アシカは、海に暮らす生きものの中でもとびきり愛らしい存在です。その姿や仕草を見ていると、「シーライオン(海のライオン)」という名前より、むしろ「海の子犬」と呼びたくなるかもしれません。
さて、この記事では「アザラシとアシカの違いって?」「アシカは何を食べるの?」そんな疑問に答える、アシカにまつわる14の面白い事実を紹介します。

1. アシカは哺乳類
名前に「ライオン」とついていることを考えると、なんだか納得ですよね。アシカは哺乳類なので、赤ちゃんは卵ではなく生まれてくるときから体の形をした状態で誕生します。そしてメスは母乳を与えて子育てをします。

2. アシカにはいくつもの種類がいる
アシカは一括りにされがちですが、実は全部で7種類の仲間がいます。そのうち6種は現在も生息していますが、1種は残念ながらすでに絶滅してしまいました。アシカは、アザラシやセイウチと同じ「鰭脚類(ききゃくるい)」と呼ばれるグループに属しています。これは、手足がヒレのような形になった海洋哺乳類の仲間を指します。

3. 北大西洋にはいない
アシカはどこに生息しているのでしょうか?実は、メキシコからオーストラリアまで、世界のさまざまな海域に広く分布しています。
ただし、ひとつだけ例外があります。それが北大西洋です。
この海域は水温も、アシカが暮らしている他の地域とほぼ同じで、エサも豊富。それなのに、なぜかアシカは北大西洋には生息していません。
その理由は、今も科学者たちにもわかっていない謎なのです。

4. アシカとアザラシの違い
アシカもアザラシも、どちらも鰭脚類(ききゃくるい)と呼ばれる海洋哺乳類の仲間です。ですが、よく見るといくつか大きな違いがあります。
いちばん分かりやすいのは、陸上での動き方。アザラシは陸に上がると、体をくねらせながらぴょこぴょこ跳ねるように移動します。これを英語では galumphing (ガラムフィング)と呼びます。
一方、アシカは4つのヒレを使って体を支えながら歩くことができ、時には走ることもできます。さらにもう一つの違いが耳。アシカには外から見える耳のふた(耳たぶのような部分)がありますが、アザラシにはそれがありません。

5. アシカは優れたハンター
アシカは肉食で、とても上手なハンターです。ニシンなどの小魚のほか、カニやイカなど、さまざまな海の生きものを食べます。口には34〜38本の鋭い歯が並び、獲物をしっかり捕まえます。また、口の周りにあるヒゲ(感覚毛)を使って、岩礁のすき間にいる獲物を探し出すこともできます。
捕まえたエサはほとんど噛まずに丸のみ。1日に最大約18kgもの食事をとることもあり、場合によっては体重の約8%に相当する量を食べることもあるそうです。

6. 大きいオスほど人気者
オスのアシカは、メスよりもずっと大きく成長します。そして繁殖の季節になると、メスはより体の大きいオスを選ぶ傾向があります。
つまりアシカの世界では、まさに「大きいほど有利」というわけです。

7. アシカはとても社交的
アシカはとても社交的な動物で、仲間同士でさまざまな方法を使ってコミュニケーションをとります。鳴き声や体の動きなどで意思を伝えていると考えられていますが、その鳴き声の詳しい意味は、まだ完全には解明されていません。アシカは大きな群れ(コロニー)を作って暮らし、その中にはさらに小さなグループがいくつも存在します。
中には、一生のうちにいくつものグループを行き来する個体もいるそうです。人間で言えば、友達グループを移動するような“コミュニティ”の感覚に近いのかもしれません。

8. 年齢とともに健康の問題が増えることも
アシカも人間と同じように、年齢を重ねると健康上のトラブルが起こりやすくなることがあります。特に、肺炎やてんかん、がんなどの病気にかかりやすくなることが知られています。

9. アシカはフリーダイビングの名人
アシカも人間と同じく、呼吸のためには酸素が必要な哺乳類です。水中では鼻の穴(鼻孔)を閉じた状態になっており、呼吸が必要なときだけ開くため、効率よく泳ぐことができます。
では、どれくらい息を止められるのでしょうか?種類によっては、なんと最大約300mの深さまで潜り、最大20分間も息を止めていられることが知られています。
まさに、フリーダイビングの名人です。

10. アシカは環境に合わせて狩りの方法を変える
アシカは、住んでいる場所や食べるエサによって、独自の狩りのスタイルを身につけることがあります。これはシャチにも見られる特徴です。
例えば、ガラパゴスアシカはグループで協力して狩りをすることで知られています。仲間と連携して魚を浅瀬へ追い込み、逃げ場をなくしてから捕まえるのです。特にこの方法は、マグロを狙うときに見られるといわれています。マグロは体も大きく力も強いため、普通ならアシカにとって捕まえるのはかなり難しい相手。それでも協力して狩りをすることで、捕食を成功させているのです。

11. アシカは最大30年ほど生きる
種類によって多少の違いはありますが、平均的な寿命はおよそ20〜30年といわれています。中には30年近く生きる個体もいるそうです。

12. アシカは長い時間、陸でも過ごせる
アシカは最大20分ほど息を止めて潜ることができますが、どれくらい陸にいられるのでしょうか?理論上は、エサを取りに海へ戻る必要がなければ、陸上にずっととどまることも可能だと考えられています。
ただ実際には、長く陸にいるのは特別な理由があるときがほとんどです。例えば、繁殖・子育て・換毛(毛が生え替わる時期)などです。
繁殖期には、縄張りを守るためにオスが最大27日間も海に入らず陸にとどまることがあるといわれています。一方、メスは出産後、約10日ほど陸で子育てをすることが多いそうです。
逆に、アシカは陸に上がらず海の中で2週間ほど過ごすこともできることが知られています。もし人間がそれだけ長く海にいたら、指先はきっとしわしわになってしまいますね。

13. アシカは人間より速く泳げる
海で生きる動物として、アシカは天敵から逃げるためのスピードもしっかり備えています。多くのアシカは、時速約48kmもの速さで泳ぐことができます。ちなみに、人間で最も速く走った記録を持つのは陸上選手のウサイン・ボルト。その最高速度は時速約44kmとされています。

14. 絶滅の危機にある種もいる
残念ながら、アシカの中には絶滅の危機にある種もいます。かつて人間は長い間、毛皮や油を目的にアシカを狩り続け、その結果、個体数が絶滅寸前まで減ってしまった地域もありました。現在では、アシカを守るために国際的な法律で狩猟が禁止されており、保護の取り組みが進められています。海の生きものたちがこれからも暮らしていけるよう、私たち人間の行動も大切になってきています。
海には、アシカのように魅力的でユニークな生きものがたくさん暮らしています。ダイビングは、そんな海の世界を自分の目で体験できる特別なアクティビティ。
もし海の生きものや水中世界に興味を持ったなら、ダイビングを始めてみませんか?


