いよいよ夏を迎え、ダイビングのシーズンがやってきました。
いろいろなダイビング・ポイントに行ったり、ダイビング・スタイルを楽しんでいただりするのはもちろんですが、その楽しみも安全があってこそ。今のうちに下記項目について、再度確認しておきましょう。

無理のない計画とバディ・システムの徹底

ダイビング前やダイビング中にも、いろいろと注意が必要です。しっかりと計画をたて、バディ・システムを守りましょう。必要であれば、PADIオープン・ウォーター・ダイバー・マニュアルを読み返すことも有益です。

  • 無理のない計画と安全ルール:
    • 各自の年齢、経験、ブランクに合った無理のない計画と安全ルールに沿った行動をしましょう。
    • ノンストップ・リミット(減圧不要限界)内のプランとそのプランどおりのダイブを心がけましょう。
    • ダイビング前の体調チェックを忘れずに。少しでも不安があるようなら、インストラクターに相談しましょう。体調に異変、不安、海況の変化がある場合は、ダイビングを中止する勇気も必要です。
    • ダイビング後は高所移動を避け、十分に休息をとってから移動するようにしましょう。
  • バディ・システムの徹底:
    • 水中だけでなく、エントリー前/エントリー後もバディ・システムを徹底し、特に水中ではバディとのコンタクトをこまめに行ないましょう。
    • エアの管理はバディ同士で行ない、どちらか少ない方のエアを申告すると効率的です。
    • ダイビング前のプレダイブ・セーフティチェック(バディチェック)を確実に実施しましょう。
    • 緊急時のプランとエキジット方法、ファーストエイド・キットや緊急用酸素の場所と作動を事前に確認しましょう。
  • ストレスのないように:
    • ダイビング前には、水慣れの時間などストレスを軽減する準備をしっかりしましょう。例えばボート・ダイビングなどでいきなりエントリーしてストレスが高まらないように、乗船時に顔から水を浴びておくだけでも効果があります。
  • 久しぶりのダイビングではPADI ReActivateプログラムで水慣れの時間を:
    •  海に行く前にご近所にダイビングプールがあれば、あらかじめ水に慣れておくことをお勧めします。プールに行けないときは、初日1回目のダイビングは特に無理のないように、体慣らしの準備運動、ウエットスーツの締め付け緩和の為の水慣れ、入水前の水分補給などを十分に行なってから活動しましょう。
      可能であれば、PADI ReActivateプログラムを受けましょう。ReActivateプログラムは、ダイビングの知識や基本的なダイビング・スキルをリフレッシュするのに最適な方法です。
  • 「体調が悪い」のハンドシグナルをしっかり覚えましょう:
    水中で体調が悪くなった場合は、迷わず「体調が悪い」のハンドシグナルをバディやインストラクター、水中ガイドに伝えましょう。
「体調が悪い」のハンドシグナル。指を自分の方に向けて、頭と胴体を含む楕円形を描くようにして回します。

「体調が悪い」のハンドシグナルを動画でもご覧ください:

体調に異変を感じたり、次のダイビングに対して不安を感じるなどした場合は、躊躇なくそのダイビングは中止することも覚えておきましょう


40歳代以上ダイバーのトラブル回避

最近は、シニア層のダイバーだけではなく、40歳代前後でのトラブル、健康な方の突発的なトラブルも発生しています。今年は様々な制限が緩和されたことで、久しぶりにダイビングを楽しもうという方も多いのではないでしょうか。

  • 反復ダイビングや連日のダイビングの場合も気をつけましょう:
    反復ダイビング、連日にわたるダイビングを行なう場合は、後半が控えめになるように計画し、また、体調が少しでもすぐれない場合は無理をしないようにしましょう。日程中、不安がある場合は遠慮なく、インストラクターに相談してください。
  • 浸漬性(しんしせい)肺水腫も増えてきています:
    最近、「浸漬性(しんしせい)肺水腫」が疑われる事故も増えています。水中で息苦しいと感じた場合はすぐにインストラクターに伝え、ダイビングを中止しましょう。その後は体調の様子を注視してください。

器材の確認と点検

ご自分の器材を持っている方は、事前に必ず動作の確認をしておきましょう。レンタルする方は、ダイビング当日の準備に時間をとって、器材のセッティング時にしっかりと使い方や動作の確認をしましょう。
また、特定の環境下(ナイト、ドリフト、ドライスーツなど)や緊急時に使用するアクセサリーなどの点検も必ず行ないましょう。

  • ナイトダイブで使用するライト(メインライト、サブライトなど)
  • ドリフトダイブで使用する水面フロートやDSMB
  • ドライスーツ(穴が開いていないかなど)
  • ファーストエイド・キット(ご自分でお持ちの方)


水面では必ず浮力の確保! 万一のときにはウエイトを捨てましょう!

水面では通常パワー・インフレーターを使って浮力の確保をします。しかし、それができない場合や緊急事態のときにはウエイトベルトを捨てて、とにかく浮力を確保してください。
現在のPADIオープン・ウォーター・ダイバー・コースでは「完全に手を放す」までが必須スキルとなっていますが、改定前のコースでは「つけ直し」だけでした。今一度確認と練習をしておきましょう。
ウエイトを捨てても大事なものを捨てずに済みます。

 


万一のトラブルに備えて

セルフレスキューのスキルを身につけましょう!

例えばダイバーの体調に異変があって呼吸がない場合、水面ですぐに人工呼吸が行なわれれば蘇生率はとても高くなります。こうした万が一のトラブルの原因や対処法を知っておけば、まさかのときにためらわずに実行できる自信や安心感が持てるだけでなく、そもそもあなた自身と大切なバディにトラブルが発生しないよう、トラブルを予防することが可能になります
あなたとバディを守る、セルフレスキューのスキルを身につけましょう。
PADIレスキュー・ダイバー・コース
エマージェンシー・ファースト・レスポンス

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