楽しく安全なダイビングは、エントリー前の準備から始まります。その中でも欠かせないのが「バディチェック」

ダイビングでは、バディと呼ばれるパートナーとお互いの器材や安全面を確認し合います。ほんの数分の確認ですが、トラブルを未然に防ぎ、安心してダイビングを楽しむための大切なステップです。

バディチェックは、PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コースでも学ぶ基本スキルのひとつ。一般的には「BWRAF」と呼ばれる安全確認手順を使って行います。

BWRAFとは次の5つの項目です。

  • B — BCD(BCD)BCDの給排気が正常に作動するかを確認します。
  • W — Weights(ウエイト)ウエイトの装着状態や、緊急時に素早くリリースできるかを確認します。
  • R — Releases(バックル・ストラップ類)BCDやハーネスなど、各種バックルやストラップが正しく装着されているかを確認します。
  • A — Air(エア)のシリンダーのバルブが完全に開いているか、残圧は十分か、レギュレーターから問題なく呼吸できるかを確認します。
  • F — Final Check(最終確認)マスクやフィン、アクセサリー類などを含め、ダイビングに必要なものがすべて揃っているかを確認します。

ダイビング経験を重ねると、器材の準備やセッティングは自然とスムーズになります。しかし、その「慣れ」こそが見落としを生む原因になることがあります。

20年以上のベテランダイバーでも、「これくらい大丈夫だろう」と確認を省略した瞬間にミスが起こる可能性があります。バディチェックは初心者のためだけのものではありません。経験豊富なダイバーほど、その重要性を理解し、毎回欠かさず実施しています。たった数分の確認が、水中でのトラブルを防ぎ、より安全で快適なダイビングにつながるのです。

それでは、なぜバディチェックを省略してはいけないのでしょうか?

four divers enter the water together in the red sea, egypt

ダイビングモードに気持ちを切り切り替えられる

ダイビング前のバディチェックを毎回同じ手順で行うことは、水に入る前に「安全を意識したダイビングモード」へ気持ちを切り替えるのに役立ちます。

ダイビング前は、仲間との会話やボート移動、美しい景色などで気分が高まり、つい気持ちがリラックスしすぎてしまうことがあります。そんなときこそ、バディチェックが大切です。

毎回同じ手順で安全確認を行うことで、「これから潜る」という意識に切り替わり、安全を最優先に考えるダイビングモードへと気持ちを整えることができます。

また、経験の浅いダイバーにとっては、潜る前に一呼吸おいて落ち着く時間にもなります。器材に問題がないことをお互いに確認できれば、不安も和らぎ、より余裕を持ってダイビングを楽しめるでしょう。

「もう慣れているから大丈夫」と思う人ほど、確認を省略してしまいがちです。しかし、実際にはマスクの曇り止めを忘れたままエントリーしたり、ウエイトを付け忘れたり、タンクのバルブを開け忘れたまま潜ろうとしたりするケースもあります。

バディチェックは数分で終わる簡単な習慣です。その数分が、トラブルを未然に防ぎ、安全で快適なダイビングにつながります。


diver fitting gear on dive boat

お互いの器材への理解を深められる

たとえ同じような器材を使っていたとしても、実際には器材の種類や設定によって対応方法が異なることがあります。

「ダイビング器材の使い方は知っているから大丈夫」と思うかもしれませんが、自分の器材だけでなく、バディがどのような器材を使い、どのように機能するのかを事前に確認しておくことが大切です。特に、レンタル器材を使用している場合や、初めて一緒に潜るバディの場合はなおさらです。

万が一の緊急時、バディの器材に慣れていなければ、適切なサポートが遅れたり、必要な対応ができなかったりする可能性があります。もちろん、それは相手にとっても同じことです。

だからこそ、バディチェックでは単に器材が動作するか確認するだけでなく、「どんな器材を使っているのか」「緊急時にはどう対応するのか」まで共有しておくことが重要なのです。 事前の数分間の確認が、いざという時の安心につながります。


diver jumping into water buddy check

ダイビングごとの変化に対応できる

何本も問題なく潜っていると、「いつも大丈夫だから今回も大丈夫だろう」と思ってしまうことがあります。しかし、ダイビングは毎回異なります。海況や環境はもちろん、器材の状態や自分自身の体調、バディとの組み合わせなど、その日のダイビングには毎回さまざまな変化があります。

前回のダイビングで器材が完璧に機能したからといって、今回も同じとは限りません。例えば、エントリー前のバディチェックでOリングの劣化によるエア漏れを発見できれば、ダイビングを途中で中断せずに済むかもしれません。場合によっては、より重大なトラブルを未然に防ぐことにもつながります。

声をかけられる前に自然と安全確認ができるダイバーは、安全意識が高く、経験豊富なダイバーとして周囲からも信頼されるでしょう。


diver setting up gear on a dive boat buddy check

ヒューマンエラーを防げる

どんなに経験を積んだダイバーでも、人は誰でもミスをする可能性があります。それは初心者だけではありません。経験豊富なダイバーはもちろん、ダイブマスターやインストラクター、ボートクルーであっても同じです。

だからこそ、器材の最終確認をバディ同士で行うことが大切です。例えば、BCDのポケットにウエイトを入れ忘れたり、休憩中に外したダイブコンピューターを桶に置いたまま忘れてしまったりすることがあります。そんな時こそ、BWRAFの「W(Weights:ウエイト)」や「A(Air:エアー)」のチェックが役立ちます。ほんの数分の確認で、ダイビングを中止せざるを得ないようなミスを防げるかもしれません。

また、シリンダーの準備や器材のセッティングをサポートしてくれるスタッフも人間です。シリンダーの取り違えやバルブの開け忘れ・開け不足などが起こる可能性はゼロではありません。もちろん、スタッフを疑う必要はありませんが、自分の安全に最終的な責任を持つのは自分自身です。

そのためにも、「誰かが確認してくれたはず」と思うのではなく、自分でも確認し、さらにバディにも確認してもらうことが重要です。1人で確認するよりも、2人で確認する方が見落としは少なくなります。バディチェックは、お互いのミスを補い合い、安全性を高めるためのシンプルで効果的な習慣なのです。


BWRAF buddy check

もっと安心して楽しめるダイバーになろう!

バディチェックは、水中でのトラブルを未然に防ぐための大切な習慣です。しかし、どれだけ準備をしていても、予想外の出来事が起こる可能性はゼロではありません。そんなときに落ち着いて対応できる知識とスキルを身につけられるのが、PADI レスキュー・ダイバー・コースです。

このコースでは、自分自身やバディの安全管理、トラブルの予防方法、そして緊急時の対応方法について実践的に学びます。「誰かを助けるためのコース」というイメージを持たれがちですが、実際には*トラブルを未然に防ぎ、自信を持ってダイビングを楽しむためのコース”です。

受講した多くのダイバーが、「海の見え方が変わった」「余裕を持って潜れるようになった」と感じる人気のコースです。ダイビングを始めたばかりの方も、これから経験を積んでいく方も、安全に楽しむための知識は早いうちから身につけておいて損はありません。

レスキュー・ダイバー・コースで、自信を持って対応できるダイバーを目指してみませんか?

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