ダイビングを始めた頃は、海に潜るだけで新鮮な驚きがあったはずです。
初めて水中で呼吸した感動。
目の前を泳ぐ魚たち。
水中を浮遊する不思議な感覚。
でも、経験を重ねるにつれて、少しずつ「もっと」が増えてきませんか?
もっと中性浮力が上手になりたい。
見つけた魚のことをもっと知りたい。
自分で水中をナビゲーションできるようになりたい。
夜の海にも潜ってみたい。
そして、もっと自信を持ってダイビングを楽しみたい。
そんな「もっと」を叶えてくれるのが、PADIスペシャルティ・コースです。
今回は数あるスペシャルティの中から、PADI Proが「すべてのダイバーに受けてほしい」と考える5つのスペシャルティをご紹介します。
そして、この5つを経験することは、レクリエーション・ダイバーの最高ランク、PADIマスター・スクーバ・ダイバー(Master Scuba Diver:MSD)を目指す道にもつながっています。

ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー(PPB)
最初から完璧に潜れる人はいません。うっかり水底に着いてしまったり、フィンで砂を巻き上げてしまったりするのは、誰もが経験すること。でも、そうしたことを減らす方法があります。そのカギとなるのが、浮力コントロールです。
ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー・コースでは、適正ウエイトの調整や、楽にホバリングする方法、中性浮力を上手に保つためのスキルを身につけます。
浮力コントロールが上達すれば、水中でよりリラックスして、自信を持って潜れるようになります。また、水中生物や周囲の環境を乱さずに移動しやすくなり、エアの消費を抑えることにもつながります。
そして何より、中性浮力を自在にコントロールできるようになるのは楽しいもの。 PADI Proにとっても教えるのが楽しいコースのひとつであり、多くのダイバーにおすすめしたいスペシャルティとして挙げられています。

魚の見分け方
ダイビングを終えてボートに戻ったあと、「さっき見た魚、何ですか?」とガイドに聞いたことはありませんか?「銀色で、ヒレがあって、このくらいの大きさで……泳いでいっちゃった魚!」
もちろん、ガイドもできる限り答えたいところですが、短い説明だけですべての魚を特定するのは、なかなか難しいものです。
魚の見分け方スペシャルティでは、体や口の形、ヒレ、色、模様などの特徴から魚を見分ける方法を学びます。また、海洋環境を守ることの大切さや、魚類の調査方法についても学びます。こうしたポイントがわかるようになると、次第に自分自身で魚の種類を見分けられるようになります。
そのうち、ほかのダイバーから「あの魚、何?」と聞かれたとき、今度はあなたが答える側になっているかもしれません。

AWARE − Dive Against Debris®
環境に配慮した行動が自然にできるのが理想ですが、ダイビングと同じように、海を守るための行動にも「知ること」「学ぶこと」が大切です。ダイビングポイントをきれいに保つことはもちろん、水中でも陸上でも、海への影響を考えて行動することが求められます。
Dive Against Debrisコースでは、海から回収すべきもの・そのまま残すべきものの見分け方、水中ごみを安全に回収する方法、そして見つけたごみを記録・報告する方法を学びます。収集したデータは、PADI AWARE Foundationの世界規模の水中ごみデータベースに登録されます。
このコースは、単にダイビングポイントのごみを拾うだけのものではありません。
自分たちが潜る海のために行動し、集めたデータを通じて科学者による海洋ごみ問題の把握に貢献する。つまり、一本一本のダイビングを、海にポジティブな変化をもたらすアクションにつなげるためのコースです。

水中ナビゲーター
普段の生活では、目的地までの道のりをスマートフォンに頼っている人も多いはず。アプリを開けば、現在地からどこへ向かえばいいのかすぐにわかります。
でも、水中ではGPSは使えません。そしてコンパスも、使い方を知らなければ役には立ちません。ダイビングを終えて水面に出たものの、「ボートはどっち?」と周囲を見回してしまう——そんなダイバーの姿を、PADI Proは何度も目にしています。
水中ナビゲーター・コースでは、まず陸上でナビゲーションに必要な基本スキルを学び、それを実際に水中で練習します。
コンパスの使い方はもちろん、太陽の光や潮の流れ、砂紋、リーフの地形といった自然の目印から方向を判断する方法も身につけます。さらに、基本的なナビゲーション・パターン、複数回方向転換するナビゲーション、水中で距離を見積もる方法なども学びます。こうしたスキルを身につけることで、水中で自分のいる場所や進む方向を把握しやすくなり、迷うリスクを減らすことができます。

ナイト・ダイバー
暗い水中でのダイビングには、昼間とは異なるスキルが必要です。慣れないうちは、コミュニケーションを取ろうとしてダイブライトをあちこちに動かしてしまったり、意図とは違うサインを送ってしまったりすることもあります。
ナイト・ダイバー・コースでは、夜になると姿を変える水中世界を楽しみながら、暗い海を安全に潜るために必要な知識とスキルを身につけます。
ダイビングの計画方法やダイブライトの使い方、暗闇での潜降・浮上、光の少ない環境でのナビゲーションなどを学びます。また、ライトを使ったコミュニケーションや、夜行性の生き物を見つけるコツも身につけます。
初めてのナイト・ダイビングを「幻想的だった」と表現するダイバーも少なくありません。
昼間に何度も潜ったことのあるポイントでも、夜になればまったく違う世界に。いつもの海を新しい視点で楽しみ、昼間にはなかなか出会えない生き物を観察できるのも、ナイト・ダイビングならではの魅力です。
5つのスペシャルティの先にある「マスター・スクーバ・ダイバー」
ここまで紹介した5つのスペシャルティ。実は、5種類のPADIスペシャルティ・ダイバー認定を取得することは、PADIマスター・スクーバ・ダイバー(MSD)になるための条件のひとつでもあります。
PADIマスター・スクーバ・ダイバーは、PADIの教育システムにおいて、レクリエーション・ダイバーが到達できる最高ランクです。
MSDは、レクリエーション・ダイバーが到達できる最高ランク。取得には、次の条件を満たす必要があります。
- PADIレスキュー・ダイバーまたはジュニア・レスキュー・ダイバー認定
- 5種類のPADIスペシャルティ・ダイバー認定
- 50本以上のダイビング経験
- 12歳以上
5つは、自分の「やってみたい」で選んでもいい
今回紹介した5つは、さまざまなダイビングに役立つスペシャルティですが、マスター・スクーバ・ダイバーになるために、この5つを必ず選ばなければならないわけではありません。
スペシャルティの選び方に、決まった正解はありません。
写真をきれいに撮りたいなら、デジタル・アンダーウォーター・フォトグラファー。
沈船を探検したいなら、レック・ダイバー。
水中での移動範囲を広げたいなら、ダイバー・プロパルジョン・ビークル。
もっと深い海の世界を経験したいなら、ディープ・ダイバー。
自分が「いつかやってみたい」と思っていたダイビングを選び、それを安全に楽しむための知識とスキルを身につけていくことができます。5つの認定を集めるためにスペシャルティを選ぶのではなく、自分がどんなダイバーになりたいかで5つを選ぶ。それが、マスター・スクーバ・ダイバーを目指す楽しさでもあります。
あなたらしい最高のダイバーを目指そう
マスター・スクーバ・ダイバーになるために、急いでコースや本数を重ねる必要はありません。まずは、これから海で何をしてみたいかを考えてみましょう。
見たことのない生き物に会いたい。
水中写真を上達させたい。
世界の有名なダイビングスポットを訪れたい。
もっと自信を持って潜りたい。
仲間から信頼されるダイバーになりたい。
目標が見えてくれば、次に挑戦してみたいスペシャルティや、これから経験したいダイビングも自然と見えてきます。PADIマスター・スクーバ・ダイバーは、単なるゴールではありません。
「潜れる」から、「海をもっと楽しめる」へ。その過程で身につけたスキルや知識、そして50本の経験は、その先のダイビングをもっと自由に、もっと面白くしてくれるはずです。
まずはお近くのPADIダイブショップで、現在の認定ランクや経験本数、これからやってみたいダイビングについて相談してみましょう。
マスター・スクーバ・ダイバーになって、MSDボトルをゲットしよう!
2026年に、PADIマスター・スクーバ・ダイバー(MSD)に認定された方には、オリジナルMSDボトルをプレゼント!5つのスペシャルティでスキルや楽しみ方を広げ、レスキュー・ダイバーで安全への意識を高め、50本のダイビングで経験を重ねる。その積み重ねの証として、MSDの称号と一緒にオリジナルボトルをゲットしよう!
