「PADIインストラクター」と聞くと、ダイビングショップに就職する人が目指すもの、というイメージを持つ方もいるかもしれません。

けれど、インストラクターを目指す理由や、その先に描く未来は人それぞれです。

PADI AmbassaDiverで、音楽ユニット「LUV K RAFT」でボーカルを務めるKARENさんとMishuさんも、音楽活動を続けながらPADIインストラクターへの道を歩み始めました。同じタイミングでIDC(インストラクター開発コース)に挑戦した2人ですが、そのきっかけも、得意なことも、これまで歩んできた道も同じではありません。

それでも、目指す場所はひとつ。

今回は、2人がPADIインストラクターを目指した理由、IDCで感じた難しさ、そして一緒に挑戦したからこそ見つけられた強みについて聞きました。


音楽を続けながら、PADIインストラクターを目指す

KARENさんとMishuさんは、LUV K RAFTのボーカルとして音楽を届けています。そんな2人が、新たに選んだ挑戦がPADIインストラクターでした。

KARENさんが感じていたのは、音楽とダイビングの意外な共通点です。

音楽で人の心を動かすことと、ダイビングで人の世界を広げることは、実は似ていると思いました。だから、音楽の世界もインストラクターの世界も見てみたいと思ったのがきっかけです。

一方、Mishuさんの原点にあるのは、自身がこれまでインストラクターに支えてもらった経験でした。

私自身、たくさんのインストラクターの方のおかげで、海の楽しみ方や、苦手だった耳抜きの克服方法を教えてもらいました。次は、私がその立場になりたいと思ったからです。

KARENさんは「音楽とダイビングに共通する、誰かの世界を広げる力」に惹かれ、Mishuさんは「自分を支えてくれた人のように、今度は誰かを支えたい」と考えました。同じPADIインストラクターを目指していても、その入口はそれぞれ違います。


「自分ができる」と「人に伝える」は違う

IDCで2人が共通して感じたのは、自分ができることと、それを誰かができるように伝えることはまったく違う、という難しさでした。

自分ができることと、人ができるように伝えることは、まったく違うんだと思いました。自分が楽しむことと、相手に楽しんでもらうことの違いは、インストラクターだけでなく音楽にも通じると感じました。

知識やスキルを身につけていても、初めて挑戦する人にとって、どの言葉なら分かりやすいのか。どの順番で説明すれば安心して取り組めるのか。相手の立場から考え、伝え方を組み立て直す必要があります。

自分は分かっている前提で、物事を進めてしまいがちです。でも、教える相手は初めて挑戦する人。その人に、どれだけ分かりやすく伝えられるかが本当に難しかったです。

IDCは、ダイビングスキルを磨くだけの時間ではありません。相手をよく見て、その人に合った言葉や方法を考え、「できる」まで導く力を身につけていく時間でもあります。


違う強みを持つ2人だから、補い合えた

IDCを通して、2人はお互いの新しい一面にも気づきました。Mishuさんが感じたKARENさんの強みは、丁寧に、分かりやすく伝える力です。

KARENさんは、丁寧に分かりやすく伝えることにすごく長けています。音楽のMCでも感じていた、人に伝える分かりやすさを、ダイビングにもしっかり持ってこられているのがすごいと思いました。

KARENさんが感じたMishuさんの強みは、不安を乗り越えた後の集中力と成長の速さでした。

Mishuは、不安が取れた瞬間からの爆発力と集中力がすごい。知識を身につけてダイビングが楽しくなり、その楽しさと「教えたい」という気持ちが合わさってからは、覚えるスピードも一気に速くなったと感じました。

Mishuさんは、耳抜きや中性浮力などに苦労した経験も、自分ならではの強みになると話します。

苦手なことが多かったからこそ、耳抜きの方法も一つではなく、いくつも覚えました。耳抜きが苦手な人に、いろいろな対処法を伝えられることは、自分の強みだと思います。できなかったからこその強みですね。

何でもスムーズにできた経験だけが、教える力になるとは限りません。悩み、試し、乗り越えてきた経験があるからこそ、同じところで立ち止まっている人の気持ちを理解できることもあります。

ライブ前にも問題を出し合った2人

2人でIDCを受講したことは、学習面でも大きな支えになりました。

ライブ前などの少しの空き時間にも、学科問題を出し合っていたという2人。お互いの苦手な分野を把握していたため、Mishuさんには物理の計算問題、KARENさんにはRDP(レクリエーショナル・ダイブ・プラナー)の問題というように、それぞれに必要な問題を選んで練習していました。

物理の公式を覚えるために、2人独自の言葉遊びを考えたことも。少し苦手な勉強も、2人だったから楽しく続けられたと振り返ります。

2人で受けられて本当によかったです。相手の苦手な分野が分かっているので、その都度問題を出し合えました。しっかり勉強しながら、2人で楽しく取り組めたと思います。

得意なことも、苦手なことも違う。だからこそ、一方が迷ったときには、もう一方が違う視点から支えることができました。


そして、迎えたIE当日

ギリギリまで勉強と講習に向き合い、ついに迎えたIE(インストラクター試験)当日。緊張が最も高まる場面かと思いきや、2人の中にあったのは、それまで積み重ねてきたものを出し切ろうという前向きな気持ちでした。

KARENさんは、当日が一番落ち着いていたと振り返ります。

ギリギリまで勉強も講習も頑張り抜いたので、「あとは緊張せずに、ベストパフォーマンスを出すだけだ!」と思って試験会場に入りました。

前日までは緊張と不安が大きかったというMishuさんも、会場に入ると気持ちが変わったといいます。

今までしてきたことを全部披露しよう!という、楽しみな気持ちのほうが大きかったです。

不安がなくなったわけではありません。それでも、IDCで学んだこと、2人で励まし合いながら積み重ねた時間が、「今できることをすべて出そう」という自信につながっていましたDCで学んだ「人に伝える力」は、ダイビングだけでなく、2人の音楽活動にもつながっています。


合格の瞬間、「ここから始まる」

試験を終え、エグザミナーから告げられた合格。KARENさんが最初に感じたのは、大きな安堵でした。

とにかく、ホッとしました。「合格おめでとう」とPADIのみなさんが温かい笑顔でお祝いしてくださって、固い握手をしてもらって。その瞬間、「これから始まるんだ」というワクワクが一気に広がりました!

壁にぶつかることも、失敗から学ぶことも、これからきっとたくさんある。それでもKARENさんは、「それさえも、めちゃくちゃ楽しみ」と話します。Mishuさんにとっても、エグザミナーと握手を交わし、合格が決まった瞬間は忘れられないものになりました。

早く、お世話になった方全員に連絡したい! 報告したい! という気持ちになりました。

喜びと同時にあふれたのは、ここまで支えてくれた人たちへの感謝でした。

一方で、PADIインストラクターになった実感は、まだこれからだと2人は話します。

「インストラクターになったんだ!」という気持ちはありますが、正直、まだちゃんと実感できていない気がします。きっと、自分が初めて講習を担当したり、体験ダイビングをガイドしたりしたときに、「自分はインストラクターなんだ」という実感や心構えが、少しずつ育っていくんだと思います。

ここからたくさんの方とダイビングを共にし、自分が教える立場になった瞬間に実感するんだと思います。だから、早くその瞬間に立ち会いたいです。

合格の喜びを感じながらも、本当の意味でインストラクターになるのは、誰かに教え、海の魅力を伝える瞬間から。2人にとってIE合格はゴールではなく、新しい役割への期待と心構えを少しずつ育てていくスタートになりました。


それぞれが目指す、PADIインストラクターの姿

KARENさんが目指しているのは、ダイビングスキルを教えるだけでなく、その人の「やってみたい」を一緒にかなえられるインストラクターです。

音楽を聴いて今まで知らなかった感情に出会ったり、海に潜って今まで見たことのない景色に出会ったり。どちらも、人生の新しい扉を開いてくれるものだと思います。音楽とダイビングを通して、「まだ自分の知らない世界がこんなにたくさんあるんだ」と感じてもらいたいです。

自分の音楽や、一緒に潜った海が、誰かの新しい一歩につながったら。それが一番うれしいとKARENさんは話します。

Mishuさんが目指すのは、一緒に潜った人がダイビングと海を好きになるきっかけをつくれるインストラクターです。自身の最初のダイビングでは、苦手なことに意識が向いてしまったものの、関わったインストラクターの存在によって、その印象が前向きなものへ変わっていったといいます。

私のダイビングをプラスの方向へ変えてくれたのは、関わってくれたインストラクターの方でした。次は私が、そんな立場になりたいです。音楽とダイビング、両方の「好き」を発信することで、どちらも好きだという人が増えたらいいなと思っています。

IDCで学んだ「人に伝える力」は、ダイビングだけでなく、2人の音楽活動にもつながっています。そして、インストラクターとして最初にその力を届けたい相手も、それぞれの歩みの先にいました。

KARENさんが最初に挑戦したいのは、音楽仲間のライセンス講習です。

この数カ月でたくさんインプットしてきた知識を、早くアウトプットしていきたいです。自分が学んできたこと、経験してきたことを自分なりに伝えて、その人が海をもっと好きになってくれたらうれしいです!

Mishuさんが一緒に潜りたいと考えているのは、家族や友人、お世話になった人たちです。

私自身、たくさんの先輩ダイバーさんに海の楽しみ方を教えていただきました。次は自分がその立場になる、第一歩を踏み出したいです!

音楽仲間へ。家族や友人へ。そして、これから出会う誰かへ。届けたい相手は違っても、その人が海を好きになるきっかけをつくりたいという思いは共通しています。


目指す理由は、ひとつじゃない

ダイビングを仕事にしたいから。自分が感じた海の魅力を、誰かに伝えたいから。これまで支えてくれた人のように、今度は自分が誰かを支えたいから。今の活動に、新しい視点や可能性を加えたいから。

PADIインストラクターを目指す理由に、一つの正解はありません。

音楽活動を続けながら、それぞれの理由でPADIインストラクターへの道を選んだKARENさんとMishuさん。2人の物語は、「自分には関係のない世界」と思っていた誰かにとって、新しい可能性を考えるきっかけになるかもしれません。

100 Reasons to Become a PADI Pro
目指す理由は、ひとつじゃない。

PADIインストラクターになる。その可能性を、あなたにも。


About LUV K RAFT

関西発、KAREN(Vo)、Mishu(Vo)、北野正人(Gt / Manipulator)による3人組音楽ユニット。“懐かしさと新しさが交差するタイムマシンサウンド”をコンセプトに、ロック、ポップス、エレクトロを融合した独自の音楽を展開しています。女性ツインボーカルならではの豊かなハーモニーと、圧巻のライブパフォーマンスを武器に、関西から全国へ、そして世界へ向けて活動中です。

メンバー全員が、国際的なスキューバダイビング教育機関のPADIのインストラクター資格を持ち、音楽だけでなく、ダイビングの魅力や海洋保護についても発信しています。

2026年9月26日には、徳間ジャパンコミュニケーションズからのメジャーデビューに合わせて「1st Full Album」を配信リリース予定。同日、大阪・Yogibo HOLY MOUNTAINを皮切りにリリースツアーを行います。


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