2026年、PADIは創立60周年を迎えました。1966年、海の中で始まった小さなチャレンジは、今では世界中のダイバーをつなぐ大きな広がりへと成長しています。これまでに3,000万人以上が、PADIを通じて海と出会い、学び、そして海を守る一歩を踏み出してきました。

「60年前、海の中でひとつの灯がともり、そこからムーブメントが生まれました」そう語るのは、PADIのプレジデント兼CEO、ドリュー・リチャードソンです。

この60年を振り返ると同時に、PADIは今、次の60年に向けてどんな未来を描いていくのかを考えています。本記事では、そんなPADIのこれからについて、組織を支えるメンバーたちの視点や想いをご紹介します。


Adaptive Diving PADI Future

スクーバ・ダイビングのこれから

これからのダイビングを考えるうえで、大きなテーマのひとつが「誰もがダイビングを楽しめる世界」をつくることです。PADIはこれからも、年齢や経験、身体的な条件に関わらず、すべての人にとって海の世界が開かれた場所であり続けるよう取り組んでいきます。

その中でも、長期的なビジョンの柱となっているのがさまざまな身体的条件やサポートが必要な方にもダイビングの機会を広げる取り組み(アダプティブ・ダイビング)です。残されているハードルをひとつずつ取り除き、より多くの人がダイビングという人生を変える体験にアクセスできるよう、PADIは取り組みを続けています。

2026年には、第3回目となる「PADI アダプティブ・ダイビング・ウィーク」が世界各地で開催されます。
この期間中、各地のダイブセンターでは、身体的や精神的な条件に関わらずダイビングを楽しめる取り組みや体験プログラム、情報発信などが行われます。アダプティブ・ダイビングの可能性や、それを支えるインストラクターやダイブバディたちの存在に光を当てる1週間です。

「1990年代初め、私は下半身に麻痺のあるダイバーとして、世界で初めてPADIインストラクター資格を取得しました。その頃から、PADIは“誰もが挑戦できる環境”を大切にしてきました。これからさらに多くのダイブセンターが認定を受け、アダプティブ・ダイビングを支える仲間が増えていくことを願っています」そう語るのは、PADI グローバル・アダプティブ・ダイビング・コーディネーターのフレイザー・バスゲイトです。

そして、PADIが大切にしているもうひとつのテーマが、次の世代へバトンをつなぐこと。若い世代がダイビングコミュニティに参加しやすい環境をつくるという長年の取り組みを受け継ぎながら、PADIは世界中の子どもや若者にとって、ダイビングがもっと身近で、ワクワクする存在になることを目指しています。

子ども向けの「バブルメーカー」や「シール・チーム」、ジュニア向けのダイビングコースのほか、新しく誕生した「PADI Junior AmbassaDivers」という取り組みも始まりました。若い世代が、海と出会い、その魅力を発信していく動きも広がっています。

「PADIが目指しているのは、初めて水中で呼吸する瞬間から、自信とスキルを身に着けたダイバーへ、そして海を守る存在へと成長していける道をつくることです。若い世代が、自分らしいダイビングの歩みを描けるようサポートしたいと考えています。好奇心や自信、責任感を育む学びの機会を通して、未来の海へとつながる、多様で活気あるダイバーの輪を広げていきたいのです」そう話すのは、PADI マーケティング・コミュニケーションズ ディレクターのアシュリー・レヴィです。

Youth in Diving PADI Future

PADIのこれから

2016年、PADIは創立50周年を迎えたタイミングで、タグラインを「The Way the World Learns to Dive®(世界がダイビングを学ぶ方法)」から
「Seek Adventure. Save the Ocean.(冒険を求め、海を守ろう)」へと進化させました。

そして掲げたのが、「10億人のトーチベアラー(海を守る担い手)」を育てるというミッション。この想いは、今も変わらずPADIの原動力であり続け、これからの未来を形づくる大きな軸となっています。

もうひとつのテーマが、テクノロジーの活用です。忙しい日常の中でも学びやすいオンライン教材やアプリなど、ダイビング体験をよりスムーズにする仕組みづくりが進んでいます。PADI eLearningやPADIアプリ、PADI Travelといったサービスは、世界各地で活用が広がっています。日本でも、より使いやすく、より身近なものとなるよう、少しずつ取り組みが進んでいます。

「PADIはこれからも“世界がダイビングを学ぶ方法”であり続けます。そのために、質の高い教材やデジタル体験を通じて、世界中のダイバーにより良い学びを届けながら、ダイバーが“冒険を求め、海を守る”その一歩を支えていきます」そう語るのは、PADI モバイル&エクスペリエンスデザイン担当バイスプレジデントのケビン・ブラウンです。


Ocean Stewardship PADI Future

PADI AWAREと描く、これからの海の守り方

1989年に設立されたPADI AWARE Foundation®(旧Project AWARE)は、30年以上にわたり「ローカルな行動で、グローバルな海洋保全を」という理念のもと活動を続けてきました。これからの“海を守る取り組み”も、PADIとPADI AWAREが共有する保全指針「PADIの海洋における行動指針」に基づいて進められていきます。重点分野は、次の5つです。

  • 海洋ごみ
  • 海洋保護区
  • 絶滅の危機にある海洋生物
  • 海洋生息地の再生
  • AWAREコミュニティ助成

その取り組みを支える重要なツールが、海洋保護・保全アクションポータル(Conservation Action Portalです。これは、ダイバーが海を守るための行動に参加し、その記録を残せるオンラインの仕組みです。世界中のダイバーがどんなアクションをしているのかを見ることもでき、自分もその一員として関わることができます。

最近では、世界中のダイバーの支援によって、複数のサメやエイの種が、2025年のCITES条約会議で持続不可能な取引から守るための最も強い保護措置を受けることになりました。

そしてその流れをさらに前進させるのが、新たに始まる『世界的なサメとエイの個体数調査』です。このグローバルな市民科学プログラムは、アドボカシー(政策提言)、教育、そして市民参加型の科学調査を通じて、絶滅リスクの高いサメやエイの保全を強化することを目的としています。

「これらの保護措置がこれから本格的に動き出す中で、PADI AWAREはダイバーやインストラクター、業界パートナーと協力しながら、その約束が“実際の海の変化”につながるよう取り組んでいきます。ダイバーは、水中の“目”のような存在です。何が守られているのか、どこにまだ課題があるのかを、実際に見ることができます。だからこそ、海の本当の状態を伝えられる特別な立場にあります。保全の取り組みが本当に海を良くしているのか。その確かな手応えを得るために、PADI AWAREは、ダイバーが自分のお気に入りのダイブサイトの状況を共有できる仕組みづくりに力を入れています」そう語るのは、PADI AWARE ポリシー&パートナーシップ担当アソシエイトディレクターのイアン・キャンベルです。

海を守るのは、特別な誰かだけではありません。海に潜る私たち一人ひとりが、その最前線に立っているのです。

Shark Conservation PADI AWARE Future

海と生きる未来へ

「私はPADIの未来にとても期待しています。今、私たちは新しい時代の入り口に立っています。人と海は、思っている以上に深くつながっています。そのことを実感しているダイバーは、とても貴重な存在です。いつか、10億人が同じように海とのつながりを感じられる世界になったら…。それが、PADIが目指している未来です。私たちはこれからも、海にとって前向きな変化を生み出していきたいと考えています」そう語るのは、PADI プレジデント兼CEOのドリュー・リチャードソン博士。

ダイビングは、ただ海に潜ることではありません。海とつながり、その大切さを知り、未来へつないでいくこと。その物語の一員になる準備は、できていますか?

PADI Future of Diving: Celebrating 60th Anniversary
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