PADIのダイバーたちは、市民科学者としてDive Against Debris調査に参加したり、Dive Against Debris スペシャルティコースを受講することにより、画期的な新しい研究に重要なデータを蓄積する事に貢献できます。そしてその成果のひとつとして、皆さんの調査データを基に作成された科学論文集がScience Directから発表されました。この世界初の論文は、海岸線で見つかるごみと海底で見つかるごみとの関係について分析しています。
この論文に使用されたデータは、PADI AWARE FoundationのDive Against Debrisによる海底調査とOcean Conservancyの国際的な海岸清掃から直接得られたものです。PADI AWARE Foundationのグローバルオペレーションディレクターであるダナ・ムーアは、この素晴らしい海洋ごみの研究について詳しく紹介し、そしてこの研究は海洋保護活動にどのように影響が出てくるかを教えてくれました。
海岸線のごみと海底のごみの不一致が見受けられる一方で、釣り糸やビニール袋などの絡まりやすいまたは沈むアイテムとの相関が見られました。
質問: この画期的な市民科学研究に参加することはAWAREにとってどういう意味があるのですか?
ダナ・ムーア: これは私たちの組織、コミュニティ、そして海洋ごみの研究全体にとって非常に重要な一歩です。陸地と海底のごみとの関係を調査することは世界初の研究であり、今後の海洋への脅威に対する方針の提案において重要な要素となります。この取り組みにより、コミュニティの行動と行政の方針を調和させ、PADI AWARE Foundationのビジョンであるクリーンで健康な海に戻すというビジョンを進める良い例となっています。
質問: この研究を実現するためにはどのような要素が必要でしたか?
ダナ・ムーア: Dive Against Debrisプログラムは、PADI AWARE Foundationのクリーンオーシャン戦略の中心となるフラッグシップの市民科学プログラムです。この研究は、AWAREチーム、我々のパートナー、そして大切なコミュニティの協力により、プログラムを進化させるまで約10年かかるという努力の結晶です。分析された海底ごみのデータは、5,930件の市民科学調査報告を7年間かけて集計したもので、総数915,430個の海洋ごみを記録しました。報告内容は、海洋ごみを除去するという事だけでなく、それを報告するという行動があったからこその結果です。そして、各調査は、信頼性のある海洋ごみの研究を進めるために内部のレビュープロセスも行っています。この結果は大勢の皆さんの努力のおかげです。
質問: PADI AWAREアプリがこの研究にどんな役割を果たしていますか?
ダナ・ムーア: PADI AWAREアプリは、Dive Against Debrisの参加者がデータを迅速かつ簡単に報告するための重要なプラットフォームです。2017年にこのアプリを導入してから、調査数が147%増加しました。このアプリを市民科学者の皆様に提供するために必要な資金の元となる多くの寄付をしてくれた方々とパートナーの方々に感謝しています。
PADI AWAREアプリのダウンロード(無料):
質問: 研究から得られる主なポイントは何ですか?
ダナ・ムーア: 海岸線のごみと海底のごみの不一致が見られる一方で、釣り糸やビニール袋などの絡まりやすい、または海底に沈むアイテムの一致が見られました。陸地と海底のごみには両方とも共通のパターンがあり、その中で代表的な10のアイテムとは、飲料関連のもの、プラスチック素材、使い捨てのものなどです。
質問: PADI AWARE Foundationとこの研究においての次のステップは何ですか?
ダナ・ムーア: PADI AWARE Foundationの研究パートナーであるCSIROとOcean Conservancyと共に、今年はこの研究に関連するさらに2つの論文を発表する予定です。この研究を活用して、ごみが海洋環境に入るのを防ぐための廃棄物管理政策に対する情報提供を行います。
質問: なぜ世界中のPADIダイバーコミュニティが市民科学者として参加し、「Every Dive a Survey Dive」を実践することが重要なのでしょうか?
ダナ・ムーア:市民科学プログラムを通じた環境汚染の情報提供がごみ問題の緩和にどれほど重要な役割を果たしたのかをこの研究では明らかに証明しています。ダイバーが貴重な市民科学者であるという理由は、彼らは海洋環境の状態に直接触れて、水中を観察するという行動ができるからです。PADIのダイバーが「Every Dive a Survey Dive(すべてのダイブが調査ダイブ)」をさらに実践ことにより、海洋保護の推進において大きなインパクトを生み出すことができます。
この重要な研究と海洋クリーンナップの取り組みへのご貢献に対して、参加していただいた皆様に心より感謝いたします。この行動を通じて、PADIトーチベアラーの真の意味を示していただき、誠にありがとうございます。
まだ迷っている方に、是非、冒険を追求し、海を救うための10億人のトーチベアラーを創出するというPADIのミッションに参加していただきたいです。PADI AWARE Foundationのフラッグシップ市民科学プログラムである「Dive Against Debris」に参加することで、あなたもこの特別なコミュニティの一員になることができます。Dive Against Debris スペシャルティの資格を是非とも取得していただき、「Every Dive a Survey Dive」を実践しませんか?そして、できるだけ使い捨てプラスチックの使用を避けることも忘れないでください。それがどこに辿り着くのかは分かっているのですから。
この画期的な海洋ごみ研究についてもっと知りたいですか?是非PADI AWARE Foundationの「Sink or Swim(沈むか泳ぐか)」を読んでみてください。