強化などを指導し、資金を提供してきましたが、その例は枚挙にいとまがありません。

 

しかし、私たちにはもっとできることがあります。私たちは海へのダメージを少しでも減らすようにしていますが、まだまだ手ごわい逆風に直面しています。変化の必要性は緊急であって、急がなければなりません。地球規模の問題を解決するにはすべての人が関わっていますが、特にダイバーには海を救う力、意志、影響力があり、重要な役割を担っています。この目的のために、PADI組織はAWAREに全力で協力し、新しいPADI AWARE財団として結束します。

PADI AWARE 財団は、Project AWAREとPADIがすでに行なっていることをすべて活用しますが、世界的な規模でさらに広げます。コミュニティとあなたに焦点を当て、PADIの世界的なインフラであるダイブセンターとダイブリゾート、ダイバーが、世界規模で人類と海のバランスを取り戻すために、地元で提言、教育、その他の活動を行なうことができます。PADI AWARE財団は、海洋ごみ、気候変動、海洋生息地の損失、種の保護、その他の脅威に直接対処するための新しい保護プログラム、活動家の動き、広報活動、コース、パートナーシップをすでに実施しています。

PADI AWARE財団の助成金プログラムは、PADIダイブセンターとリゾートの活動を支援するための資金を提供することで、地域のイニシアティブを直接目指すもので、地域で行動することで世界に変化をもたらすことができます。PADIアドベンチャーズ」アプリの一部である「PADIコンサベーション・アクティビティ・ロケーター」を使えば、どこにいても、あるいはどこに行く予定でも、PADIプロフェッショナルやダイブショップが主催する環境保護活動を簡単に見つけて参加することができます。PADI AWARE財団の詳細、活動内容、参加方法、支援方法については、こちらをご覧ください(英語日本語)。

 

PADI のロゴに描かれた、灯火(トーチ)を持ち導く人(ベアラー)。PADI は実現のための5つの指針を立て、この志を持つ人を「PADI Torchbearer トーチベアラー」と呼びます。

ご存知のように、PADIは皆さんや私のようなPADIトーチベアラーを10億人集めることを目標としています。この目標を達成するためには、常に新しいトーチベアラーやパートナーを仲間に加える必要があります。私たちのように、他の人々が海との個人的なつながりを築く手助けをすれば、海の保護がなぜそれほど重要なのかを理解し、私たちに参加し、一緒に行動しようという意欲が湧いてくるでしょう。

つまり、冒険を求めれば、海を救うことにもつながるのです。

 

よいダイビングを。

ドリゥ・リチャードソン(Drew Richardson)
PADIワールドワイド/プレジデント& CEO

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