PADIマスター・スクーバ・ダイバーとPADIダイブマスター、名前が同じような単語の組み合わせで間違えやすいですよね。皆さんはこの二つの違いを知っていますか?似ているようで、全く異なるものです。
まずは「料理が上手い人」と「料理人の見習い」の違いを考えてみてください。両方ともおいしい料理を作れますが、前者は料理を趣味として楽しんでいる人、そして後者はプロの卵です。
ではさっそくマスター・スクーバ・ダイバーとダイブマスターの違いについて詳しく見ていきたいと思います!
PADIマスター・スクーバ・ダイバー:エリートダイバーの称号
マスター・スクーバ・ダイバーということは、多くの経験とスクーバ・トレーニングを積んでいるということを意味します。これまでに様々なダイビングを経験し、その結果、ナイトダイビングからディープダイビングまで、多様な水中環境で多くの時間を過ごしてきたことでしょう。
しかも、そこまでに得た経験はすべてあなただけのものです。MSDの取得に必要な5つのPADIスペシャルティ・コースは、自分の興味や目標に合ったコースを選んでカスタマイズすることができます。
マスター・スクーバ・ダイバーはどんなダイバー?
マスター・スクーバ・ダイバーとは、さまざまなダイビング活動や環境でスキルを磨いて、経験を積んだことを意味するアマチュア最高峰のランクで、スキューバダイビングの黒帯と呼ばれています。この認定を取得しているダイバーはわずか2%以下であり、本物のエリートダイバーにしか与えられない称号です。MSDの取得を目指すことで、新しいスキルの習得や自信の向上、海洋保護の推進、心身の健康維持など、人生を変えることにもつながります。
「MSDの認定を受けたら、単に認定を受けたというだけでなく(レクリエーショナル・ダイビングの最高レベルとして認められるのは素晴らしいことです)、ダイバーとしての自信が一気に高まりました。ただの平凡なダイバーから、水上でも水中でも自信を持てるダイバーになったのです。」 – シャロン・ロウ
マスター・スクーバ・ダイバーの認定条件
- 年齢12歳以上であること(12歳から14歳のダイバーはジュニア・マスター・スクーバ・ダイバーに認定されます)
- PADI(ジュニア)アドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー、またはそれに相当する資格を有していること
- PADI(ジュニア)レスキュー・ダイバー、またはそれに相当する資格を有していること
- PADIスペシャルティ・コース5種類以上を修了していること
- ログブックに最小限50回のダイブが完了していること
注:PADIマスター・スクーバ・ダイバーはプロフェッショナルではなく、PADI MSDはダイビング業界で働く資格はありません。PADIマスター・スクーバ・ダイバーは、あくまでレクリエーション・レベルであり、プロダイバーではないダイバーの最高のスキルレベルを示すものです。プロのダイバーになりたいのであれば、PADIダイブマスターになる必要があります!
PADIダイブマスター:プロのダイブリーダー
ダイブマスターはインストラクターのアシストを担当し、ダイバー達のリーダーとして活躍しています。アマチュアダイバーとの最大の違いは、プロとして収入を得ているところにあります。しかし、PADIダイブマスターになることは、新たなキャリア以上のものを提供するステップアップでもあります。
ダイブマスター・コースを受講するための参加前条件:
- 年齢18歳以上であること
- PADIアドバンスド・オープン・ウォーター・ダイバー、またはそれに相当する資格を有していること
- PADIレスキュー・ダイバー、またはそれに相当する資格を有していること
- 過去24ヶ月以内にEFR一次及び二次ケア・トレーニング、またはそれに準ずるものを修了していること
- ダイビングに適した体調であるか診断し、医師の署名の入った病歴/診断書(12ヶ月以内)
- コース参加前、ログブックに最小限40回のダイブが完了していること
- コース参加終了時までに、ログブックに最小限60回のダイブが完了していること
PADIダイブマスターは何ができる?
- トレーニングおよびトレーニング以外のダイビング活動のアシスト
- ダイビング・ブリーフィングの実施
- PADI ReActivateリフレッシュプログラムの実施
- PADIアドバンスド・スノーケラー・コースの実施
- ディスカバー・スクーバ・ダイビング・プログラムのアシスタント
- ディスカバー・シュノーケリングやディスカバー・ローカル・ダイビングのプログラムの実施
- スキューバダイビングのプロとして賠償責任保険に加入できる
これらはPADIダイブマスターの役割と責任のほんの一部です。さらにトレーニングを積めば、オープン・ウォーター・ダイブが不要のPADIスペシャルティ・コースやディスカバー・スクーバ・ダイビングなど、より多くのことを教えることができます。
PADIダイブマスターになることは、海洋生物学や公共安全ダイビングから、ハリウッドのスタントダイビングやサーカスショーでのパフォーマンス、ゴルフボールの回収など、プロのスクーバダイバーに依存する他の業界でプロとして働けるようになることも意味します。
PADIダイブマスターの認定条件:
- ダイブマスター知識開発セクションを修了し、ファイナルエグザムに合格する。
- 5つのウォーター・スキル・エクササイズとダイバー・レスキュー・スキルの評価を受け、合格する。
- ダイブスキル・ワークショップと評価を受け、達成条件を満たす
- エマージェンシー・アシスタンス・プランの作成する
- 水中地図作成、サーチ&リカバリー、ブリーフィングなどの実践的スキルの習得
- ReActivateやディスカバー・スクーバ・ダイビングなど、ダイブマスター主導のプログラム・ワークショップを修了する。
- スクーバ・コースでのアシストのための実践的なアセスメントを完了する。
- 他のチームメンバー、ゲストダイバー、生徒に対してプロフェッショナリズムを発揮する。
PADIダイブマスターになるにはどのくらい時間がかかるか?
ダイブマスターの資格取得にかかる時間は、あなたのスケジュール、個人の進捗状況、選択した方法によって異なります。例えば、短期間でコースを修了することもできますし(他の資格と同様)、長期のインターンシップに参加することもできます。コースは数週間から数ヶ月にわたって実施されます!
マスター・スクーバ・ダイバー vs. ダイブマスター
このように、どちらの認定もとても豊富な経験と知識を持つスクーバダイバーであることを示しています。しかし、簡単にまとめると、PADIマスター・スクーバ・ダイバーは、レクリエーション・ダイバーとして到達できる範囲であり、それ以上のレベルはありません。逆に、PADIダイブマスター資格は、プロフェッショナル・ダイバーの階段を上る最初の一段目なのです。
では、マスター・ダイバーとは何か?
まれに「PADIマスター・ダイバー 」と呼ぶ人もいますが、ほとんどの場合、ダイブマスターではなく、マスター・スクーバ・ダイバーのことを指しています。正式な「PADIマスター・ダイバー」という認定はありません。
PADIコースフローチャート
ダイブマスターとマスター・スクーバ・ダイバーのどちらを選ぶべきか?
PADIマスター・スクーバ・ダイバーとPADIダイブマスター・コースのどちらに進むか決める際には、自分自身に次のような問いかけをしてみましょう:
Q. ダイビングの仕事をフルタイム、パートタイム、またはその他の形態でやってみたいですか?
もし答えがはいなら、PADIダイブマスターコースを選ぶのがベストです。なぜなら、ダイビング業界で働いたり、他のスキューバダイビングの仕事をする前に、プロとして認定される必要があるからです。
Q. あなたは学び続け、成長し続けることが好きな人ですか?
もし答えがイエスなら、ダイブマスター・コースがあなたにとって最良の選択かもしれません。ダイブマスターは、PADIプロフェッショナルの第一歩として、アシスタント・インストラクターやオープンウォーター・スクーバ・インストラクターへのステップアップなど、より多くの学習や資格取得のチャンスが広がります。実際には、チャレンジするためにダイブマスターになったものの、ダイビング業界には就職しないダイバーもたくさんいます。
Q. スキルの幅を広げ、様々なタイプのダイビングを経験し、達成感を味わいたいですか?
PADIマスター・スクーバ・ダイバーは、これらすべてを可能にします。このエリートランクを目指すにつれ、あなたの水中での興味に合わせた多様なダイビングの世界を探求しながら、ダイバーとしての自信を間違いなく高めていくことができるでしょう。
Q. 人と関わること、人を助けることが好きですか?
もしあなたが、人と関わったり、助け合うのが好きならば、PADIダイブマスターは、あなたの海への情熱とダイビングスキルを活かして、たくさんの人の可能性を引き出すことができる、やりがいのある仕事です。
Q. あなたの年齢と現在のダイビング経験は?
将来プロのダイバーになりたいけれど、年齢や現在の認定レベル、ログダイブ数によっては、すぐにPADIダイブマスターコースにエントリーできないかもしれません。そのような場合、マスター・スクーバ・ダイバーは、あなたのスキルを伸ばし、ダイビング経験を積むための素晴らしい方法となるでしょう。サーチ&リカバリーやアンダーウォーター・ナビゲーションなど、ダイブマスターコース開始後に役立つPADIスペシャリティーを選択することもできます。
PADIダイブマスターまたはマスター・スクーバ・ダイバーとして次のステップへ
似ているようなこれら認定の違いはお分かりいただけたでしょうか?マスター・スクーバ・ダイバーを目指したい方、PADIダイブマスターになる方法を知りたい方は、お近くのPADIダイブショップまでお問い合わせください。