ダイビングやスノーケリングを楽しむ際、または日常生活に日焼け防止のために日焼け止めを使う人は多いでしょう。しかし、その日焼け止めに含まれている成分について、考えたことはありますか?実は、一般的に使われている日焼け止めの中には、海洋環境、特にサンゴ礁に深刻なダメージを与える成分が含まれているものがあります。
日焼け止めに含まれるオキシベンゾンやオクチノキサート(メトキシケイヒ酸オクチル)などの化学物質が、サンゴやその他の海洋生物の遺伝子を傷つける原因として注目されており、それらの成分を含む日焼け止めの使用や販売を禁止するエリアが出てきているのです。

パラオ
世界中のダイバーに人気のパラオでは2018年11月に、サンゴ礁に対して有害な物質を含む日焼け止め製品の販売や持ち込みを禁ずる条項を含む法律「The Responsible Tourism Education Act 2018」が成立。国レベルで日焼け止め成分を規制する法律が成立したのはパラオが初めてで、前述のオキシベンゾンとオクチノキサートに加え、オクトクリレン、エンザカメン、トリクロサン、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルパラベン、フェノキシエタノールの10種類の化学物質を含む日焼け止めやスキンケア製品の販売・使用を禁止しています。施行日は2020年1月1日。違反者は1,000ドル以下の罰金の対象となるそうです。
ハワイ
サンゴに有害な成分を含む日焼け止めの規制にいち早く動いたのが、日本人にも人気のリゾート、ハワイです。2016年には酸化亜鉛か酸化チタンを使用した日焼け止めを使うように呼びかけがスタートし、2018年5月にはハワイ州議会で、サンゴ礁への有害性が指摘される成分を含んだ日焼け止めの販売を禁止する法案が可決。7月に州知事による署名で法案が成立し、2021年1月1日からの施行が決まりました。オキシベンゾンとオクチノキサートが含まれる日焼け止めの販売や流通が禁止されます。
オランダ領ボネール
アメリカのダイビング雑誌の人気ランキングでは常に上位にランクインするのが、カリブ海に浮かぶオランダ領ボネール島。2018年5月に評議会の会議で、ハワイの法案にならい、2021年1月1日からオキシベンゾンとオクチノキサートが含まれるすべての日焼け止め製品の禁止が決定しました。
このほかにも、カンクンやコスメルを含むメキシコの自然保護区では、生分解性ではない日焼け止めの使用を禁止するなど、自然に優しい成分の日焼け止めを使うことは、世界全体の流れとなりつつあります。今後も、サンゴ礁に対して有害な物質を含む日焼け止め製品を禁止するエリアは増えてくると予想されます。
どんな日焼け止めを使えばいい?
前述のオキシベンゾンは、サンゴにダメージを与えるだけでなく、人体にも悪影響を与える成分という指摘もあり、アメリカの連邦議会でも禁止する法案が審議されるほど。やはり、“環境にも体にも優しい”日焼け止めを使いたいところです。
そこでおすすめなのが、化学物質を使用しないオーガニック系の日焼け止めや、生分解性の日焼け止め。さまざまな企業が、新たな日焼け止めの開発に力を入れ始めています。シードオイルなどの天然の植物オイルを配合した製品や、リサイクル可能な植物由来のバイオプラスチックを配合した製品など、新たな試みが次々に登場しています。
日本国内でも、近年「サンゴに優しい日焼け止め」や「環境に優しい日焼け止め」が注目されており、多くのブランドがこうした製品を続々と展開しています。これらの商品は、サンゴ礁を守りながら肌を紫外線から守ることができるため、海洋保護意識が高まる中で特に人気を集めています。
このブログでは、環境に配慮した日焼け止めを取り扱っているいくつかのブランドをピックアップしてご紹介します。

ハワイのローカル達が、工場で一つ一つ心を込めて製作。紫外線も保湿も化学物質ゼロの100%ナチュラル、オーガニック、プラスチックフリーの日焼け止め。

肌に負担を掛けずに紫外線を強力ブロック、国内ウォータープルーフ機能指数の最高値が持つDAILY ESSENTIAL SUNSCREEN。100% 天然由来成分、潤い肌を保つ美容成分、世界基準の確かなオーガニックコスメなどがポイント。

海の生態系にも、人の肌にも、みんなに優しい日焼け止め。容器、包装も、プラスチックを使用せず、生分解にこだわり、シンプルな成分のみで構成されます。

パラオ共和国やハワイの基準をクリアしたミルクタイプの「feel coral サンプロテクトミルク」。白浮きしない化粧下地にもなる、美容成分が含まれた紫外線対策コスメです。2023年にはSustainable Cosmetic Awardの審査員賞や、ソーシャルプロダクツ賞を受賞しました。

ミネラルバリア*で守る紫外線吸収剤ゼロ処方のキッズUV。
お子さまはもちろん、大人様にも負担感ない使い心地にこだわりのビオレUVキッズピュアミルク。*紫外線散乱剤を含むUVブロック膜

ビーチフレンドリー処方、環境に配慮した設計(水環境リスク評価済)した汗・水こすれに強いUVジェル。また、チリ・ほこり・PM2.5・花粉などの微粒子汚れの付着も防けます。
3月5日は「サンゴの日」
サンゴを守ることは、一見遠い話に思えるかもしれませんが、実は身近なところから始めることができます。たとえば、毎日使用している日焼け止めを環境に優しいものに切り替えるだけでも、海洋環境を守るための第一歩になります。環境に優しい日焼け止めを選ぶことで、サンゴ礁への負担を減らし、美しい海の生態系を未来に残すことができるのです。
皆さんも海に遊びに行くときには、ぜひ海にも体にも優しい日焼け止めを選んで、使ってくださいね。
