ダイバーなら誰もが知る「減圧症」。

減圧症は、ダイビング中に体に溶けた窒素が、減圧のときに気泡化して組織が圧迫されることで発症し、しびれ、痛み、吐き気、息切れなどの症状を伴います。 安全にダイビングを楽しむため、様々なことに注意を払っていると思いますが、アフターダイブも油断禁物です。

さっそく「ダイビング直後に避けるべき6つのこと」を見ていきましょう。

Jet lag

1.飛行機の搭乗

ダイビング後18時間以内の飛行機搭乗は、減圧症発症のリスクが高くなることが知られています。

  • 減圧なしの1回のダイビングを行った場合:飛行機搭乗まで、最低12時間空けるをことを推奨します。
  • 1日に複数回、または連日ダイビングを行った場合:飛行機搭乗まで、最低18時間空けることを推奨します。
  • 減圧停止が必要なダイビングを行った場合:推奨事項の根拠となる証拠はほとんどなく、飛行機搭乗まで18時間以上空けることを推奨します。

このように、12―18時間のフライトサーフェスインターバルが推奨されていますが、念のため、ダイビング後24時間空けることを強くおすすめします。

scuba diving in saba

2.山登り

飛行機に限らず、気圧が低くなるところ(高所)に行くことは控えた方が良いでしょう。標高400m以上の移動は明らかに発症リスクが高まります。山でのアクティビティをされるときは、高度をチェックしましょう。
⇒詳しくはこちらを参照(ダイビング前後の移動)

3.温浴に入る(体温を上げる)

ダイビングの後の体を癒すため、温泉や湯舟につかることもアフターダイブの醍醐味のひとつ。しかし以下の条件下での入浴は気を付けましょう:

  • 減圧停止を必要とするダイビングをした後
  • 無減圧潜水時間ぎりぎりのダイビングをした後

以上のダイビングをした後、体には大量の窒素が溜まっています。 身体が冷えているうちに熱いシャワーを浴びたりお風呂に入ると、溶解している気体は気泡化しやすいため、減圧症のリスクが高まるといわれています。 よって体温が上がるサウナなども避けた方が良いでしょう。 これらの条件に当てはまる場合、ダイビングの直後のお風呂は、温めのシャワーでさっとすませることをおすすめします。

4.過度の飲酒

大量のアルコールを摂取すると、脱水症を引き起こしやすくなります。それが原因で減圧症のリスクを高めることになりますので、飲酒の前に十分に水分を補給すること、ダイビングの前後にそれぞれ400ml以上水分を取ることをおすすめします。

gym

5.激しい運動

ダイビング後の運動は急速に気泡を発生させるので、好ましくないとされています。神経障害を起こす危険性があるため、強いバルサルバ法(鼻をつまみ、鼻腔内圧を上げて中耳腔に空気を入れる耳抜き法)や、咳、腹部に力を入れるような運動なども避けたほうがよいとされています。
⇒詳しくはこちらを参照(運動) 

6.ディープティッシュ・マッサージ

マッサージと減圧症の関連性は証明されていませんが、ディープティッシュ・マッサージ(深部組織マッサージ)を受ける場合は十分に注意しましょう。ディープティッシュ・マッサージとは、トラブルのある筋肉の部分に強い圧を加えるマッサージ法です。施術後は痛み(筋肉痛)が残る場合があります。
このマッサージをおすすめしない理由は次の通りです:

  • 血流量が増加すると、気泡が形成される可能性がある
  • 減圧症の誤診(または診断の遅延)につながる痛みを引き起こす可能性がある

ダイビングの直後にマッサージを受ける場合は、強度に気を付けましょう。

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