オーストラリアの南クイーンズランドは、まさにダイバーの楽園。 グレート・バリア・リーフのサンゴ礁から、魚たちの活気あふれる生活の場となっている砂州や沈没船まで、世界有数のダイブサイトが点在しています。 どのダイブサイトも生物相が実に豊富で、そこには感動と驚きのダイビングが待っていることでしょう。 多くのダイブサイトは、ブリスベンやゴールドコーストなどの主要都市から簡単にアクセスすることができ、あらゆるレベルのダイバーが満足できるオプションが豊富に揃っています。 南クイーンズランドは、間違いなくダイバー必潜の海。 それでは、南クイーンズランドで「絶対に見逃してはならない6つのダイブサイト」をご紹介します。

沈船スコティッシュ・プリンス号ゴールドコースト

南クイーンズランドのゴールドコーストから2kmほどのところに、全長64mの沈船スコティッシュ・プリンス号が眠っています。 この船の最大の特徴は、船首と船尾にあります。 船の最も浅い部分は船首で、海底から約5mの位置にあります。 船尾は右にねじれており、船体は藻類、海綿、サンゴに覆われ、多種多様な海洋生物の住処となっています。

この歴史的な沈船の周りには、ブリの群れ、フグ、ハタ、ウツボなどのサンゴ礁に生息する魚、ウミウシ、タコ、イカなどの無脊椎動物が生息しています。 マダラトビエイ、サカタザメの仲間、テンジクザメやイヌザメなどもよく見られます。 沈船中央の大部分は損傷しているため、内部侵入は限られていますが、あらゆるレベルのダイバーが楽しめる沈船スポットとなっています。 スコティッシュ・プリンス号周辺の透明度は通常6〜20mなので、年間を通してダイビングが楽しめます。 なお、この沈船は、「英連邦歴史的沈没船法(Commonwealth Historic Shipwreck Act)」で保護されているため、決して触れないよう注意しましょう。

レディーエリオット島 & レディーマスグレーブ島(バンダバーグ)

「南グレート・バリア・リーフの宝石」の称号を持つレディーマスグレーブ島とレディーエリオット島は、クイーンズランド州、バンダバーグからアクセスできます。 政府によって制定された採掘活動禁止区域であるノー・テイク「グリーンゾーン」エリア(2005年に制定)に位置するため、これらの島周辺でのダイビングは、驚きと感動が詰まっています。 透明度の高い海と壮観なサンゴ礁を背景に、ウミガメ、マンタ、イルカ、そして1,200種以上の熱帯魚が行き交う光景が見られます。大陸棚と東オーストラリア海流が近くにあるので、5月から10月はクジラに遭遇するチャンス。バンダバーグからレディーマスグレーブ島へは、ボートで2時間ほど。レディーエリオット島へは、バンダバーグ、ハーヴィー・ベイ、ブリスベン、またはゴールドコーストより、眼下の眺めを楽しみながら、飛行機でアクセスすることも可能です。

写真提供: Tourism and Events Queensland/Fabrice Jaine

マンタ・ボミ―(ブリスベン)

オーストラリアのダイブサイトTOP10にランクインするマンタ・ボミーは、ブリスベン・ノース・ストラドブローク島沖にあります。 地元の人々だけでなく、南クイーンズランドを訪れる観光客の間でも絶大な人気を誇るダイブサイトです。 マンタの出没シーズンは、暖かい季節の10-4月。 水中に潜ると、頭上で優雅に泳ぐマンタの姿が見えるでしょう。 トラフザメ、 アラフラオオセ、ウミガメ、イルカ、および様々な種類の熱帯魚にも出会えます。 また、7月から11月にかけては、ザトウクジラを目撃できる可能性も。 このダイブサイトは水深約8〜12mで、あらゆるレベルのダイバーが楽しめます。ブリスベン本土、またはストラドブローク島からボートでアクセス可能です。

沈船HMASブリスベン (サンシャイン・コースト)

クイーンズランド州・サンシャインコースト(ムールーラバ近く)に位置する沈船HMASブリスベンは、水深28m地点に横たわっています。 2005年に退役した全長133mに及ぶミサイル駆逐艦は今、ダイバーに人気の素晴らしい人工漁礁に。 竜骨を土台にした前方メインデッキは水深約15m地点にあり、その船尾は水深約18mに位置します。 透明度が素晴らしく、流れも安定しており、さまざまな水深でダイビングを楽しめます。 PADIレック・ダイバー・スペシャルティ・コースで培ったスキルを活用できるダイブサイトです。

沈船HMASブリスベンは今や、トビエイ、タコ、ハタ、ウミガメ、サメ、そしてキラキラ輝く魚の群れの住処となり、多種多様な美しいソフトコーラル、ハードコーラルが沈船を覆っています。 沈船HMASブリスベンが沈められたとき、船の文化的、歴史的、そして環境的な生態系を維持するため、環境保全公園が造られました。

写真提供:Tourism & Events Queensland

沈船 HMASトブルク(バンダバーグ/ハーヴィーベイ)

このオーストラリア海軍上陸用艦艇は、2018年6月に退役し、海底に沈められました。 そして今、オーストラリアで最も新しい沈船スポットの1つとなっています。 HMASトブルクは、右舷側を下にした状態で海底に横たわり、水深は10〜28mほど。 中級者と上級者ダイバーにおすすめのダイブサイトです。 この沈船は、クイーンズランド州、バンダバーグとハーヴィーベイの中間に位置し、バンダバーグから41km、ハーヴィーベイから46kmの沖合にあります。 ダイブクルーズを利用すれば、通常1時間以内にアクセスすることが可能です。

沈没から期間は短いものの、この船にはすでに“自然の芸術”が施されています。 サンゴや軟体動物が急速に生息しはじめ、カラフルなサンゴ礁の魚、イソギンチャク、タコ、銀色に輝く魚たちの群れ、ハタ、テンジクザメ、ウミガメ、エイたちを呼び寄せています。 フレーザー島に守られるように囲まれているため、透明度がよく、通年を通してダイビングができます。 沈船HMASトブルクは、グレートサンディ国立公園内にあるため、ダイビングする際は事前に許可を取得する必要があります。 ハーヴィーベイ、またはバンダバーグで、ダイビングツアーを予約することができます。

フリンダース・リーフ(モートン湾)

モートン湾海洋公園内で保護されているフリンダース・リーフは、海洋生物たちの聖域。 ダイビングで海底を探索するのにもってこいの場所です。ブリスベン市内中心部より70km未満の距離にあるため、日帰りダイビングも可能です。 フリンダース・リーフのサンゴと熱帯魚は多種多様で、そこにはまるで絵に描いたような世界が広がっています。 クリーニングステーションでウミガメ、マンタ、テンジクザメ、イヌザメ、さらにはオーストラリア東海岸を移動するザトウクジラなどの大物に出会えるチャンスも。 フリンダース・リーフのダイブサイトは水深が浅く、一年中透明度が良好なだけでなく、ダイビングする度に新しい発見があるため、世界中のダイバーから愛されています。

BumpheadParrotfish_Shutterstock

沈船探索がしたい方、カラフルなサンゴ礁に心癒されたい方、マンタに会いたい方はぜひ、南クイーンズラインドのワールドクラスのダイブサイトを訪れてみてくださいね!

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